有機化学にっき

気になった有機化学の論文や記事を紹介。

named reactions

2005-07-24 11:24:37 | 日々の研究
Strategic Applications Of Named Reactions In Organic Synthesis: Background And Detailed Mechanics: 250 Named Reactions

丸善のセールスマンがやってきて、先生に広告として一冊貸出してたわけですが、開いてみるとreferenceも充実、四色刷り、合成例も最近のものをというわけで購入を決め、amazonで購入、先日届きました。
丸善だと15kがアマゾンだと11k、日本語版の広告費、人権費を考えてもマージンとりすぎでは?
amazonも円安の影響か、先ほどリンクのために開いたら、600円ほど値上げしてました。いつの為替レートを適用しているのだろう?
年末にあるPacifichemでは当日登録費130ドルが事前登録14000円とか、次にくるであろう元の切り上げのどさくさで円高期待と微妙なラインです。
先の人民元切り上げっても鼻くそみたいなもんで、2%って。利食い売りを恐れて、G7吊るし上げを恐れて、お茶を濁したような数字にしたいのはわかるけど、普通のハードカレンシーなら一日でそのくらいの上下幅はあるしーと思ったり。各紙一面だったようだけど、イギリスのテロの方がよっぽど為替に影響を与えてるし、身近な危険として興味があるのだが。テレビで歴史的偉業とか言ってる場面もあったけど、中国の急成長煽ってるのもテレビ局な気がするのだが。アメリカ様の圧力もえげつないですが、共産党の豊かな生活が続くより、中国が分裂して親日の台湾、少数民族独立の方が個人的にはおきて欲しいですわ。

閑話休題

「有機合成のための触媒反応103」と同じ構成で1反応、見開き2ページ。 反応機構や応用例も詳細でreference, indexはとても豊富でお得な参考書だと思います。

JACS ASAP

2005-07-24 10:31:49 | 新着論文
Gold(I)-Catalyzed Intramolecular Acetylenic Schmidt Reaction

ホモプロパギルアジドから、金触媒によるピロール合成。

Tosteのグループです。Schmidt反応といっていますが、アミド、ニトリルを作るイメージがあったので、読み初めは?でした。金がアルキン特異的なLewis酸だけではなく、電子不足な場合にはback donationがおきているという仮定から、上手い設計を報告しています。官能基共存性、置換基の効果もシクロプロピル、aromaticでは2-OMe, 3-CF3, 4-Iにフランと電子状態も極端なもの、エンインなどコンパチとしてインパクトの高いものを選んでいます。
気になったのは、環状の系(Table2 entry 4)でアジドとアルキンがシンの系で報告していますが立体的に必須なのでしょうか?アンチで互いにequatorialに位置していた方が有利に思えるのですが、官能基が直線なためdiaxialのコンフォマーが室温でさえ有利なのでしょうか?
noteで、1,2-shiftの重水素化実験でピロール骨格の重水素スクランブルが起こるため証明できなかったとのことですが、このようなスクランブルは既知なのでしょうか?複素環の重水素化、Friedel-Crafts型の反応への応用ができそうな気がしました。


全くどうでもいいのですが、TosteのグループHPの写真をみて(Fall 2003)
Tosteを間違えてました。てか、スーツの兄ちゃんだと思いますよね・・・
こっちとは思わなんだよママン