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❝有馬記念を制する勝利の方程式❞=3歳馬+外人騎乗+サンデーサイレンス系【必勝3点セット】

2017-12-20 08:13:00 | スポーツ

いよいよ24日は今年を締めくくる有馬記念です。昨年の年度代表馬で今年の漢字にも引用されたキタサンブラックの引退レースというのが大きな話題となっていますが、馬券妙味が無い。そこで狙うのはシュヴァルグランやスワーヴリチャードです。有馬記念は「サンデーサイレンス系を中心にヘイルトゥリーズンの血が絶対的に強いレース」サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が2004年から2014年まで11連勝。記録が途絶えた2015年も2〜4着はこの系統で、2016年は1、2着、今回もサンデーサイレンス系は軸鉄板です。さらに今年の3歳馬はハイレベル世代。そのハイレベル世代屈指の実力馬が斤量55キロで戦えるメリットは大きいですね。ズバリ軸はサンデーサイレンス系3歳馬スワーヴリチャードでしょう。鞍上も今年、3歳馬をブレイクさせたデムーロ騎手、勢いでキタサンブラック以下を差し切ると予想しました。

以下抜粋コピー

この秋のGI戦線で際立った活躍を見せているのは、3歳世代だ。そして、GI有馬記念(12月24日/中山・芝2500m)にも、3頭の3歳馬が挑む。とりわけ注目されているのは、スワーヴリチャード(牡3歳)である。

 その実績からすれば、この秋躍動した3歳馬と同じく、強豪古馬勢を蹴散らして戴冠を果たしてもおかしくない。ただ、この馬には不安がひとつある。苦手な、右回りの中山競馬場が舞台であることだ。

 昨年9月のデビュー以来、スワーヴリチャードは”ひとつのレース”を除いて、常に1着か、2着という結果を残してきた。

 今年2月には「クラシックの登竜門」とされるGIII共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)を磐石の競馬で勝利。世代の頂点を決するGI日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)でも、2着と好走した。勝ち馬レイデオロとはコンマ1秒差。今や「ハイレベル」と言われるようになった3歳世代の中でも、間違いなくトップクラスである。

 さらにこの秋には、GIIアルゼンチン共和国杯(11月5日/東京・芝2500m)を圧勝。ダービー以来の休み明けながら、曲者ぞろいの古馬勢を難なく一蹴した。世代を超えて、互角以上に戦えることも証明した。

 その実力、臨戦過程においても不安はなく、有馬記念でも有力視される1頭である。が、今回の舞台は右回りの中山競馬場。多くのファンや関係者は、その点を危惧している。

 なぜなら、スワーヴリチャードが崩れた”ひとつのレース”こそ、右回りの中山競馬場で行なわれたGI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)だったからだ。

 クラシック第1弾の皐月賞。2番人気に推されたスワーヴリチャードは、直線手前まで抜群の手応えで進むも、伸び切れずに6着と敗れた。馬券圏内はおろか、掲示板さえ外してしまった。

 戦前から、陣営は右回りのレースであることを不安視していた。デビュー戦と2戦目こそ、右回りの阪神競馬場のレースで2着、1着という結果を残しているが、そこではまだ相手のレベルが低かった。実力差のおかげで上位入線を果たしているが、明らかにその走りはぎこちなかった。そのため、陣営は3戦目以降、クラシックの皐月賞を除いて、左回りのレースを選択している。

 有馬記念は、皐月賞以来の右回りとなる。しかも、歴戦の古馬が相手。とすれば、春の苦い敗戦を受けて、今回も不安が囁かれるのは仕方がない。

 スワーヴリチャードはレース間の短期放牧において、ノーザンファームしがらき(滋賀県)に身を寄せている。そこで同馬を担当している鈴木康介氏は、同馬が右回りを苦手とする理由をこう説明する。

「スワーヴリチャードは、右側のトモ(腰から後肢の付け根)が弱いんですよね。競走馬は走る中で手前(※)を替えるのですが、右回りのコースではコーナーを右手前で走り、直線は左手前に切り替えるのが普通です。しかしこの馬は、右トモの弱さから左手前で走るのが苦手。その結果、右回りのコースだと直線に入っても手前を替えず、右手前のまま走ってしまうんです」
※走る際、左右の前肢で前に出す側の肢のこと。右前肢を出して走ることを「右手前」、その逆を「左手前」という。

 直線で手前を切り替えないと、片方の肢に負荷がかかり続けるため、最後の伸びが鈍くなる。実際、皐月賞でも「手前を替えないまま走っていた」と鈴木氏は語る。

「手前を替える練習は、事前に何度も行なっていました。栗東トレセンではもちろん、しがらきでもやっていました。皐月賞前のトレセンの追い切りでは私も現場にいて、調教を見ながら『手前を替えろ!』と何度も叫んでいましたよ(笑)。ただ、速いスピードになると、なかなか替えてくれません。それで結局、皐月賞本番では右手前のまま走り続けてしまったんです」

こうなると、GIの舞台で勝ち負けを演じるのは厳しい。現に皐月賞では6着に沈んでいる。

 ただ、鈴木氏はそのレースにおいて、スワーヴリチャードの能力の高さを再認識していた。右手前でも最後までじわじわと伸び続け、6着とはいえ、先頭からコンマ4秒差まで詰めていたからだ。

「皐月賞で負けたあと、『これなら左回りのダービーはいける』と思いましたね。そもそもスワーヴリチャードがしがらきに来る前、北海道のノーザンファームにいた頃から『すごい馬がいる』という話は聞いていましたし、実際にデビューして、この馬のレースを見たときに『左回りなら間違いない』と常に自信を持っていました。ですから、ダービーで2着に負けたときは悔しかったです……」

 ダービーのあとは、北海道で休養に入った。しかしその後、復帰は予定よりも遅れた。春の疲れがなかなか抜けなかったからだ。「左右のバランスに偏りがある馬なので、片方に負荷が蓄積していたのかもしれません」と鈴木氏は話す。

 このため、クラシック最終戦のGI菊花賞(10月22日/京都・芝3000m)はパスして、11月のアルゼンチン共和国杯で復帰した。菊の舞台は踏めなかったものの、馬本位で休養を長めにとったことが、大きな成果につながった。

 アルゼンチン共和国杯で見せた圧勝劇がその証明だ。歴戦の古馬を相手に難なく抜け出すと、鞭をほとんど使わず後続に2馬身半の差をつけた。

 間近で見た馬の姿からも、その成長は感じ取れたと鈴木氏は言う。

「アルゼンチン共和国杯の前、栗東トレセンでスワーヴリチャードを見たとき、体がひと回り大きくなっていることを感じて、走る際の首の使い方もよくなっていました。レース後、しがらきに来てからも(春から比べると)本当によくなっていて、精神的にもすごく大人になっていたんです」

 この成長は、一戦級の古馬に挑む有馬記念では大きな武器になる。だが、栄冠を手にするためには、あくまでも右回りの舞台を克服しなければならない。

 その点について、鈴木氏はどう見ているのか。

「しっかりと休養して成長したことで、右トモの弱さがかなり解消されました。皐月賞のときと比べたら、右回りへの不安は少ないと言えます。実際、こちらで手前を替える練習をしましたが、かなりスムーズにできていましたから」

 手前を替える練習は、通常コーナーでやるほうがうまくいきやすいという。しかし今回、スワーヴリチャードは直線でも指示に合わせて手前を替えることができていたそうだ。その姿は以前とは明らかに違って、有馬記念に向けては相当なプラス材料と言える。鈴木氏が語る。

「体がうまく使えるようになった分、手前を替えやすくなったのだと思います。こういった部分は、馬の成長によって変わってくるものなので。2歳のときから、この馬には”不器用”といった印象を抱いていましたが、ここにきてその認識も変わってきました」

 もちろん、レースを終えてみなければわからないが、以前よりも右回りを克服できる下地は整っている。GI6勝のキタサンブラック(牡5歳)をはじめ、強力な古馬を敵に回して戦う準備はできた。

 日本中のファンが注目するグランプリレースで、”不器用なスワーヴリチャード”から脱却し、成長した姿を見せつけることができるのか。覚醒の予感がある今、不安よりも期待のほうが大きい。

コメント (1)
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