「中編作品『溶ける』でカンヌ国際映画祭のシネフォンダシオンに選ばれ、国内外で注目を集めていた22歳の新鋭・井樫彩による初長編作品『真っ赤な星』」とのこと。
22歳!22歳の初長編作とは思えないくらいの完成度!
さらには22歳らしい破壊力もありました。
***
短いシーンで畳み掛けて来て、何気ないシーンから突如衝撃的なシーンが始まってはサッと終わるの連続。
***
どこまでが自己でどこからが他者なのかまだわかっていない2人の話のように思いました。
陽は弥生になりたいし、たぶん弥生も陽になりたい。
「他者ってのは永久に他者なんだ…」と実感する前の人間たち。
***
完全ネタバレ以下
晴天。
山の峰の向こうからパラグライダーが飛んでくる。
病室。
ピンクのカーテンが揺れる。
***
陽は足の怪我で入院。弥生はそこの看護師。
「大祐はチヅルさんが好きなんだって。私は弥生さんが好き。」
「私のこと好きって言ってるれるの?」と弥生、落涙。
***
陽と大佑、天文台へ。鍵がしまっていて中に入れない。
空にはパラグライダー。
***
陽は夜中、自分の部屋の窓から家を抜け出す。
義父にその様子を見られる。
スーパーマーケットで買い物した帰り。林道に車が数台止まっている。
その中の一台に弥生。客とカーセックスをしている。車を出て口をゆすぐ弥生。
弥生は売春をしていた。陽はそれを知った。
***
翌晩、陽は大佑と一緒に林道へ。
「ここってHなことするっていうか、そういうスポットなんだって」と大佑。
「何しに来たの?もう看護師じゃないよ。ここには来ちゃダメ。てか来ないで」と弥生。
***
義父、陽をレイプ。
***
その夜、また陽は弥生に会いに。
陽の腿に流血があるのを見て事情を汲んだ弥生は、その夜陽を自宅に泊める。
「今日だけだよ」「ありがとう」
同じベッドで寝るふたり。
***
車中。弥生は客とセックス。一万円もらう。
「なんで看護師やめたの?中出しできるのサイコーだよ」と客。
車のルームミラーにパラグライダーの飾りが揺れる。
弥生の家の外に陽がうずくまっている。
「夏休みが終わったら帰る。家事掃除やる。あの場所にはもう行かない。」
同棲開始。
***
陽、洋服ダンスの奥から胎児の写真を見つける。
その夜、弥生は帰ってこなかった。
***
パラグライダーを追って山へ走る陽。
着陸したパラグライダーから弥生。
「陽にはいつも見つかっちゃうな」と弥生。
弥生は恋人の賢吾と定期的にパラグライダーで飛んでいる。
***
弥生の家、ガスが止まる。貧困でガス代が払えていない様子。
銭湯へ。
「背中流してあげようか」弥生。
弥生の首筋に赤い点。「ここ赤くなってるよ」陽。
「陽はお子ちゃまだな」と陽の背中にキスする弥生。
***
「お米の炊き方はおじいさんに習った。お母さんは帰ってこないから」と陽。
ふたりで料理する。
「楽しいね」と弥生。
***
弥生の部屋の男女用の一対のマグカップを見る陽。
***
賢吾に会いに行く弥生に「行かないで」と陽。
陽にキスしてそのまま家を出る弥生。
***
自宅に荷物を取りに帰った陽。
「アンタ最近どこいってんの?」と母。
「友達んとこ」
「お金、いつものとこに置いとくからね」と娘に興味のない母。
***
賢吾は幼い娘と歩いているのを陽が目撃。
***
陽と弥生、天文台へ。鍵を開ける。「ここに鍵つけたの私だから」
「小さい頃、辛いことがあるとここへ来てたよ」
ここから流れ星見て願い事してた。
今願い事するなら?
産める体に戻してほしい。
弥生ちゃんが綺麗なままでいられますように。弥生ちゃんのそばにいけますように。
***
夜。弥生の家。台所。
陽と弥生。キスからの手●ン。
「気持ちよかったよ。手洗っておいで」と弥生。
***
陽の自宅。母が自分にくれる金を台所の上の棚から取る。
「帰ってたんだ」と義父。義父、陽にレイプしようとする。
それを見た母。
「アンタが誘ったんだろ」と陽と責める。
家を出る陽。
***
弥生の客が弥生の家に。
さらに賢吾も家に。客を追い出す賢吾。
「こういうの止めろっていったじゃん」と賢吾。
「奥さんお腹大きくなった?二人目?」と弥生。
「ごめん」と賢吾。
泣きながら賢吾を殴る弥生。
***
天文台。
陽「どうしたら笑ってくれる?」
弥生「バカだね」
***
弥生の家。
弥生の電話が鳴る。客から。弥生は寝てる。
陽が出る。
陽が客と会う。「弥生ちゃんともう会わないで」
客に襲われる陽。「初めてじゃなかったんだね」と客。
一万円もらう。
***
賢吾と弥生がパラグライダーで飛ぶ準備をしている。
そこに陽。
「もう弥生ちゃんから奪わないで」と賢吾に包丁を向ける。未遂。
***
陽が客からもらった一万円が見つかる。
陽をビンタする弥生。
陽「もっと弥生ちゃんの近くに行きたかった」
弥生「もう一緒にいられない。出てって」
***
大佑の家に泊めてもらう。
「好きなだけいていいから」と大佑の母。
陽の事情をなんとなく把握している模様。
***
賢吾「こないだのあの子は」
弥生「たぶんもう帰ってこない」
賢吾「オレお前とのこと考えてるから」
***
義父、弥生と車中でセックス。
「暗い顔した娘に太陽の陽だって。」と義父。
義父を連れて陽の家に向かう弥生。
そこに陽の母。
「この男がように何したか知ってますか」と泣きながら問い詰める弥生。
「知ってますけど」と母。
***
弥生「空飛びたい」
***
大佑の家に陽の母。「長い間お世話になりました」
母に連れて帰らされる陽。
「なんかあったらオレに言って」と陽に言う大佑。
***
陽の母「こないだ看護師が来て陽陽ってうるさかったわ」
弥生の家に走る陽。
弥生の家。風呂場。自殺未遂の弥生。
***
弥生「もう飛ぶのやめる」
賢吾から離れる弥生。
弥生「飛ぶの好きだからやめる」
***
弥生「今いくらアンタが私のこと好きでもすぐ他の人好きになって私にそれを嬉しそうに報告するんだよ。私に空いた穴をアンタ埋められるの?」
陽「弥生ちゃんが好き」
弥生「バカだよ」
陽「弥生ちゃんが好き」
***
陽「弥生ちゃんこそすぐ誰かのものになっちゃいそう。切ないよ、弥生ちゃん」
終わり。
22歳!22歳の初長編作とは思えないくらいの完成度!
さらには22歳らしい破壊力もありました。
***
短いシーンで畳み掛けて来て、何気ないシーンから突如衝撃的なシーンが始まってはサッと終わるの連続。
***
どこまでが自己でどこからが他者なのかまだわかっていない2人の話のように思いました。
陽は弥生になりたいし、たぶん弥生も陽になりたい。
「他者ってのは永久に他者なんだ…」と実感する前の人間たち。
***
完全ネタバレ以下
晴天。
山の峰の向こうからパラグライダーが飛んでくる。
病室。
ピンクのカーテンが揺れる。
***
陽は足の怪我で入院。弥生はそこの看護師。
「大祐はチヅルさんが好きなんだって。私は弥生さんが好き。」
「私のこと好きって言ってるれるの?」と弥生、落涙。
***
陽と大佑、天文台へ。鍵がしまっていて中に入れない。
空にはパラグライダー。
***
陽は夜中、自分の部屋の窓から家を抜け出す。
義父にその様子を見られる。
スーパーマーケットで買い物した帰り。林道に車が数台止まっている。
その中の一台に弥生。客とカーセックスをしている。車を出て口をゆすぐ弥生。
弥生は売春をしていた。陽はそれを知った。
***
翌晩、陽は大佑と一緒に林道へ。
「ここってHなことするっていうか、そういうスポットなんだって」と大佑。
「何しに来たの?もう看護師じゃないよ。ここには来ちゃダメ。てか来ないで」と弥生。
***
義父、陽をレイプ。
***
その夜、また陽は弥生に会いに。
陽の腿に流血があるのを見て事情を汲んだ弥生は、その夜陽を自宅に泊める。
「今日だけだよ」「ありがとう」
同じベッドで寝るふたり。
***
車中。弥生は客とセックス。一万円もらう。
「なんで看護師やめたの?中出しできるのサイコーだよ」と客。
車のルームミラーにパラグライダーの飾りが揺れる。
弥生の家の外に陽がうずくまっている。
「夏休みが終わったら帰る。家事掃除やる。あの場所にはもう行かない。」
同棲開始。
***
陽、洋服ダンスの奥から胎児の写真を見つける。
その夜、弥生は帰ってこなかった。
***
パラグライダーを追って山へ走る陽。
着陸したパラグライダーから弥生。
「陽にはいつも見つかっちゃうな」と弥生。
弥生は恋人の賢吾と定期的にパラグライダーで飛んでいる。
***
弥生の家、ガスが止まる。貧困でガス代が払えていない様子。
銭湯へ。
「背中流してあげようか」弥生。
弥生の首筋に赤い点。「ここ赤くなってるよ」陽。
「陽はお子ちゃまだな」と陽の背中にキスする弥生。
***
「お米の炊き方はおじいさんに習った。お母さんは帰ってこないから」と陽。
ふたりで料理する。
「楽しいね」と弥生。
***
弥生の部屋の男女用の一対のマグカップを見る陽。
***
賢吾に会いに行く弥生に「行かないで」と陽。
陽にキスしてそのまま家を出る弥生。
***
自宅に荷物を取りに帰った陽。
「アンタ最近どこいってんの?」と母。
「友達んとこ」
「お金、いつものとこに置いとくからね」と娘に興味のない母。
***
賢吾は幼い娘と歩いているのを陽が目撃。
***
陽と弥生、天文台へ。鍵を開ける。「ここに鍵つけたの私だから」
「小さい頃、辛いことがあるとここへ来てたよ」
ここから流れ星見て願い事してた。
今願い事するなら?
産める体に戻してほしい。
弥生ちゃんが綺麗なままでいられますように。弥生ちゃんのそばにいけますように。
***
夜。弥生の家。台所。
陽と弥生。キスからの手●ン。
「気持ちよかったよ。手洗っておいで」と弥生。
***
陽の自宅。母が自分にくれる金を台所の上の棚から取る。
「帰ってたんだ」と義父。義父、陽にレイプしようとする。
それを見た母。
「アンタが誘ったんだろ」と陽と責める。
家を出る陽。
***
弥生の客が弥生の家に。
さらに賢吾も家に。客を追い出す賢吾。
「こういうの止めろっていったじゃん」と賢吾。
「奥さんお腹大きくなった?二人目?」と弥生。
「ごめん」と賢吾。
泣きながら賢吾を殴る弥生。
***
天文台。
陽「どうしたら笑ってくれる?」
弥生「バカだね」
***
弥生の家。
弥生の電話が鳴る。客から。弥生は寝てる。
陽が出る。
陽が客と会う。「弥生ちゃんともう会わないで」
客に襲われる陽。「初めてじゃなかったんだね」と客。
一万円もらう。
***
賢吾と弥生がパラグライダーで飛ぶ準備をしている。
そこに陽。
「もう弥生ちゃんから奪わないで」と賢吾に包丁を向ける。未遂。
***
陽が客からもらった一万円が見つかる。
陽をビンタする弥生。
陽「もっと弥生ちゃんの近くに行きたかった」
弥生「もう一緒にいられない。出てって」
***
大佑の家に泊めてもらう。
「好きなだけいていいから」と大佑の母。
陽の事情をなんとなく把握している模様。
***
賢吾「こないだのあの子は」
弥生「たぶんもう帰ってこない」
賢吾「オレお前とのこと考えてるから」
***
義父、弥生と車中でセックス。
「暗い顔した娘に太陽の陽だって。」と義父。
義父を連れて陽の家に向かう弥生。
そこに陽の母。
「この男がように何したか知ってますか」と泣きながら問い詰める弥生。
「知ってますけど」と母。
***
弥生「空飛びたい」
***
大佑の家に陽の母。「長い間お世話になりました」
母に連れて帰らされる陽。
「なんかあったらオレに言って」と陽に言う大佑。
***
陽の母「こないだ看護師が来て陽陽ってうるさかったわ」
弥生の家に走る陽。
弥生の家。風呂場。自殺未遂の弥生。
***
弥生「もう飛ぶのやめる」
賢吾から離れる弥生。
弥生「飛ぶの好きだからやめる」
***
弥生「今いくらアンタが私のこと好きでもすぐ他の人好きになって私にそれを嬉しそうに報告するんだよ。私に空いた穴をアンタ埋められるの?」
陽「弥生ちゃんが好き」
弥生「バカだよ」
陽「弥生ちゃんが好き」
***
陽「弥生ちゃんこそすぐ誰かのものになっちゃいそう。切ないよ、弥生ちゃん」
終わり。