バスケ青春の詩

平成25年12月22日をもって33年9か月ほど勤務した仕事を定年退職をしました。これを機会にまた想いを綴ります。

トラヴェリング…2歩まで動く or 2歩で止まる?

2012-05-09 05:41:38 | やっぱりミニバス!
平成24年5月9日 水曜日
 
「トラヴェリング…2歩まで動く or 2歩で止まる?」


バスケのルールの、そもそも論です。


これは、公認コーチの講習会で、千葉県のバスケ協会の審判部長をされ、日本公認として審判をされている方からお聴きした話しです。

ご存知の方も多数いらっしゃると思いますが…、

面白い話しと思い、紹介させていただきます。

トラヴェリング・ウ゛ァィオレーションのことです。

ルールでは、ボールを持った瞬間から、2歩まで歩くことができる…ですね。

軸足がどうのこうのというのは別にして、

ボール保持してから2歩まで動いていい、という考えだと思いますよね。

私は、そう思ってました。

ところが、バスケのそもそもの考え方からいって違うんですね。

バスケは、ラグビーと同じくボールを手で扱う球技です。

ラグビーは、ボールをゴールまで運ぶのに、前に投げることはできません。

しかし、ボールを持って自由に動けます。

歩数?…関係ありません。

バスケは、ゴールに向かってボールを運ぶのに、ボールを前に飛ばしていいですが…、

ルール的には色々と変遷して来ました。

ボールの運び方の考え方は、ボールを保持したら動くことについては…

ボールを保持した瞬間から、その場所から移動してはならないのです。

2歩どころか、1歩でも移動してはならない…というのが基本の考え方だということです。

現在でも、その考え方に変わりはありません。

では、トラヴェリングの2歩というのは…どのような考え方から生まれたのでしょうか?

バスケは、攻防が連続して、スピードが持ち味のスポーツです。

前をトップスピードで走る仲間に、ボールを飛ばします。

これをキャッチした瞬間に、レシーバーは動いてはならない。

想像してみてください。

トップスピードで走っている自分にボールが飛んできて…

ゴールに向かって全力疾走!

そのとき、ボールをキャッチした瞬間にストップできるでしょうか?

まず無理でしょう。

前方に向かった勢いを、瞬間に殺すというプレーは物理の慣性法則から無理です。

無理して止まろうとして踏ん張れば、転倒して怪我、もしくは脚を傷めて怪我をするでしょう。

そのために…怪我をさせず、プレーを続行させるために、

トップスピードから、ボールを保持して止まるまでの歩数として2歩としたというのです。

そして、2歩目がフリーフットとなりピボットのプレーが生まれました。

ピボットの範囲内は、ボールが移動していない範囲なのです。

逆に、ピボットの範囲を越えてボールが移動する…

つまり、軸足が浮いた瞬間にパスするか、シュートをすれば、

移動する前に、ボールを離したので、ボールを保持して移動したことにはならず、

ウ゛ァィオレーションにはならないのです。

一方、軸足が浮いてからボールを突き出せば、ボール保持者がボールを移動させたことになり…

トラベリング・ウ゛ァィオレーションになるのです。



ごちゃごちゃと言ってきましたが…

要は、ボールを保持したら一歩たりとも動いてはならないのです。

止まるために、2歩で止まるルールになったのです。

その講師の先生は、審判としてジャッジするときは、

そのルールの考え方を、しっかりと理解することが大切だと言われました。

審判は、プレーの形にとらわれ過ぎるのではなく…

その考え方を知って審判をすることで、ゲームを自信を持ってコントロールできる…と言われました。

コーチィングする上でもためになる話しだと思った次第です。

自ら行うために…作戦ボード

2012-05-09 05:30:54 | やっぱりミニバス!
平成24年5月9日 水曜日
 
「自ら行うために…作戦ボード」


だいぶ以前に書いた、「指揮者とオーケストラ」の記事で…

『「個」がチームの中で、自ら為すべきことを理解し、納得できたなら、

チームが成すべきことが…「個」全体に共有される。

そうしたら、あとは、それに向かって繰り返し演奏(練習)すること。

こうなったときに指揮者は、細かい指示を必要としなくなるのです。

あとは、チームに考えさせるのです。

チームも指揮者の想いを成すために、指揮者に…、

「こういうのは、どうでしょう。」と語ります。

指揮者は、その想いを共有していますから…
「いいね、ちょっとやってみようか。」となるのです。』


私はミニバスのコーチとして、試行錯誤しながら、

個人技術のレベルから、チーム技術のレベルへ…という練習を創造してきたつもりです。

オフェンスもディフェンスもそうですが、

特に…ディフェンスは、基本のステイローの姿勢から始め、基本のステップワークから始め、

積み上げて、マンツーマンDFの形を作りながら、DFの考え方を説明し、

子供達の理解を、練習によって確認してきました。

現在はチームDFと…チームOFの創造に取り組んでいます。

これもコーチの考え方を選手である子供達と、しっかり共有することが大事です。

そのためには、プレーのひとつひとつに名称をつけて、

全員が共有しやすいようにしています。

例えば、
「逆サイド・ハイロー」
「逆サイド・ミドル」
「パスアウト・ミドル」
「DF・ボールライン」
「シャット・ゲート」
「鬼のDF」

…というように、説明で指示するのではなく、共有している言葉で指示することで、

プレーに即・対応できます。

チームDFもチームOFも、子供達とコーチの考え方は共有できつつあります。

あとは、それがイメージのとおりにできるように、繰り返すだけです。

そこで…作戦ボードです。

これは試合において、コーチが選手の動きを端的にイメージするために、

マグネットとマーカーで説明する道具です。

今これを、チームDFやチームOFを作るのに練習で活用しています。

子供達は、自分達がやるべきプレーを意識し、できつつあります。

私は、その意識付けを徹底し、プレーに反映できるように繰り返しやらせています。

その動きの注意点、今の反省点を、作戦ボードを使って説明しています。

あとは、5対5スクリメイジのときに、フリーズしながら子供達のプレーを指導し、

さらに、1Q終了するごとに、子供達に作戦ボードを渡し、

反省点と次の戦術を、自分達で考えるように、チームミーティングをさせるようにしています。

それができるのは、チームDFとチームOFの基本的考え方を子供達とコーチという…

チーム全体で共有しているからです。

このやり方は、子供達自身のやる気を引き出すことが出来ます。

当然、新しい戦術を子供達が創造したときは…

私は、最初からそれを否定するつもりはありません。

実際にそれをやらせてみて、基本の考え方と、ずれているということに…子供達自身が気付けば、

「そこはやはり…連続性、スペース、流れ、パス・ランという原則とは違うんじゃないの?」…というように説明し、

子供達自身が理解し、納得できる形を創造していき、共有していくことだと思います。

今の子供達はそこまで成長してきています。

コーチとしては楽しみであり、それとともに、正しく成長させてあげなければという、責任を強く感じています。