『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

栄光への脱出❝エルサレムをイスラエルの首都と認めたトランプ米政権、ロスチャイルド家の影?❞

2017-12-15 07:20:33 | 日記

BS映画で❝栄光への脱出1960❞見ました。元々、第2次世界大戦以前、ユダヤ人はインテリで、商才に優れ、経済的に豊かだったにも関わらず、ホロコーストのような悲劇にさらされてしまった。どうしてそんなことになったのか?この映画での答えは明白だ。彼らの持っていなかったもの。それが国家であり、軍自力なのだ。彼らの願いは一つになった。「今こそ、あの約束の地に我々の国家を建設しよう!」こうしてパレスチナへの「栄光の脱出」が始まった。国家や軍隊を持たない民族の悲劇を表現した映画であり、❝ロスチャイルド家❞の執念を感じさせ、『エルサレムをイスラエルの首都と認めたトランプ米政権の決定』通り、事が進まないことを予感させる映画です。

あらすじ抜粋コピー     1947年パレスチナへ渡ろうとするユダヤ人たちでキプロス島の収容所は満杯だった。しかしアラブ人たちとの衝突を懸念する英軍が移送をためらううち、英軍将校にしてユダヤ人地下組織のリーダー、アリ(ポール・ニューマン)の下、ユダヤ人たちは「エクソダス」号船上でハンストに入る。英軍の将軍と知己の米人女性、キティは看護婦として船上で手伝ううち、自分たちの国を作りたいという彼らに共鳴していく。第1次世界大戦中の1917年「バルフォア宣言というイギリスの公式声明が発表された。その内容は、「パレスチナにおけるユダヤ人の居住地の建設に賛意を示し、その支援を約束する」というもの。どうしてこのようなものが出たのか?当時、戦争で苦境に立っていたイギリスにはユダヤ人の大資本家。ロスチャイルド家が君臨していた。政治的にも、経済的にも発言力のあった彼らに媚を売ることで、ユダヤ人の派兵、経済援助を引き出そうとしたってことらしいんだよね。このことがユダヤ人のパレスチナ移住に結びついていくんだけど、イギリスはパレスチナ側にも国家承認の約束をしていたから話はややこしくなる。まあ、イギリスの二枚舌が招いた悲劇ともいえるのだ。

第2次世界大戦後、ユダヤ人が大量にパレスチナに流れていく状況に、イギリスは焦ったね。だってパレスチナ人は危機感を抱くよね?「約束が違うんじゃないの?」間違いなく争いに発展するのは目に見えている。だからイギリスはユダヤ人の入国を制限した。ユダヤ人も黙っちゃいないよ。「約束が違うんじゃないの?」イギリスは両者の板挟みになってしまったわけ。失策とはいえ、あの状況じゃ足止めするのも仕方ないかなと僕は思うんだけど、この映画では当然イギリスは悪者。収容所にすし詰め状態で閉じ込められているユダヤ人を描くことで、イギリスの冷徹無慈悲ぶりを描く。そこへ登場するのがポールニューマン演じるアリ。この英雄、どうも架空の人物らしい。彼はヒーローのごとく、持ち前の知恵と行動力でユダヤ人の大脱出を計るんだけど、イギリスは断固出航させない。ユダヤ人は命がけのハンストを行って、我慢較べになっていく。ここでユダヤ人の国家建設への強い想いが思い存分語られる。まあ、実際はパレスチナに住むユダヤ人によるイギリスへのテロ行為が激化したことも背景にあるんだよね。その上、パレスチナ側もイギリスに対しテロをするもんだから、もう手に負えなくなっちゃったわけ。国連に丸投げしちゃったのだ。そうなったら、もう無法地帯。後はユダヤ人とパレスチナ人でやりあうしかない。話はここで終わらない。ユダヤ人がパレスチナに上陸すると、キブツと呼ばれる入植地に向かう。(集団農場と思ってもらっていい)既に入植していたユダヤ人達によって開拓された村なんだけど、実に健全そうな人ばかりで理想的な社会を築いているように見える。ここで新たな入植者は盛大な歓迎を受けるんだけど、そこに善人そうなパレスチナ人が何故かいるのだ。村長曰く「彼の父が善意で土地を譲ってくれたのだ」と・・・ほぼありえないでしょ?そんな綺麗ごとは流石に通用しないよ。実際は虐殺によって土地を奪ったのだ。それは酷かったらしいよ。ちゃんと記録にも残ってる。たくさんのパレスチナ人の村が破壊され、その残骸を今でも見れる場所があるのだそうだ。やがて国連がパレスチナ分割を可決したことでユダヤ人の国イスラエル共和国が誕生することになった。喜びに沸き立つユダヤ人。でもそれは同時にユダヤ人とアラブ諸国の争いが本格化することを意味するよね。ここからは自由を守るために闘うユダヤ人と、それを邪魔するパレスチナって構図で展開される。パレスチナ人は可愛い少女は殺すわ、善良な同胞は殺すわ、残虐の限りを尽くす。片や、ユダヤ人は応戦するのみ。あくまで正義を貫き、平和を願うのだ。そしてヒーローは死んでいった仲間の墓の前で宣言する。「いつの日か、アラブ人とユダヤ人に死者同様の平和な日々を訪れさせると!」って虚しくなってくる台詞を吐いてこの映画は終わる。

コメント (1)
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