THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「いつまでもデブと思うなよ」(岡田斗司夫/新潮新書)

2008年01月06日 | Weblog
 昨年のベストセラーだったこの本。半年間で50キロの減量に成功した男性(オビの写真)がまとめたダイエット本という認識しかなかったが、「食べたものをノートに記録し続けるだけで楽しくやせられる」という彼の主張に引き付けられ、私も昨年末から食事日記を付け始めることにしました。2年前に58キロから2カ月で約9㌔の減量に成功した私も最近、リバウンドで腹部の脂肪が膨らんできているからです。
 そして、この本を読み進めると、ただのダイエットの指南書ではなく、れっきとした「新書」らしい、教養書であることが分かりました。著者の岡田氏が作家・評論家であることを初めて知りました。岡田氏は、なぜデブが社会的に不利であるかということを社会の歴史の観点から紐解きます。第1章では、現代の「見た目至上主義社会」の実情を様々な例をもとに解説し、いかにルックスが大事で、デブが不利であるかを読者に知らしめます。
 第2章からいよいよ具体論。ダイエットは決して我慢と苦痛を強いるものではなく、楽しく知的な行為であり、ロー・リスク、ハイ・リターンの最高の投資であるという考えのもとで、岡田氏の実践過程が公開されます。
 やせるのに必要なのはメモ帳1冊。それだけで運動不要、持続可能なダイエットは始められると岡田氏は言います。そして、重力から解放された後は経済的、社会的成功が待っていると……。
 過去のすべてのダイエット本を無力化する、究極の技術と思想が詰まった驚異の1冊です。太った人だけでなく、やせた人でも十分楽しめて、ためになる本です!


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