FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<アウトドアレッスン日誌>中級 ②

2013-06-22 22:01:52 | クライミングレッスン報告
次はたけくんのトライ
中級では、トップロープは基本的にかけない。
でも、リードやマスタースタイルでのヌンチャク掛けが怖い子は、自分で登れる子に交渉して、フォロー(リードで登った人のロープを借りて、トップロープ状態で登ること。もともとはマルチピッチでのスタイル)で1回だけ練習しても良いことにしている。

たけくんはまだリードだと怖さが出て、なかなか先に進めなくなってしまう
なので、ユキちゃんのロープを借りて、フォローでチャレンジ
でも、どうしても怖くて途中で停滞
あまりに長いこと動けないので、可哀想だが今日は諦めてもらった
本人はもっと頑張りたかったみたいだけれど。。。
もう少し大きくなったら怖さも乗り越えられるようになると思うから、それまでは行けるところまでで良いんじゃないかな~

 

コーヘイの今日の目標は「ニルバーナ」11bのオンサイトトライだ
アップで今までやったことのないルートをやってみることにした。
1本は「蜃気楼」10b/c。
一手が遠いので、小さい子にはお勧めしていない。が、今や私よりかなり大きくなっているので、なんでも好きなものにトライして良いよ~、という感じである
マスターでオンサイト。


もう1本は2階の岩場の一番左端にあるスラブの課題、「冥土の土産」10dを選んだ。
スラブ好きのコーヘイが、小さい頃から「面白そう~やってみた~い」と言っていたルート。
こちらもマスターでオンサイトし、「楽しかった」とのこと。


のんちゃんは今日は復活せず、お昼前に帰って行った
せっかく楽しみにしていたアウトドアだったのにね。。。
また秋に来るから、その時には元気に登ろうね

~つづく~

<アウトドアレッスン日誌>中級 ①

2013-06-21 13:10:53 | クライミングレッスン報告
6月2日(日)
メンバー:たけくん(小4)、ユキちゃん(小5)、コーヘイ(中2)、のんちゃん(小4)

梅雨入りはしたけれど、今日は一日お天気がもちそう
なので、中級のアウトドアを実施
今日のエリアは「天王岩」だ。

外岩に慣れるためには、同じエリアをルーティーン化して通いこむのが良いようだ。
外岩でのクライミングは、当然怖さが出る。これは健全な気持ちだ。なので慣れて行くことがとても重要で、外岩でのクライミングはテクニックの習得に実に良い効果をもたらしてくれる。

毎週岩場に出られれば一番良いのだけれど、行くのに労力の多い日本ではなかなかそうもいかない。
そして何より、日本の子どもたちは忙しい

今、世界の第一線で活躍しているS君やAちゃんが高校生だった頃、第一回の日本ユースの合宿をオーストリアで行ったことがある。
私もコーチの一人として同行させてもらったが、印象的だったのがオーストリアのユースの子たち(その中にはヨハンナやヤコブといった今をときめく顔ぶれもあった)が、実に豊かなクライミング経験を行っていることであった。
岩場も各ジムの近くにあり、毎週末のように岩場に出ている、とコーチのライニが言っていたのが印象的で、ハードなトレーニングをしながらも、アウトドアで気持ちの健全性をはかり、また良いモチベーションでトレーニングに臨む。
また、トレーニングがハードなだけにともにトレーニングをする仲間も大切。小さい頃からアウトドアでともに過ごす経験を多くさせることで友情を深め、真の仲間意識を育むという、実に「気持ちの充実」を重要視したプログラムを行っていたのである。


さて、今日は新しく6月からチームに仲間入りしたのんちゃんを含め、メンバーは4人。
武蔵五日市の駅で待ち合わせ、バスに乗って現地へ。

一休みして登る準備に取り掛かっていると、のんちゃんが具合が悪いらしい
中級になって初めての外岩で、とても楽しみにしていたのに。。。
のんちゃんだけ暖かくして休みながら見学

他のメンバーはクライミングの準備。
先ずはユキちゃんが「クラックジョイ」5.9をマスターでリードすると言う。
良い心意気だぞ
1年生の終わりごろから来ているユキちゃんだが、最初の頃はアウトドアが大嫌いだった
「虫がいる」「歩きにくい」「怖い」etc.・・・で、詰まる所、「さ・い・あ・く~」だったのだ。

だが、外での活動・・・歩きにくいところを歩いたり、走ったり、木に登ったり、川に入ったり、石投げをしたり、当然、岩に登ったり・・・という自然の中での活動は、今発達が危惧されている子どもたちの多様な運動能力の発達に持ってこいであり、それはできるだけ小さいうちに獲得しておいたほうが良い、と言われている。神経系の発育が盛んであるためだ。

このことを良くご理解くださったユキちゃんのお家では、出来る限りアウトドアでの活動に参加するようにしてくださった。
始めのうちはイヤイヤ参加していたユキちゃんも、いつしか外の楽しさを知り、今では積極的に取り組むように成長している
そして今や、クライミングの技術も、なかなかのものである

初めて来たときは、トップロープでも怖くて途中で下りて来た「クラックジョイ」を、今日は堂々とマスタースタイルで完登した

 

~つづく~



<レッスン日誌>DOM KIDS SCHOOL

2013-06-18 12:26:07 | クライミングレッスン報告
5月28日(火)
メンバー:ハヤト(小5)、ののちゃん(小5)、カツラ(小3)、かずくん(小3)、ユーキ(小3)、ミサキ(小2)

今月いっぱいでハヤトがやめるため、このメンバーでのレッスンは今日が最後だ。

最初に「どんじゃんけん
ウォーミングアップも兼ねて、「ちびっこクラブ」やこの「Dom Kids」など、導入クラスに良く入れるゲームだ。
2チームに分かれて各々陣地を決め、そこから「よーいドン」でスタートし、両端から相手の陣地に向かってトラバース
中央で出会ったところでじゃんけんし、負けたほうが道を譲る。
最終的に陣地を取ったチームが勝ち、というもの。

トラバースで進むので重心移動の良い練習になるし、じゃんけんの時には片手を離して安定した体勢を作らなければならない。
この片手を離して体勢を安定させる動きは、将来リードクライミングに入った時のクリップ体勢に通じる

なかなか練習としても優れもののゲームなのだ

さて、どんじゃんけんでウォーミングアップも完了し、今度はまじめに技術練習。
月に2回のレッスンなので、体に入るまで時間がかかるが、それでも1年、2年と習っている子は安定したフォームで登るようになって来る
子どもたちの進歩は大したものだ

さて、つい最近ホールド替えを済ませ、全部の課題がリニューアルされたので、今日は新しい課題にチャレンジだ

2年生の時から来ているハヤトと、このスクール以外にも登り込んでいるカツラはともに6級にチャレンジ
カツラが1本完登出来ていたが、6級になるとなかなか楽には登らせてもらえないね

習い始めて1年以上になるかずくんとユーキは少しずつ力をつけて来た。
8級にトライ中だが、二人とも全制覇まで1本を残すのみ。
微前傾fである105度壁の課題を登れば進級できる
何としても登りたいのだが、クライミングに必要な筋力がまだ十分でないためになかなか登れない
同じ壁に出来た新しい8級もなかなか手ごわくて、ゴール一手前で跳ね返されていた

運動大好き少女のミサキは体の筋力がバランス良くしっかりと発達しており、なかなか強い
元気な彼女は、まだクライミングを始めたばかりだけれど、飛び級して7級にガシガシチャレンジ
今日は完登はなかったけれど、なかなか良い感じで登れていた

バランス系のクライミングが上手なののちゃん。
彼女も今月から始めたばかり。
9級はあっという間に登ってしまって、8級にトライ開始
まだ腕を縮めている時間が長すぎてすぐに疲れてしまうけれど、テクニックを覚えてくれば上手になるよ

  ↓「どんじゃんけん」のようす。カツラママが撮ってくれました


<レッスン日誌>ちびっこクラブ@pump2

2013-06-16 17:49:33 | クライミングレッスン報告
5月21日(火)
メンバー:はやくん(小2)、トージ(小3)

pump2でのちびっこクラブは、ゲンちゃんがレベルアップレッスンに移動
リオンくんが引っ越しのためお別れ。。。
で、今ははやくんとトージの2人
少しさみしいね

でも レッスンとしては、2人ってなかなか良い人数だ
他の人の登りを見てヒントや刺激をもらったりできて
しかも丁寧に教えてもらえる
いろいろなことを覚えるのは、今がチャンスだよ

先ずは小さい子用の基本練習。
小さい子どもたちの場合は、なるべくクライミング以外の動きも入れて、多様な動きが出来るように工夫したい。
pumpは壁の形状が割と多様なので、そのようなプログラムが作りやすい
ちょっと高いところから飛び降りたり、ホールドを掴んででんぐり返しをしたり、
ジャンプしてホールドをキャッチしたり


ウォーミングアップも兼ねて、毎回同じ課題を少しずつ変えながら。
繰り返すことによって、子どもたちの体に浸透する。

さて、基本練習の後は、「カード」と呼んでいるムーブやホールドの学習タイム
カードをひき、ひいたカードの裏に書いてある項目を毎回覚えている。
今日はムーブは「ガストン」、ホールドは「ピンチ」を学ぶ。
私が課題を作って子どもたちが実践。
人数が多いと時間がかかるため、あまり丁寧に出来なかったりするが、
2人なのでしっかり理解を確認できるね

つづくチャレンジタイム
ボルダーではトージが7級を全制覇し、ルートでははやくんが5.7のグレードのルートをオールクリア

2人とも着々と前進しているよ

 ↓レッスン後に休憩室で。新しい仲間を募集中


<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2013-06-14 12:45:04 | クライミングレッスン報告
5月18日(土)
メンバー:のんちゃん(小4)、カツラ(小4)

のんちゃんは今、初級修了に燃えている
残すところ、10bを数本とリードクライミングの安全性のテスト
前回は安全性のテストは、ロープを口にくわえたまま動いてしまい、その場で不合格だった

今日は是非とも合格して初級を修了したい
ボルダーエリアで基本練習をしてからすぐにルート。
今日のこの時間の参加者2人は、ともにルートを中心に受講したいのだ。

のんちゃんはルートエリアに移ってすぐに安全性のテスト。
今日は一つ一つの動作を慎重にこなして見事合格
のんちゃんの緊張が、こちらにも伝わって来たよ

残りの時間で10bをどんどん登り、狙い通り今日で初級を修了
おめでとう~
のんちゃんは、自分の目標に向かってどんどん突き進むことの出来る子だね
今年初の初級修了者だもしかすると、最速かな~?

一方のカツラ。
いつもはFREEDOMというボルダリングジムのスクールに来ているが、熱心な彼はルートも学びにpumpまで足を伸ばしている
登りもセンスが良く、ルートを登り出してからあまり壁にぶつかることもなく、Eのぱんだレベルまですんなりと来た
このレベルはトップロープで5.9までのグレードを全制覇する、というもの。
5.9になると、かなりの子どもたちは苦労し始めるのだが、カツラは手足限定でスルスルと登る。リズムも良い。目線も的確
全制覇達成も近く、今日は残すところのショートウエーブの白□にチャレンジした
が、途中の1か所が小さい子にはどうしても遠い

小さい子のトライには、適宜足を自由にしたり、ムーブの強度が変わらないように手を足したりして対応する場合がある。
そのグレードの力をつけて行けば良いのだから、そもそものサイズの違う子どもたちが手足限定にこだわる必要はあまりないだろう。
手足限定が必要なのは、ムーブのパターンを実践で覚えたり、パワーをつけるのが必要な時だと思う。


今、カツラに残された方法は、スタンスのホールドを手で使って上のホールドを取る、という、とても5.9の動きではないものしかない
そこで、カツラにもその1か所は足を解除しても良いよ、と声をかけた。
が、カツラは納得しなかった。
何度もトライしたが、そこが抜けられず、下りて来たカツラは悔しさでいっぱいの様子。
その後もムッと黙り込んだまま、悔しさと闘っていた

彼のそんな一面を見るのは初めてのことだった。
いつもは飄々としていて、割とやんちゃな感じでふざけることが多いカツラ。
クライミングで登れないとが、こんなに悔しい気持ちになるのだとういう彼の心のうちは、今まで気付かなかったのだ
おやなかなか見所があるぞ、と思わせた瞬間だった

レッスンが終わった後も、ビレイ講習を受けてビレイが出来るようになったお父さんに付き合ってもらって、ずっとそのルートを練習しているカツラだった