ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

アメリカ伝統の受賞ロードムービー

2019-02-27 06:32:04 | 映画


先日行われたアメリカアカデミー賞授賞式を楽しみにして観ていました。
日本人監督の二つのノミネートももちろん気になっていましたし(お二人とも大好きな監督というわけではないですが特に「万引き家族」の評価は気になりましたね)他にもいろいろ興味ある作品があったからです。
なかでも作品賞は(観てはいませんが)「ローマ」かまさか「ボヘミアンラプソディ」?などと考えておりましたが、なんと聞いたこともなかった「グリーンブック」という作品が作品賞受賞で驚きでした。
画像も車に普通の格好の男がふたりなんとなく座っているだけのものであまり目立つ感じではなかったからです。

その後で「グリーンブック」の粗筋を読んでみると「人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き」とあります。
あーそうか、アメリカ伝統の物語が賞を取ったんだ、とその時気づきました。

「アメリカ伝統」といっても歴史の短い国の事ではありますが特に映画の中で「出会った複数の男(女)が旅をしていくなかで強いつながりを持つ」という物語はなんどとなく描かれてきたものだと思うのです。
ロードムービー、というこのジャンルは広大なアメリカという国ならではの伝統芸になるのでしょう。

ガンマンなどのアウトローが放浪していく話は数えきれないほどあるでしょうし、カウボーイが作り上げてきた国でもあります。後にはそれがオートバイや車に乗った男たちへと変わっていきます。
例えばかつてはジョン・ウェインが登場した映画であり、さらにその伝統は「二十日鼠と人間」となり「イージーライダー」ケルアックの「オン・ザ・ロード」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」そして女同志の「テルマ&ルイーズ」となりドラァグクイーンの「プリシラ」となっていきます。
まだまだ全然足りなくて「明日に向かって撃て」男女コンビの「俺たちに明日はない」老年の「ストレイトストーリー」ドタバタギャグで「ジム・キャリーはMr.ダマー」父と娘の「ペーパームーン」
他にも「スケアクロウ」「真夜中のカーボーイ」もそうですし大好きなガス・ヴァン・サントはロードムービーが多く「マイプライベートアイダホ」そして「ジェリー」という異色作もあります。リンチの「ワイルド・アット・ハート」も忘れてはなりません。

出会いの時は対立するほどの関係であっても旅をしていく過程で互いを知り強い繋がりを持っていく物語はアメリカらしい荒々しさと強引な感動を引き起こします。
私もロードムービーが好きです。見たものでもここに挙げたのはほんの一部分です。

「スターウォーズ」や「スタートレック」もロードムービーなのかもしれません。

そういえば「ノーカントリー」もそうでしたね。猫とのロードムービー「ハリーとトント」音楽ロードムービー「ブルースブラザーズ」そうか「ロード・オブ・ザ・リング」もそうでした。
ああ、昨日書いていた「ロリータ」もロリータとのロードムービーです。

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