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サブカルとサッカーの話題っぽい

【ラノベ】お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5

2012-12-09 | ライトノベル
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5 (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 5 (MF文庫J)
価格:(税込)
発売日:2012-02-23

 読了。

 んー……コレ駄目かも……(^q^)

 結論から先に言うとイマイチでした。読んでいる最中にアニメの出来の良さばかりが頭をかすめてしまうというか、ぶっちゃけコレ、秋人の一人称が雑味にしかならないですね
 ヒロインたちの行動に対して内心でどんなことを感じているか等、いわゆる心情描写を詳細に表現できるというのは小説の大きな利点ですけど、こと『おにあい』に関しては秋人の心情描写が邪魔になっていると思いました。
 4巻まで読んだ段階で少し引っかかっていたんですが、秋人はモノの考え方がいちいち鼻につきます。秋子をわざと困らせて反応を楽しむあたりまでが許容範囲で、それ以上の「自分がこういう行動を取ったら、相手はこういう反応を示すだろう」みたいな思考は、いやらしさばかりが先に立ってしまいます。
 まあ、秋人に一筋縄ではいかないところがあるというのは、アニメでも銀兵衛たちの発言などから察することができますし、僕はむしろこういう頭脳を使って相手を出し抜くタイプの主人公は好きなんですけど、どうしてか今回はダメでしたね。
 なんつーか、全体的に小物臭さを感じてしまうタイプの権謀術策を巡らすキャラに見えてしまうんだよなあ。仕事を言い訳にして学業を疎かにする性格とか、そういうものも全部マイナス方向に働き、どうしても姫小路秋人というキャラに好感を抱くことができないのですよ。
 で、そうなってくると、秋人に好感を寄せるヒロインたちの行動も珍妙に映ってしまい、この手のラノベでは禁句である「どうしてこの主人公ってこんなにモテるの?」を見事に体現する作品になってしまうというわけです

 この場合、キャラクターの描写を掘り下げれば掘り下げるほど人間関係に疑問符がつくので、秋人の一人称をスポイルして登場人物たちの言動の表層をなぞるだけのアニメのほうが逆にキャラクターの魅力が増しているという実に皮肉な状況ですね。似たような状況に陥っている作品は他にもありますが(敢えて実例は挙げませんが)、『おにあい』はアニメの出来がいいだけに、それをより強く感じてしまうっつーのは間違いないかなと。
 で、キャラクターの魅力が足りないと、物語の途中経過がどうでもよくなってしまうので、完結したときに「主人公が誰とくっついたのか」みたいなネタバレだけ拾えばいいかなーってなってしまうのは僕だけではないハズ。
 ちなみに、僕の中で決定打になったシーンは、秋人がクラスメイトたちと談笑する秋子を見かけて、「もしやあの中に秋子の彼氏が? いやいやそんなのは許せない。秋子にはまだ早い。具体的には20年ほど早い。なに? そんなに経ったら行き遅れる? そうしたら僕が面倒をみるから問題ない」とか考えるところでしたいやー、気持ち悪さここに極まれり
 元々、超絶ブラコンの妹をそっけなくあしらう、という部分に面白さを感じていたので、その構図が完全にぶっ壊れてしまうと、一気に冷めちゃいますね。

 そんな感じで、原作の続きはもう読まなくていいかなーということで一つ。


【ラノベ】ハンドレッド-ヴァリアント覚醒-

2012-11-23 | ライトノベル
ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫) ハンドレッド-ヴァリアント覚醒- (GA文庫)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2012-11-15

 読了。

 巷で「『IS』分校」なんて揶揄されていることに興味をひかれた作品です。同様に似たタイプの話と言われていたMF文庫Jの『学戦都市アスタリスク』が気に入ったので、ひょっとしたらコレも面白いんじゃないかと思い買ってみました。
 ――が、結論から言うと大ハズレ面白いどころか、読んでいて非常に退屈で、言葉を選ばずに言うと「パクリは所詮パクリだな」という感じでした
 つーか僕、それなりにGA文庫のラノベは読んでいるんですけど、面白いと思った作品がひとつもないんですよね。これってたまたまつまらないラノベに当たっているわけではないと思うというか、レーベルカラーとか編集さんの傾向みたいなものがとことん合わないんだろうなと感じます。
 以下雑感。

・何を置いてもまず言うべきは、キャラクターの魅力が皆無ということ。1巻を通して読んでも主人公のハヤトはどういう性格なのかピンとこないのが終わってるし、ヒロインのエミリアはワガママで思慮が浅い部分ばかりが強調されてちっとも可愛いと思えない。メインキャラがこの始末ということからわかるように脇を固めるキャラも大概で、生徒会長とそのお付きはストーリーを展開させる装置にしかなっていないし、チャラ男とその幼馴染みのツンデレ女に至っては「こういうやつも存在しますよ」ということを示す程度の出番しか与えられず。おそらく2巻以降のための布石を打っているんだと思いますが、上手い作家さんなら出番が少なくてもキャラを立たせて読者に多少なり印象を植え付けますよねえ。

・つーか、全体的にキャラクター像がボヤけているんだよなー。主人公のハヤトが良い例なんですけど、「何に対して憤りを感じるか」みたいな分かりやすい感情の振れ幅が作中で示されていないんですよね。そのせいでいまいちキャラクターが掴めず、同時に作品世界における一般的なモノの考え方もわかりにくくなっているため、物語が〝なんとなく〟展開するのを眺めるだけになってしまいます。そういう意味で、エミリアだけは唯一「権力にモノを言わせるやつが許せない」という価値基準は示されているんですが、それがキャラの魅力に繋がっておらず、単なるワガママお嬢に見えてしまうというのが困りもの。つまり、大部分のキャラクターを掘り下げられていないということと、数少ない掘り下げられたキャラクターを魅力的に書くことに失敗しているということの二点においてキャラクター描写の拙さが目につく内容で、これはラノベとしては致命的な欠陥だと言うことができます。

・で、こうしたキャラクター描写のマズさがそのままプロットのマズさにも表れてしまっているのが切ないというか、むべなるかなというか。まー、エミリアの女バレの書き方の適当さを見ただけでも、この作品がまったく頭を使わずに作られているというのはよくわかると思うので、これ以上は言及しなくてもいいですよね(ノ∀`)最後のアンノウンとの戦闘といい、そのあとのラブコメ展開といい、あまりにチープすぎて目を覆いたくなりました。なんか、固有名詞を考えることばかりに躍起になって、肝心の中身がスッカスカな印象です。

・誤解を恐れずに言うと、『ハンドレッド』って導入100ページくらいまではワリとマシな内容だったんですよね。ところどころ文章がおかしいところがあったり、擬音をそのまま地の文に書いてしまってたりと、ショボいところは多々あるんですが、物語自体は「この先どうなるんだろう」という期待感を持たせる作りになっていました。ところが、そこから先はページが後のほうになればなるほど文章は荒くなるし、物語の展開も雑になるしで、まー酷いもんです。途中で作者さんのエナジー(笑)が切れちゃったのかなあと思ってしまうような右肩下がりでした。

 つーわけで、マジでつまらなかったですということで一つ。
 もちろん続きはスルーしますとも。ええ。


【ラノベ】お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ

2012-11-21 | ライトノベル
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2010-12-21
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ2 (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ2 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2011-03-22
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 3 (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 3 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2011-06-23
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ4 (MF文庫J) お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ4 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2011-10-22

 四冊まとめて読了。

 んー、一言でいうと、良い意味でも悪い意味でも、ひっじょーに「MF文庫Jっぽいラノベ」でした。僕は楽しめているので、趣味嗜好が似ている方は良い意味のほうで受け取って頂いて構いません。
 ちなみに、ここで言う「MF文庫Jっぽい」というのは、『はがない』などに見られるような「キャラクター同士の日常会話中心で進む、あたかも漫画のようなラノベ」という傾向を指します。
 ここだけの話、僕は〝小説〟と〝漫画〟の中間に位置するものとして〝ライトノベル〟というものがあると思っていて、そうするとライトノベルの範囲ってすごく広くなるんですが、作品ごとに「どちら寄りか」という判断基準はアリだとも思ってるんですよね。
 んで、MF文庫Jは漫画寄りの作品が多いような印象を抱いていて、今作『おにあい』は間違いなくそっち側の作品です。アニメを見ていてキャラクターの性格などが頭に入っていたこともあって、一冊あたり30分ほどで読んでしまいました。まさに「漫画のような」読み方をしてしまったわけです。
 あ、こんなことを書くと誤解されそうですが、僕はべつに、だからダメだとか読み物としてチープだとか言いたいわけではなくて、上にも書いたように『おにあい』はすげー楽しいです。
 ただ、一冊30分で読めてしまうものは〝小説〟ではないよなあ……とか、四冊2400円が二時間で読み終わっちゃうのって色んな意味でかなりコスパ悪いよなあ……とか思ってしまう部分はあるってことで。ハイ(^q^)
 以下雑感。

・原作ラノベも面白いけど、原作ラノベを読むとアニメの出来の良さが際立っていることが理解できるのはスゴイ(アニメのスタッフさんが)。極力不必要な要素を削り、内容を再構成して視聴者の興味を1話からがっちり掴むのはウマイよなあ。ぶっちゃけ、原作の時系列どおりにアニメを作ったら、ファンはもっと減っていたと思います。ヒロインの集合のさせかたとか、ややシリアスな要素(姫小路兄妹の血縁関係他)を徹底的に排除したりとか、作品の長所を伸ばす手法としては見事ですね。あとは最後を綺麗にまとめてくれたら言うことなしです。

・つーわけでアニメの話はこのへんにして原作の話に戻りますが、会長だけアニメより原作のほうが可愛らしく感じました。逆にいうと、他のキャラは皆アニメのほうが可愛いんですけど(動画と音声の効果は絶大すぎる)、会長に関してはその補正が効きにくいのかな? あ、キタエリをdisってるわけじゃないですよ!←

・個人的に気になった点は二つ。一つ目は、原作は秋人の一人称で語られるので、より主人公の内心に迫る内容になっているんですけど、ぶっちゃけそれ(内心で考えていること)があまり面白くないということ。つーか、秋人はいわゆるツッコミ系で、そういう意味じゃアナや会長とのやり取りのほうで笑いを取らないといけないんだろうけど、秋子や銀とのやり取りのほうが面白いっつーのが、この作品の内情をよく表していると思います。

・二つ目は、ところどころ展開に首を傾げてしまう箇所があるということ。具体的には、4巻の秋人の看病回がわかりやすいですが、風邪でダウンする前のやり取りと風邪でダウンしたあとのやり取りが別の世界線の出来事みたいに感じました。あれはつまり、「秋人はすでに限界だと訴えかけていたにも関わらず、ヒロインたちは真剣に取り合わなかった。結果、秋人は体調を崩してしまうことになるが、ヒロインたちは秋人を心配する気持ちに加え、秋人の訴えに向き合わなかった負い目も感じていたので、よりいっそう強く責任を感じた」ということなんでしょうけど、あのヒロインたちなら秋人が最初に「管理人の仕事限界」って言ったときに取り合ってくれそうなんですよね。なのに、まったく取り合わず、「私たちも色々忙しいんだからあなたもそれくらいやりなさい」みたいに言うヒロインたちには違和感を覚えました。アレは展開のためにキャラの性格がねじ曲げられてるんじゃないかなあ。

・逆に言うと、結果的に倒れたことで秋人の訴えが正当だったということになってますが、秋人があんなふうに弱音を吐くようなキャラだというのも意外でした。つーか、学業などを怠けがちな人物として描かれてることもあって、弱音を吐くという行為との相性が悪いというか。1巻から散々描かれた人物像とは大きくかけ離れるものだと思うんだけどなー。4巻の秋人ダウンエピソードは、そのあとの管理人を迎える展開にも繋がるので重要なのはわかるんですが、それゆえに「キャラらしからぬ行動」を取らせてしまったようにも思えて少し残念でした。

 つーわけで、続きも買いつつ読んでいきたいと思いますということで一つ。


【ラノベ】ラブコメ圏外

2012-11-18 | ライトノベル
ラブコメ圏外 (HJ文庫) ラブコメ圏外 (HJ文庫)
価格:¥ 650(税込)
発売日:2012-10-31

 読了。

 うーん、悪くはないけど……(´ω`)

 以下雑感。

・この作品を一言で表すなら、「様々なラノベをかけ合わせたキメラ的な作品」ということになるんですけど、じゃあ独自色が皆無かというとそんなことはなく、主人公の銀次朗と、彼を取り巻くモブ系登場人物たちのキャラクター造型が好感の持てるものになっているため、わりと楽しめました。ちなみにキメラっつーのは、『化物語』とか『僕は友達が少ない』とか『のうりん』あたりをベースにした、いかにも最近のラノベくせー作品ってことです。ハイ。

・で、この作品の肝になっているのは、「自分がオタクだという意識が薄い銀次朗が、一般人らしく上手く擬態しているつもりで実は全然そんなことがなく、なおかつ周囲の人間はそれを承知の上で彼に一目置いている」という構造だと思いますが、序盤はこの構造が上手く作用していました。昨今のラノベでは、特殊なパーソナリティを持つ主人公への迫害傾向が強かったり、ヒロインに好意を寄せられる主人公に対してコメディの領域をはみ出した悪意を向けられることが少なくないだけに、『ラブコメ圏外』における銀次朗の立ち位置には目新しさがあり、掴みには成功していたと言っていいと思います。ご都合主義すぎるといえばその通りですけど、ご都合主義を否定して読者に不快感を与えるよりはいいんじゃないかなと。

・またヒロインたちの配置も絶妙で、久奈と桜子はパワーバランスも考慮されているのか、特定の状況下でどちらか片方が有利になるということもなく、1巻の段階ですでにほのぼのとした三角関係ライクなものを形成しているので、恋の鞘当て的な展開にはニヤニヤできます。あとフェアリー可愛い。フェアリーはこの作品じゃないと生まれなかったキャラだろうなあ。

・ただまあ、序盤は銀次朗のキャラの目新しさで突っ走れるんですが、中盤を過ぎたあたりから勢いがダウンしたのは否めません。というのも、目新しさがウリの主人公が難聴だったり鈍感だったりといった〝よくある〟ラブコメ主人公的要素を多用しはじめてしまったら何の魅力もなくなってしまいますよねーという感じで。ヌルい三角関係を継続させるためには主人公を鈍感にするのが手っ取り早いというのはわかるんですけど、せっかく銀次朗というキャラを生み出したわけですから、鈍感以外の手法で三角関係を停滞させるアイディアをつけ加えて欲しかった気も。最終的にキャラの目新しさがなくなってしまい、残ったのが主人公を突っ込みに据えたテンション高めのやり取りだけというのは苦しいです

 つーわけで、これまた続刊があったとしても買わなくていいかなという感じで。


【ラノベ】マ・オー ―魔王、日本が舞台のオンラインゲームを始める―

2012-11-16 | ライトノベル
マ・オー -魔王、日本が舞台のオンラインゲームを始める- (GA文庫) マ・オー -魔王、日本が舞台のオンラインゲームを始める- (GA文庫)
価格:¥ 630(税込)
発売日:2012-10-17

 読了。

 うーん、イマイチ(´ω`)

 以下雑感。

・まず世界観の話からすると、「異世界で流行しているオンラインゲームの中に主人公が召喚される」という二重構造が肝になっていると思いますが、身も蓋もないことを言うと、ただ単に作品構造を分かりにくくするだけのナンセンスな設定としか思えませんでした。たしかに、よくある「異世界に召喚された主人公がチート能力持ち」みたいな設定はチープすぎる気もしますし、紛うことなき一般人である主人公を一般人のまま活躍させるにはどうすればいいかと考えた場合、今作の「日本を舞台にしたオンラインゲーム上で、日本人らしく振る舞うことが重視される」という設定は一つのエクスキューズになるかもしれません。が、「え? 俺は普通のことやっただけなのに、どうして皆騒いでるの?」みたいな勘違いSUGEE系のネタは基本的に長持ちしないので、すでに1巻ですら中盤を過ぎたあたりから展開が苦しくなっていたのはかなり先行きが不安になりました。1巻だけでお腹いっぱいになったというか、登場人物たちのやり取りに飽きてしまって、続きがまったく気にならなかったです。

・次にキャラの話をすると、ヒロインである真緒をはじめ、どのキャラもインパクトに欠けるのは否めないと思います。キャラを立たせようという努力や、個性を持たせようという試みは伝わってくるんですけど、いかんせんどれもこれも上手く作用していません。例えば真緒はわかりやすいツンデレを軸にしたキャラですが、それにプラスされた左手の動きに感情が現れてしまうとか、そういった個性を持たせるための設定のひとつひとつが噛み合ってないというか、上っ面の設定をかき集めただけで、作者さん自身も真緒をどういうキャラにしたいのかよくわかってないように感じます。それは、もうひとりのメインヒロインである幼馴染みにも言えることで、優等生キャラだけどヤンデレというのが「単に相反する要素をくっつけただけじゃね?」と思えてしまいました。

・つーか、すげー失礼な物言いになりますが、他作品や他作品のキャラクターとの差違を出すために工夫した箇所が「ココ工夫しました!」って猛烈にアピールされてるように感じてしまって鼻につくんだよなあ。異世界召喚モノだけどチートじゃないとか、ツンデレっぽいけど良い子とか、優等生だけどヤンデレとか、まるでパズルのピースを機械的に当てはめたみたいに「相反する要素同士の組み合わせ」しか見られないのはつまらないです。

・異世界召喚モノというだけだとありふれているから異世界のオンラインゲーム上に召喚されたことにしよう、とか、ツンデレというだけだとありふれているからツンデレと相反する要素を沢山つめこんだキャラにしよう、とか、主人公がチートだとありふれているから一風変わったチートを目指してみよう、とか。ぶっちゃけ、こういった工夫や一捻りというのは、新しいアイディアを生み出すために必要不可欠なものですけど、作品の面白さに繋がらなければ何の意味もないです

・で、最後の野球の試合のみ、「日本人らしい行動を取ることが高評価」というのを覆す設定を持ち込んでしまったのは、個人的には大失敗だと思いました。このゲーム内で日本人らしく振る舞うというのは、いわば作品の根幹設定なんですから、たとえ絵面的に地味になろうが魔法などが存在するファンタジー異世界という設定が何の意味もないものになろうが、ゲーム内での採点基準に関してはブレちゃいけないと思います。このどっちつかずな感じが作品全体に蔓延しているというか、「現代モノとファンタジーモノのいいところどり」をしようとして失敗してしまっている一番の原因でもあり、僕としては発想の掘り下げが足りなかったんじゃないかなーと思わざるを得ません。

・まとめると、日本人らしく振る舞うことが肝要なオンラインゲームという発想そのものには目新しさがあるのに、その設定を貫き通すことができなかったというのが非常に作品の印象を悪くしています。で、この練り込み不足は、作品の設定のみならず、キャラの設定にも表れていて、結果的に世界観にもキャラにもこれといった見所がなくなってしまっていると思いました

 続きは買わなくてもいいかなということで一つ。