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ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【ラノベ】境界線上のホライゾンⅤ <下>

2012-10-30 | ライトノベル
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンV<下> (電撃文庫) GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンV<下> (電撃文庫)
価格:¥ 1,103(税込)
発売日:2012-10-10

 読了。

 すげーすげー。上巻と合わせて約1700ページ使って何をしたかと思ったら、延々と真田に邪魔される展開が続いただけだったというオチ。正直、わりと読むのがシンドイ感じでしたね。5巻は。
 これまでもずっとそういうフシはありましたけど、5巻における羽柴(&織田)の描かれかたを見ると、彼らはもうひとつの主役組という認識で読んだほうがよさそうですね。あ、くれぐれもお断りしておきますが、決してコレはポジティブな意味じゃないですよ。ネガティブな意味で「そうとでも思わないと読んでられない」って意味なので、お間違えなきよう
 逆に言うと、羽柴にも思い入れを持って作品に接することができるなら、「一粒で二度お得」な感じで読めるんでしょうけど、これまで散々書いてるように僕はちと無理です。十本槍の最強二人の敗北&成長イベントだとか、片桐の成長&ラッキースケベ的イベントとかホントにどうでもよすぎて困るよ。
 つーか、今回は天竜の二人が死に、ネタバレ途中で武蔵に想いを託していましたが、なんか似たような展開を前にも読んだことがあるような気がするんだよなー……。過去の人たちの想いを託されて前に進むことを決意する、みたいな。うーん、マンネリとは言いませんけど新鮮味に欠けたせいか、個人的にはそのあとで誾さんが武蔵への編入を正式に決めたことのほうにジーンとしてしまいました。
 マンネリといえば、上巻からしつこいくらいに繰り返された浅間&ネイトの輿入れネタはさすがに何度もやりすぎて食傷してしまいましたねーと。重要な話ではあるけど、点蔵メアリをはじめとする既存カップルの弄られネタ同様、「面白いけど何度も使いすぎてさすがにクドイ」になってしまったのが何とも。……このへんスリム化すれば、『境界線上のホライゾン』ってもっと薄くなって分かりやすくなると思うんだけどなあ。
 以下雑感。

・検便は世界を救う。

・カーチャン美味しいところ全部取り。

・誤解を恐れずに言うと、今回は本当に微妙でした。その証拠に、いつもだったら最後の見開き絵を見たときに感じるものがあるのに、今回はなーんも感じませんでしたからね。まあ、絵が絵だったっつーのもあるかもしれませんが、6巻への繋ぎ(にも関わらず1700ページ!)にすぎないエピソードでお茶を濁したように感じました。残念。

 まー、なんつーか、ネシンバラの「これから真田は松平と敵対することがちょくちょくあって、そのたびに十勇士が正式な歴史再現として乗り込んでくるのは堪らない」っていうのが、僕の心情を正しく言い表してますねということで一つ。
 表紙まで飾ったのに、北条の出番は次回に持ち越しかー……。


【ラノベ】境界線上のホライゾンⅤ <上>

2012-10-23 | ライトノベル
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンV<上> (電撃文庫) GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンV<上> (電撃文庫)
価格:¥ 893(税込)
発売日:2012-08-10

 読了。

 前巻が「中盤の幕開け」だったので、それを受けて動きの多いエピソードでした。……動き多すぎて、表紙を飾った北条・氏直の出番がほっとんどねえんでやんの。っはは。
 や、僕は基本、褐色系キャラはさほどツボではないんですが、氏直に関してはすごく好みっぽい気配が漂っているので、下巻での活躍に期待したいものですねという感じで。ハイ。
 しかし、全体通してバトル多めだったんですが、武蔵勢はバトルの最中でもチャットしまくってるので、戦闘描写と日常描写が一緒くたになっている感じで読んでいて楽しいことは楽しいですね。もっとも、そのせいで「即死級の攻撃を受けているはずなのに緊迫感がない」というデメリットも大きくなってきていて、歴史再現というルールの曖昧さとあいまって、作品全体がすごい大がかりな演劇をやってるような印象になってしまっているっつーのもありますが
 シリアスにバタバタ人が死んでいくほうがいいとは言いませんけど、事実として少なくない数の人死にが出ているだけに、もうちょっと戦闘と日常のメリハリをつけてくれないと、終盤に向けてダレそうな気がするようなしないような。
 以下雑感。

・今回も面白いなーと思ってたら、100ページ付近で視点が武蔵勢から真田勢に移ったところで自分でも驚くくらいテンションが下がりました。なんていうかその……この作品ってマジで敵に魅力がないですね……(´д`)どこもかしこも戦力の温存温存って、もう聖譜記述とか無視してるに等しいと思うんだけどなー。戦争のルールが分からないから結果を見て楽しむしかないのは辛いです。有り体に言うと、敵がセコい。

・で、その最たる例が羽柴っつーのは、もー毎回言ってますねコレ。最初に羽柴と六護式仏蘭西が激突したとき、「六護式仏蘭西の新戦術に完敗したけど聖譜顕装のおかげで戦力は減ってませーん! 新人育成という目的も達して万々歳でーす!」というのを見て「あーあ、羽柴は相変わらずセコいなあ」としか思えないです。羽柴勢って、いっつも後出しジャンケンしてる印象なんですけど、コレどうにかならんのかなー。そのせいで羽柴をまったく好きになれないから、日常パートもウザく感じてしまうし、あの「武蔵のライバルのコイツらも普段は和気藹々と楽しくやってますよー」アピールはいい加減お腹いっぱいです。既存キャラもロクに覚えてないのに、どんどん新しい敵出てくるしさー。勘弁してください。

・ただまあ、そうは言いつつも、羽柴勢はキャラの外見や性格や立ち位置が頭の中に入ってきたので、受け容れられるようになってきたんですよね。問題は、真田勢。真田って4巻でもずーーーーーっとウザかったせいで、もう完全に「ホライゾンにおけるウザキャラ視点代表」みたいになっちゃいました。いやね、作中でそういう役割を与えられてるのは分かりますし、今後の歴史において重要なポジションを担う〝真田〟だから出番が多くなるのも分かるんですけど、こーいう僻み&妬みっぽい連中に延々と出張り続けられるとイライラしてどうしようもないです。今回はガッツリ相対して、セコイ手を使ったにも関わらず負けて、なのに歴史再現という設定上トドメは刺せずに撤退を許すっていうのが、僕はすごくストレスを感じました。某『碧の軌跡』とかのファルコムゲーみたいな、「戦闘には勝ったけど、ストーリーの流れ上、負けたことになる」と同じイライラですよコレ。

・このへんのストレスが、相手を倒したときのカタルシスを上回りつつあるのがヤバイ。ホント、真田にはさっさと敵役から退いてもらって、魅力のある適役と相対しないとヤバイねー。

 と、なんかいちゃもんばかりつけてますが、面白かったことは面白かったですということで。
 以下、今回吹いたポイント。

「最近、点蔵様はおちんこでてることがなくなりましたので」
「宗茂様! 宗茂様!」
「セックスに御座る」
「保険金かけてない人いないよね!?」


 鉄板ネタある人らは強いなー。
 あとなんか恋愛面がかなり強化されてきて、ネイトはすでにかなり受け容れ模様ですが、それと対比するように描かれるアサマチの悶々ぶりがすごい……その……よかった。元々、『ホライゾン』で一二を争うくらい好きなキャラだっただけに、ここでメインヒロイン扱いですかよ!? みたいな驚きと喜びが渾然一体となった感情がこみ上げてきております。
 結論としてはネイトママン自重ということで一つ。


【ラノベ】憑物語

2012-10-19 | ライトノベル
憑物語 憑物語
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-09-27

 読了。

 ついに始まった『物語』シリーズのファイナルシーズン。おそらく西尾維新さんは書こうと思えばいくらでも書けるんでしょうけど、さすがにこれ以上引っ張るのは(読者的に)辛くなってきたので、今回の「100%終焉に向かう小説です」という謳い文句は信じたいですね。僕は西尾さんの他作品は読んでいないので、『物語』シリーズの切れ目が縁の切れ目みたいになりそうですが。
 さておき、『憑物語』は面白かったです。なんていうか、原点回帰というほど大仰ではないんですけど、シリーズ初期のノリそのまんまだなあ、という印象を受けました。序盤~中盤をキャラクター同士のたわいもないやり取りで埋めつつ、散々思わせぶりに引っ張った挙げ句、オチの最終決戦にアッサリとケリがついてしまうあたりは、まさにそんな感じ。このへんは、僕が『物語』シリーズにハマった理由でもあるので、そういう意味でも楽しめました。
 物語の大まかな流れは、

・暦が月火と風呂に入る
・その最中に自分の姿が鏡に映っていないと気づく
・原因究明に乗り出し、斧乃木、影縫に会う
・吸血鬼になってしまった暦は元に戻れないと宣告される
・神原と火燐と月火の三人が、不死の怪異殺しにさらわれる
・救出に向かった先では……?

 という感じで、改めて整理してみると、よくもまあこれだけで300ページ近くも引っ張れるものだと感心しました。
 それは逆に言うと、もっと短くまとめられるということでもあり、会話で引き延ばしているにも関わらずダレることなく読めるのがスゴイということでもあるんですが。とりあえず、月火ちゃんとの入浴が一番深く記憶に刻まれているということだけは先に宣言しておきます(するな)。
 つーか、ちょっと前の感想でも書いた気がしますけど、月火ちゃんの台詞がいちいち井口さんの声で再生されて困ってしまうのだわ。ハマり役といえばこれ以上のハマり役もないなあというわけで、そうして考えてみると井口さんはハマり役に恵まれるというか、役のほうから井口さんに向かってきているような印象すら受けてしまうのが不思議です。
 ともあれ、八九寺がいなくなったことで、僕内部のキャラランキングぶっちぎりのナンバーワンを突っ走る月火ちゃんですが、暦が鏡に自分が映っていないことを誤魔化そうとしたときの「わかった。いいよ、お兄ちゃん」がアホすぎてどうしようもねえ。受け容れちゃったー! みたいな。唐突にチョロさを覗かせるのがタマらなく面白いんだよなー。こういうの大好き。
 他に印象に残っているのは、暦に降りかかる災難(作中では自業自得と言われてたけど)がワリとシリアスで驚いたというのと、斧乃木ちゃんが距離を取らずに阿良々木家に居座ることになったというオチでしょうか。
 前者に関しては、(果たしてどこまでアテになるか分からないですが)『花物語』内で車を運転している暦が描写されていたので、このあと何らかのご都合主義的解決が図られるんじゃないかなと思っております。だって運転免許取るためには、写真を撮らないといけないですからね。今回は、受験票の写真はすでに撮ってある、という形でミスリードしていましたが、あれはおそらく「将来的には写真が撮れるような状態に回復(?)する」というのを示しているんじゃないかと。
 後者に関しては、忍野扇好き勝手やりすぎやろーみたいに思っていた読者の溜飲を下げる、冴えた解決方法だったと思います。ここまで全てが扇の思惑通りに運んでいただけに、「それがどうした」と言わんばかりの対抗手段を打ち出すのはカタルシスがあって面白かったなー。問題は、ここまで露骨に扇が黒幕と示されていると、裏をかかれそうな気がするということでしょうか。さすがに更なる黒幕が登場するとは思えないですが。
 あ、あと、何気ない書かれ方でしたけど、「忍野を見つけ出すことが最後のキー」という展開には背筋がゾクリと。羽川が忍野を探しているという部分にも繋がりますし、物語が収束していく形が目の前に提示されて、めっちゃ気分が盛り上がります。

 つーわけで、続きが楽しみですということで一つ。
 しかし、正弦は出てきたと思ったらすぐに死んでしまったな……。可哀想と思うほどの掘り下げもなかったというか。貝木の死にも驚かされましたが、年齢高めのキャラはコロッと逝ってしまうよなー、この作品。 


【ラノベ】魔弾の王と戦姫 5

2012-10-17 | ライトノベル
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J) 魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2012-08-23

 読了。

 ゲームの発売などが重なって珍しく積んでしまったのだわー。つーわけで、発売から随分間が空きましたが、『魔弾の王と戦姫』の第一部の幕引きとなる第5巻です。
 今回も面白かった! ……んですが、誤解を恐れずに言うと、やはり序盤のワクワクする感じはだいぶ薄くなってました。
 や、こうした戦記モノの場合(一概にそうとは言い切れませんが)、物語が進んで佳境に差しかかるにつれ、「この先どうなるんだろう」という未知への好奇心をそそる展開にはなりにくいというか、予定調和の元に収束していくのが当然といえば当然なので、致し方ない部分だとは思うんですが、それが上記したワクワク感が薄まってしまった理由っつーのも明らかなんですよね。
 というのも、川口さんご自身があとがきで第一部の完結を謳っておられるように、この作品は1巻から5巻でブリューヌの内乱が解決するまでを描いたわけですが、ぶっちゃけテナルディエとガヌロンの二人とは何らかの決着をつけないと、ティグル(ひいては『魔弾の王と戦姫』という作品)は一歩も前に進めない状態だったわけです。
 これって見方を変えると「足踏みをしている」状況なんですよね。で、そういった膠着状態がラノベ5冊分に渡って続いていたので、僕としては「早く決着つけて次の展開に移ってくれないかなあ」と思ってしまうところもあって、5巻に関しては面白かったとか楽しめたとかという以前に、「やっと終わった! よし早く次!」みたいな失礼な感想が思い浮かんでしまうというわけでした。
 以下雑感。

戦況が切羽詰まっていたせいなのか、5巻はティグルとヒロインたちのイチャついてるシーンが全体から浮いてた印象が。場にそぐわないと言うつもりはないですが、エレンやリム、ミラあたりの照れ描写や嫉妬描写がとってつけたように見えてしまったなあ。決して嫉妬じゃないですよ

・んで、それはきっと男キャラがいい味出し過ぎてるせいに違いないという結論に至る。ルーリックとジェラールは言うまでもなく、マスハスとバートランの老兵コンビがかっこよすぎました。特にバートランが死に行くシーンは作品通じて屈指の名シーンだと思います。ベタだけど、主人公を長いこと見守っていた人物が、こういう形で別れることになるっていうのはグッときました。そう、『銀河戦国群雄伝ライ』の狼刃将軍のように……(レアすぎて伝わらないであろう例え)。

・テナルディエが戦姫と渡り合えるほど強いのはワロタ。年齢考えると恐ろしいというか、竜をあっさり倒してしまう存在と互角ってすごい人間やな。あと、何気ない描写なんですが、トンデモナイ強さだったロランが奸計でやられちゃったり、テナルディエの腹心が崩落に巻き込まれて死んじゃったりと、武勇を誇るキャラが戦闘以外で命を落としていくっつーのは妙にリアルだなと。こういうさじ加減は好きです。

・巻が進むごとにティグルの強さが凄まじいことになってる気が。今回は戦姫との合体技なしで一騎打ちまでこなしてしまったし、銃と魔法(竜具はべつとして)のない世界では弓の名手ってチートくさい存在ですね。ただまあ、毎回「劣勢だけどティグルが敵の旗と指揮官をブチ抜いて盛り返す!」の繰り返しだったので、そのへんのバリエーションに今後は期待したいです。対応策を練ってくる相手も増えてくるだろうしなー。

・どうでもいい話、今回表紙を飾ったヴァレンティナの外見はツボでした。特にヘソのあたりの陰影のつけ方が、余った肉を感じさせてイイですよね!←

・上にも書いたように、次から新展開ってことで楽しみです。ブリューヌ国内では英雄扱いされているティグルだけど、半年で情勢がどんなふうに変わったのかも気になりますし、エレンとリムに対して何回くらいラッキースケベを発動したのかも気になるところ。ミラはなんだかんだと理由をつけてライトメリッツを訪れたりしてるのかなー。

 つーわけで、次巻以降に期待大ですというということで一つ。


【ラノベ】ロウきゅーぶ! 11

2012-10-11 | ライトノベル
ロウきゅーぶ! (11) (電撃文庫) ロウきゅーぶ! (11) (電撃文庫)
価格:¥ 578(税込)
発売日:2012-10-10

 読了。

 これはロリコンラノベではなく、スポコンラノベである!(断言)

 つーわけで、『ロウきゅーぶ!』の最新巻です。〝いかにも〟な表紙絵等で誤解されがちな作品ではありますが、キャラクターは立っているし、物語のプロットもカッチリしているし、密度の濃い良ラノベというのは相変わらずでした。
 今回の11巻は、10巻の引きを受け、メンバーが足りないせいで公式大会に出られない智花たち女バスのため、真帆の親父さんが自ら主催する大会を開催するという注目の内容。
 コレ単体でも十二分に盛り上がる要素満載だというのに、そこに昴の誕生日ネタが絡んできたり、最後にはまさかの展開が待ち受けていたりと、ファンにとっては最高に盛り上がる一冊だったことは間違いないと思います。
 以下雑感。

・まず最初に、ついに慧心女子バスケ部が10人揃い、公式戦への出場が可能になったという事実に触れないわけにはいかないでしょう。ぶっちゃけ、五年生組が合流するというのはわかりきっていたというか、予定調和的な展開なんですけど、そうした予定調和をここまで盛り上がる内容に仕立て上げるのがスゲエと思います。蒼山サグさんの実力というか、自力を見せつけられた感じでした。これまですごく丁寧に展開を積み上げてきたからこそ、一気に伏線を回収した11巻が盛り上がるんですよね。個人的に、こういう作品と作家さんには、めちゃくちゃ好感を抱けます。いやあ、単なるロリコンじゃないね!

・つーか、全体を通してみると、昴の誕生日とバスケ大会という二つの大イベントをキッチリ描ききったのはすごいですね。しかもページ数はこれまでよりもむしろ少ないくらいなので、繰り返しになりますが密度が濃いです。身も蓋もない言い方をすると、ページ数を増やすのはさほど難しくないので(ダラダラと日常のやり取りで水増しすればいい)、こういうふうに過不足なく書けるっつーのは筆力があるんだろうなあ、と。

・そして、慧心女バスの六年生だけでも五人いるのに、全てのキャラにまんべんなくスポットライトを当てて見せ場を作れているのもスゲエ。唯一……誕生会からハブられた葵に哀れを感じずにはいられませんが……まあテーマが小学生だからしょうがないよね! もし誕生会に葵が参加したら、小学生たちとのスキンシップのたびに昴を殴って話が進まないでしょうし。←損な役割を押しつけられてるよなあ

・六年生と五年生の対戦は、これまで以上にバスケ描写に力が入っていたと思います。意地の悪いツッコミをすると、いくら葵が優れた戦略家だとしても、智花と覚醒した愛莉がチームにいるというだけで、一時的にとはいえ六年生が五年生にリードを許すとは考えにくいんですけどね。このへんはやりすぎるとインフレしちゃうし、今回みたいに拮抗させると智花の能力に疑問符がつくので、なかなか難しいさじ加減だと思いますけど、同じチームになるというのを踏まえてこういう形にしたんだろうなー。まあ、許容できるご都合主義の範囲なので殊更にアレコレ言うつもりはないです。

・同様に、最終的にポッと出のキャラの影響で竹中姉妹がバスケ部入りを決意するというのはかなりご都合主義だったかなと。キャラ設定も「硯谷の一時的に退部していた難アリ」といういかにも後付けくさいものだったので、こっちはかなり甘めに見ないと許容するのは難しいかも。どうにかして竹中姉妹をチームに合流させなければならなかったので、苦肉の策なんでしょうけど、もうちょっと角の立たない加入方法は考えられなかったのかなー。読者目線だと竹中姉妹に好感を抱きにくいということもあり、ちょっと可哀想な気も。このへんは作中における葵の扱いに通ずるものを感じました。他のキャラの引き立て役というか、汚れ役を一手に担う、みたいな。

・そんな見所が沢山ある一冊でしたけど、やっぱ僕は愛莉の成長に一番グッときました。あの愛莉が素晴らしいプレイヤーに成長し、なおかつ似たような境遇にある下級生を導いてみせるとはなあ……。感慨深すぎるわー。涙を抑えきれない万里の気持ち、わかるぜ!

・あとやんばるのバニーにもグッときました。てぃんくるさんの挿絵で初めていいと思ったかもしれんわ。アレ。

 と、こんな感じで。
 しかし、昴がどんどん壊れてるというか、蒼山さんを投影した存在に近づいているのは間違いないようで、

16P
ああ、たまらない。ノー小学生、ノーライフ。

29P
今度は一転してこちらがきょとんと返事をすると、突然真帆が全速力で走ってきて、真っ正面から俺の身体に飛びついた。その勢いで真帆の額から跳ねた汗が口の中に入ってしまい、一流料亭のお吸い物もかくやという絶妙な塩加減が俺の舌を刺激する。

79P
だからこそ、悔いのないように。誠心誠意を、全身全霊を小学生に捧げて生きていこうと、俺は誓わずにはいられないのだった。

88P
~うどんの生地にも小学生の天使性が伝導したのではないか。
~俺は敢えて断言したい。うどんは、小学生に限ると。

192P
この期に及んで、思い知らされる。次々と技術を吸収し、めまぐるしく成長を続ける五年生もまた、智花たちと同じ至高の存在――小学生なのだと。


 軽く抜き出しただけで、これだけのロリコン思考を繰り返しているのは、もはや言い訳がきかないと思います。ハイ。
 つーかこういうのっていきすぎるとクドくなるので、今くらいのレベルに留めてくれると個人的にはありがたいですね。あまりにも狙ったギャグがスベるのと同じで、小学生礼賛はいきすぎると笑えない要素なので。
 とはいえ、今回もとても楽しめましたということで一つ。