源泉かけ流し本物の温泉を探せ!

温泉人の温泉人による温泉人のための温泉ブログ

温泉宿に期待するもの

2010-09-05 12:15:49 | 本物の温泉を探せ!
一口に温泉宿といっても、
いろいろなタイプの温泉宿がある。

・風呂(温泉)が素晴らしい宿
・料理が美味しい宿
・静かな環境(秘湯)の宿
・格式や高級感が売りの宿
・バイキング自慢のファミリー向けの宿
・ペット同伴OKの宿
・リゾートにある宿

など、列挙すればいくらでも書けるぐらい
いろいろな特徴(売り)がある。


でも、
一般の旅行者は宿に何を期待しているのかというと
「どんな部屋に泊まれるか」
「どんな料理がでてくるか」
「どんな種類の風呂があるか」
という3つに集約される。

そして、何よりも大切なことは
「どんな体験(思い出)ができるか」
この一言に尽きるだろう。


「どんな体験(思い出)ができるか」
このことが期待できるから、
利用者は少々高い料金でも意中の宿に泊まりたいと考える。

もし期待がなければ、
利用者は「金額」のみで泊まるところを決めてしまうだろうし、
そうなると旅館側にとっては不毛な価格競争しか道はない。

価格競争になるとどうなるか・・・
利用者にとっては嬉しいことかもしれないが、
宿にとってはかなりダメージが大きい。

確かに料金を下げるとお客は増える。
一時的には・・・

でも忙しさは変わらない(下手するともっと忙しくなる)
のに収入は減ることになる。
そうなるとほとんどの宿が費用の圧縮を考える。

・人件費(従業員を減らしたり給料を下げる)
・料理の材料費(料理に使う食材のレベルを下げる)
・水道光熱費(無駄な明りや空調を消す)

など、何だか一般家庭と同じような手法で何とか努力をする。

そうなると、あとは宿のモラルがどこまでもつか。
忙しいのに人は減り、いろいろなことをやるようになったが
給料は増えず、休みも少ない・・・

そうなると、提供すサービスの低下が始まり、
そして「安かろう悪かろう」ではないが、
宿自体のブランド力が急激に低下することで
利用者は減ってしまう。

そして更なる料金の低下に歯止めが利かなくなる・・・

ついには身売り廃業。
そして大資本による買収が進み、
温泉街には聞いたことのある大資本系列の宿が増え、
街の個性が消えていく。

なんか今の社会の縮図のような感じだが
こんなことに陥っている宿が多いように思えて仕方がない・・・

パナソニックの創業者である松下幸之助の言葉ではないが
「適正価格」の考えは、宿にとっても重要だと思う。

適正価格を守るために宿を利用すると
「どんな体験(思い出)ができるか」
お客の視点に立ち、このことをもっと深く追求すべきだと思う。

今の消費者は、本当に欲しいものか、
欲しいレベルと料金のバランスが合うものしか買わない。
当たり前のことだが、宿泊プランを見る限り、
このことを理解している宿はあまり多くないように見える。

しかし真面目なことを書き続けるのはかなり疲れるわ~(苦笑)


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http://www.onsen-shinsengumi.com/
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