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To LOVEる―とらぶる― ダークネス 8 (ジャンプコミックス) 価格:¥ 460(税込) 発売日:2013-08-19 |
話が進んでいくごとに、どんどんモモが可愛くなっていく……。
べつにララをdisるわけではないですが、ラブコメのメインヒロインとしてはモモのほうが遥かに上のような気がします。ララみたいに天然すぎるヒロインって、実はかなり扱いが難しいのかもなあ。天然って人間味のなさに繋がったりもしますし、『ダークネス』のようにサブキャラとして動いたほうが輝くというのが何とも。
とはいえ、ついに巻頭の登場人物紹介から外された春菜の悲しみに比べればどうということはないのかもしれませんが!
や、内容を見れば、春菜を差し置いて古手川と凛が載っているのは納得なんですけど、かつてのメインヒロインとは思えない影の薄さだよなと。そして僕自身、前作よりも『ダークネス』のほうが楽しめているというのが諸行無常という感じがします。ハイ。
つーわけで、表紙を飾った褐色ロリが場をかき乱しつつ、なにやら作為を感じずにはいられない「凛がハーレムメンバー入りするかも」なエピソードで引きが入った8巻でした。
たしかにあの三人組って、モモが言ってたように他の二人をハーレムに引き入れるのが難しそうなので、あえて選ぶとしたら凛なのかなーという気がしないでもないですが。でもぶっちゃけ無理に引き入れなくてもいいような気がするというのが本音なんですが。
釣った魚に餌をやらない……じゃないですけど、凛を掘り下げるくらいなら、それこそ春菜とララのエピソードを描いたほうがよかったんじゃないかなーと思います。あの三人組のことが嫌いというわけではないですが、良くも悪くも三人で完結しているというか、閉じた輪の中にいるキャラクターというイメージだったので、そこから凛だけピックアップすることに違和感を覚えてしまうんだよなあ……。
まあ、逆に、だからこそ『ダークネス』だと言えるっつーのも理解しているんですけどね!
こう、なんていうか、読者はすでに満腹なのに「え? まだ食えるでしょ?」と言わんばかりにハーレム要因を投入してくるのはいっそ潔いです。こういうのって中途半端になるのが一番よくないので、ヘタにバランスとか考え始めるとつまらなくなっちゃうのかもしれませんし。
とりあえず、最後の古手川の短編が個人的には一番好みでした。
僕が元々古手川スキーというのはともかく、「電話越しに声を聞くとエロい気分になる」という発明がアホ素晴らしすぎてもう。エロコメはシチュエーション勝負みたいなところがありますので、この発想力には思わず舌を巻きました。
ちなみにこのエピソード、何気にオチに使われているのがモモというのも見過ごせないところで、こういう役割も担ってしまえるところがヒロインとしての万能っぷりを示しているよなーと。
というか、『ダークネス』では一貫して、蜜柑がモモを危険視しているという描写がなされていますけど、あのへんもよく考えると面白いです。
ヒロインの中で唯一、性的なアプローチがシャレにならないという理由で目を付けられているというのは周知の事実ですが、逆に言うと蜜柑がそれだけモモのことを認めているということでもあるのかなと。ララたちには反応しない蜜柑のブラコンセンサーが「こいつだけは放っておいたらお兄ちゃん取られちゃう」的にビンビンきてるんじゃないでしょうかアレ。
そんな感じで、これからも目が離せない展開が続きそうですということで一つ。