THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「返品のない月曜日 ボクの取次ぎ日記」(井狩春男/新風舎文庫)

2007年05月02日 | Weblog
 出版界初の手書き情報誌『日刊まるすニュース』のたった1人の担当者として注目を集めた井狩春男のデビュー作です。
 作者は、出版社と書店を結ぶ、業界における縁の下の力持ちとも言える取次という立場から、数限りなく目の前を行き交う本を愛情溢れる目で見つめています。
 本が書店に並ぶまでに起こる面白い話や困った話、役に立つ話などが軽妙なタッチで綴られており、本好きにはたまらない1冊です!

「春の数えかた」(日高敏隆/新潮文庫)

2007年05月02日 | Weblog
鳥も植物も虫も、生き物たちは皆それぞれの方法で三寒四温を積算し、季節を計っています。そして植物は毎年ほぼ同じ高さに花をつけ、虫は時期を合わせて目を覚まし、それを見つけます。
 本書は、日本を代表する動物行動学者によるエッセイ集。「春の数えかた」と言うタイトルも、なんとおしゃれで上品ではありませんか。自然界の不思議に驚くばかりの「春を心から満喫した」1冊です。

「ももたろう」(五味太郎)

2007年05月02日 | Weblog
 私は先月半ばに岡山旅行をしましたが、その直前にテレビで「きびだんご」で知られる和菓子の老舗「廣榮(こうえい)堂」が創業150年を記念して絵本作家の五味太郎さんと共同で新作の絵本「ももたろう」を制作し、岡山で先行販売しているというニュースを知り、ぜひ岡山でこの本を入手したいと思っていました。しかし、駅内の大型書店で「8月ごろまで一般の書店では流通しません」と言われ、ガックリ! そして、最終日にあきらめて帰ろうとし、岡山駅で最後のおみやげを買っていた時、偶然にも同店を発し、本を購入することに成功しました!
 今まで広く知られる一般的な桃太郎物語と違い、鬼退治に行った桃太郎がサッカーや鬼ごっこなどを通じ、最後は鬼と仲良くなるストーリー。使われた絵は五味さん独特の表情豊かな画風で、桃太郎や鬼を躍動感たっぷりに描写しています。
 絵本は1部1365円。廣榮堂の中納言本店(同市中納言町)や藤原店で販売しているほか、電話注文を受け付けているそうです。