有機化学にっき

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Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4608-4611

2005-07-10 09:24:08 | 新着論文
Synthesis of seven-Membered-Ring Ketones by Arylative Ring Expansion of Alkyne-Substitued Cyclobutanones

アルキンへのarylrhodium の付加。続くcyclobutanoneのカルボニルへ発生したビニルロジウムの付加、さらにβ-carbon eliminationによってシクロブタン環の拡大が起こり7員環ケトンを与える。

京都大学の村上先生。よく設計された反応で、機構の考察ではシクロブタノンのカルボニルへの配位が必須であるとのことです。(tBu)3Pがadditiveとして有効とのことですが、electron-richなホスフィンではRh(Ⅰ)の配位能は下がる気がしました。配位してからのRh-Cが活性化されて付加が加速されているのでしょうか?系や条件によっては最後の環拡大が起こらず、5,4の縮環を与えるので、骨格をさらに作る場合などつくりわけが可能かなと思いました。