THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「月の恋人 Moon Lovers」 (道尾秀介/新潮社)

2010年07月13日 | Weblog
 近年、視聴率が伸び悩んでいるフジテレビ「月9」ドラマの人気を取り戻すために、かつての大ヒット作「ロング・バケーション」で山口智子さんと共演した木村拓哉さんを主人公に起用し、「La La La Love Song」の久保田利伸さんが主題歌を再び手掛けた今回の「月の恋人」。私はこの連続ドラマは初めから見ていなかったのですが、原作本(ドラマ放映中に原作本が発売されることは異例なことだそうです!)を買って読んでみると、想像以上に骨格のあるストーリーで面白かったので、最終回だけを見てみました。原作とドラマでは設定や結末が異なっていて、2つの「月の恋人」という作品を楽しむことができました。

 冷徹にビジネスを成功させるインテリア会社の青年社長・葉月蓮介(木村拓哉)は、進出した上海で、日本から旅行に来ていた女(篠原涼子)に出会い、ちょっとした仲になります。ありえない2人の物語は、美貌の中国人モデル(リン・チーリン)や、部下の社員らを巻き込んで予測不能の展開に……。

 この作品は、旬のエンターテインメント作家・道尾秀介さんが月9ドラマのために書下ろした恋愛劇。全盛期の月9にあった大きなスケールを感じさせる作品です。私は初めて道尾さんの名を知ったのですが、調べてみると、彼は35歳。私より1つ若いんですね。これからの彼の作品に注目したいものです。


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