有機化学にっき

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Angew. Chem. Int. Ed. ASAP

2005-07-13 21:35:53 | 新着論文
Approach to the Blues: A Highly Flexible Route to the Azulenes

トロポンへケテンの付加、ジアゾメタンによる環拡大により、5,7のアズレン骨格を形成。1,6付加や脱水などの官能基変換によってアズレン誘導体を合成。

アズレンの合成法です。アズレンの合成法はトロポノンから縮合していって合成するのが一般的だった気がしますが、今回の合成法では、容易に合成可能なchlorotrienoneの官能基を利用することでアズレン骨格の各位置に官能基を伸ばすことが可能ということです。
タイトルに惹かれて読みましたが、白黒で色なんかありませんでした、残念。既知の合成法に比べて、位置選択性などの問題はよいのだろうと思いましたが、スケールアップに向かない条件が多いのが気になりました。(Se酸化、クプラートの付加、クロラニルによる酸化など)アズレンは研究例が多いので従来からのアズレンの修飾方法でできないものなのでしょうか?
有合化でアズレンの化学をみた記憶があったので検索してみたら、2004, 62, 766.エレクトロクロミズムや液晶へアズレンを適用しているようです。