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ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【ラノベ】はたらく魔王さま! 1

2013-04-23 | ライトノベル
はたらく魔王さま!: 1 (電撃文庫) はたらく魔王さま!: 1 (電撃文庫)
価格:(税込)
発売日:2013-03-28

 読了。

 新しく始まったアニメを見てめちゃくちゃ面白かったので、即原作に手を出すという、三ヶ月に一度ブチ当たるパターンです。
 実は作品の概要だけは知っていたんですが、表紙から漂う『俺妹』臭さがどうしても受け付けずスルーしていたという経緯があったりなかったり。改めて見てみるとさほど似ているわけでもないですし、思い込みってのは恐ろしいものだとしみじみしました。

 で、実際に原作を読んでみたところ、内容はアニメとほぼ同じなので面白いのは間違いないです。アニメを見て気に入った僕みたいな人なら、少なくとも話の内容を退屈に感じたりはしないと思います。某『まおゆう』からこっち、魔王と勇者をモチーフにしたラノベが腐るほど生まれましたが、それらとは一線を画す面白さですね。
 まず第一に、細かい設定まで意外とよく考えられていて、安直なテンプレに一捻り加えてあるところに好感が持てました。主要人物たちがファンタジー世界の住人だという根幹にある設定も無駄になっていませんし、発想だけで書き始めたわけではなく、しっかりとプロットが考えられているように感じます。
 そして何より、登場人物たちが非常に魅力的なのが僕としては最高に気に入りました
 この作品には、鈍感すぎてイライラする主人公も、ツンデレを暴力の言い訳に用いるヒロインも(エミリアの場合は魔王が仇敵という理由があるし、理不尽な暴力はふるっていない)、面白がって状況を面倒くさくするトラブルメイカーも存在しないので、読んでいてゲンナリすることがありません。そしてちーちゃんはスゲェ可愛い
 だからといってコメディ色が薄まっているわけではないですし、しっかりと一人一人のキャラクターが立っているため、登場人物が増えても個性が埋没しないのは素晴らしいです。ラノベでは「キャラクターに個性を持たせる=過度な言動をとらせる」という安直な作りになっている作品が珍しくないですが、『はたらく魔王さま!』では過度な言動を用いずしっかりとキャラクターを描写できているあたりに、作家さんの非凡なセンスを感じました。

 ただ、欠点がないかというとそんなこともなくて、正直ちょっと文章が読みにくいですよね……
 なんていうか、初期の『ハイスクールD×D』みたいな「ザ・ネット小説レベル!」みたいな文章とはまた違う読みづらさがあるんですよね。僕は先にアニメを見ていたので情景などをイメージしやすかったですけど、ぶっちゃけ順番が逆だったらもっと読むのに苦労したと思います。
 や、この作品って基本的に三人称ですけど、三人称で文章を書く場合にも主体を決めて書いたほうが、読者には伝わりやすいハズなんですよ。なのに、『はたらく魔王さま!』ってシーンの初めは魔王主体だった文章が、最後はちーちゃん主体になっていたりするので、読んでいてすごく戸惑うんですよね
 あと、物語の構成なども少し甘くて、導入はアニメの1話のようにバーンと戦闘シーンなどを挿入したほうがキャッチーだったと思うんですけど、原作ではアパートでのやり取りから物語が始まり、エンテ・イスラでの出来事などは淡々と回想の説明だけで済ましてしまうのが、ものすごく勿体ないと思いました。元魔王がみすぼらしい清貧な生活を送っているというギャップは、この作品の重要なポイントなのに、原作では「元魔王」の部分を印象付けることに失敗しているんだよなあ……。

 そんな感じで、結論としては、「すごく面白い作品だけど、文章と構成が足を引っ張っているせいで面白さが100%伝わらない。けれど、アニメのほうは100%伝わる素晴らしい出来なので、アニメスタッフさんに恵まれてよかった」みたいな感想になります(^q^)
 ホント、ここまで長所と短所がハッキリ出ている作品には久しぶりに出会いました。これがデビュー作らしいですけど、受賞した理由がよーくわかりますね。すごく将来有望な作家さんだと思います。
 余談ですけど、電撃大賞みたいな文学大賞って、大賞受賞作より銀賞とか奨励賞を取った作品のほうが面白いことが多くて、そのあとも息が長くなったりするんですよね。『ウィザーズブレイン』しかり『狼と香辛料』しかり、ぶっちゃけこっちに大賞あげちゃっていいと思うけどなーw
 つーことで、最後は関係ない話でしたが、続きも読みますってことで一つ。


【ラノベ】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2

2013-04-19 | ライトノベル
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2 (GA文庫) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2 (GA文庫)
価格:(税込)
発売日:2013-04-11

 読了。

 1巻の面白さはそのまま、着々と物語が進行します。
 これは定番入り決定。以下雑感。

・相変わらず神様が可愛い。ベルのために身を粉にして働く姿(とか書くとヒモっぽいけど実際は互助関係)に、古式ゆかしいメインヒロインのオーラを感じる。あと何気に、心配するエイナと対比させて「大丈夫、ベル君の人を見る目は確かなのさ」と言わせるのが実に上手い。こういう信頼関係の上に成り立つ台詞が大好物なので。

・で、そのエイナは1巻に比べるとかなり出番も増え、ぐいぐいとヒロイン戦線に食い込んできているのが面白かった。すでにかなり意識している様子が描写されているので、本格的に自分の気持ちに気づくのも時間の問題っぽいが、最初にベルに買い与えた装備が何度も戦闘で役立っていたり、エルフのコネを活かして情報収集してみたりと、物語における重要なファクターを担うキャラだというのも見逃せない要素。この調子だと、近々エイナメインのエピソードが本筋で語られそうなので、そのときにどういう立場になるのか見物かなと。友人は「事務作業などをこなす便利屋として主人公と同じファミリアに所属すりょうになるのではないか」と予想してました。どうかなー。

・ベルの懸想の相手であるアイズは、今回はあらゆる面倒を押しつけられたような格好になっていたのが少し可哀想。ただ、こういうすれ違いが起こっているからこそ成り立つストーリーであるというのも事実なので、3巻以降でどういうふうに立ち回るのかは非常に気になるところ。アイズのほうもベルを意識しているというか、勘違いが大半を占めているとはいえしっかりと認識しているので、ベルとアイズの対面がどのように描かれるのかというのは、この物語におけるターニングポイントになるかも。

・ヒロインたちの話しか書いてないので、メインストーリーにも触れておくと、2巻はわりと賛否両論分かれそうなテーマを扱っていると思う。1巻も含め、冒険者が単身でダンジョンに潜るのは珍しいという布石を散々打ってきたので、ここでサポート役にスポットを当てるのはタイミング的にはベスト。ただ、どんなに悲惨な過去があろうが、リリのこれまでやってきたことと、ベルに対して行ったことはシャレにならないので、これを受け容れられるかどうかというのは各人の感性に委ねられるんじゃないかなと。個人的には、難しいテーマ(と難しいキャラ)を上手く物語に組み込んだなーという感じ。さじ加減を測るのが下手な作家さんだったら、おそらくリリは許し難いキャラクターになっていたと思うので、そこまで嫌悪感を抱かずに済んだのは、やはり作り手の手腕というものが大きいのではないかなと。

・このへんの具体例としては、ヘスティアのナイフを紛失する流れが挙げられると思う。あそこでリリがナイフを盗んだことで、ベルが慌てたり落ち込んだりするエピソードを長々と続けたりせず、知り合いがアッサリと取り返してしまうという形にしたことにより、ちょっとしたコメディ色が加味されて、「実際にやってることはシャレにならんけど、受ける印象はさほど酷くない」という、ちょうどいい落としどころに収まっているのはお見事。また、このエピソードによって、謎の酒場の連中が得体の知れない能力を持っているというのが際立つため、(おそらく)今後に向けての伏線にもなっているあたり、すごく抜け目がないと思った。

・どうでもいい話、最後の挿絵のリリは怖い。某『シュタインズゲート』でまゆりを突き落としたときの綯みたいで、軽くホラー入ってるのはどうしてなんだろう……。ちゅうか、イラスト担当のヤスダスズヒトさんの絵柄って、表紙やカラー挿絵のキャラクターはすごく可愛らしいのに、モノクロになると物騒な印象が強くなりますよね。いや、神様の絵だけは常に可愛いですけど。

 つーわけで、3巻の発売が楽しみですってことで一つ。
 限定版には短編集がつくらしいので、これは限定版一択だなあ。


【ラノベ】学戦都市アスタリスク 02.銀綺覚醒

2013-04-13 | ライトノベル
学戦都市アスタリスク 02 銀綺覚醒 (MF文庫J) 学戦都市アスタリスク 02 銀綺覚醒 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2013-01-24

 読了。

 丁寧に作り込まれた設定により、広大な世界観を読者に披露しつつ、うまく土台を固めた1巻が印象的だった作品の続刊。
 2巻では新ヒロインの刀堂綺凜が登場し、星導館の序列一位でもある彼女を中心に物語が展開していきます。

 んでまあ、結論から言うとそこそこ面白かったかなと。
 2巻でも1巻のときに感心した丁寧な作り込みは健在ですし、一般社会における《星脈世代》たちの立場を、綺凜という新ヒロインの置かれた境遇と絡めながら説明する手腕は流石だと思いました。
 他にも、学戦都市以外の場所における《星脈世代》たちの扱いや、各学戦都市の相互関係など、読者が疑問を抱きそうな箇所にはしっかり説明が加えられるため、独特な造語が沢山あるわりには理解しやすいです。
 登場人物たちも、悪役はともかく、メインキャラクターたちは好感の持てる性格のは1巻と同様で、「悪いことをしたら謝る」、「誤解して暴走したらフォローを入れる」などの行動が徹底されているので、読んでいてストレスを感じません。
 ……ただ、それらの、いわゆる「優等生的な要素」が、あまり面白さに繋がっていないんじゃないかなーというのが、2巻を読んでいて僕がもっとも強く感じたことでした
 ぶっちゃけ、できていない作品が圧倒的に多いせいで、できていることが貴重に思えてしまいますけど、『アスタリスク』の丁寧な作品作りというのは、本来すべての作品がやってしかるべきことだと思うのですよ。
 なので、それ〝だけ〟がウリになってしまうと少し弱いです。また、登場人物たちが優等生なのも個人的には好みなんですけど、それゆえにちょっとしたゴタゴタがすぐに収まってしまうため、もう少しやり取りを捻らないと印象に残りづらくなるというのも事実だと思います。
 このへんのメリハリのつけ方は、3巻以降に期待という感じでしょうか。今のままだと、丁寧なだけでインパクトの弱い作品、という位置づけになってしまうかもしれませんので。
 以下雑感。

・とはいえ、これだけ一気にキャラクターが増えたにも関わらず、それぞれが埋没することなくキャラ立てが成功しているのは、やはり作りの丁寧さの成果だと思う。この路線は是非とも継続して頂きたい。ちなみに、新ヒロインの綺凜は、キャラデザ、性格などすべての要素が「ホラ可愛いでしょ!」みたいな押しつけがましさを感じてしまい、個人的にはそれほどツボではなかった。いじらしさの描写とかが、わざとらしすぎるのかなー。

・本筋のストーリーに関しては、あとがきで「まだ風呂敷を広げている最中」とあるように、2巻まで進んでも未だ導入編という感じ。でも綾斗の能力が、今の段階ですでに頭打ちというか、底が見えてしまっているような描写になっているので、ここからどう持っていくつもりなのか期待半分、不安半分といったところ。主人公補正的な覚醒があれば、いくらでも強くすることはできるのだが、それだとあまりに安易なので。

・しかしこう、主人公とメインヒロインがタッグを組んでしまうと、他のヒロインたちは余り物同士で組まされることになりがちなのに、紗夜と綺凜のコンビにはネガティブな要素がなくて新鮮だったなあ。紗夜が綾斗とのタッグを諦めるくだりも、しっかりと自分の意思を表明する綾斗は男らしいし、それですんなり引き下がる紗夜もドロドロしていなくて微笑ましい。

・で、今回、唯一引っかかったのは、綺凜が叔父と決別する流れの唐突さ。経緯はしっかりと描写されているので納得できないわけではないんだけど、250ページ以降の綺凜の叔父への対応が、それまでとは180度違うので、あそこはもう少し丁寧に描いてもよかったかも。

 つーわけで、続きは買いますが、3巻ではもう一工夫を見せてくれると嬉しいですということで一つ。


【雑記】心よりご冥福を

2013-04-11 | ライトノベル

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/20130411/index.html


 ツイッターで情報を目にしたとき、ふっと足下が抜けるような感じでした。
 いちファンにすぎない僕がこんな様子ですから、近しい方々の悲しみは計り知れないものだと思います。
 振り返ってみれば、初めて出会った腹を抱えて笑えるエロゲはヤマグチノボルさんの手によるものでしたし、いまや揺るぎないラノベレーベルとなったMF文庫Jの礎を築かれたのもヤマグチノボルさんの『ゼロの使い魔』でした。
 作品そのものから滲み出る雰囲気や、テンポの良いあとがきの語り口などから感じられる人柄も含めてファンになれる作家さんは珍しいですが、ヤマグチノボルさんはそういう方です。
 そして、そういう方だからこそ、各所で目にする「ノボルはハルケギニアに旅立ったか」というコメントからは不謹慎さが感じられず、きっと亡くなってからも楽しそうに過ごしているんだろうなあ、と考えられるのだと思います。

 沢山の楽しい作品を、どうもありがとうございました。

 心よりご冥福を。


【ラノベ】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

2013-03-31 | ライトノベル
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)
価格:(税込)
発売日:2013-03-14

 読了。

 本屋で見かけたときに気になっていたんですが、「最近は長口上タイトルのラノベがあまりに多くて辟易としている」、「しかもそういうラノベは大抵がつまらない」、「そもそもGA文庫の作品をこれまで一度も面白いと感じたことがない」等々の理由によりスルーしていたんですが、友人に薦められたので金をドブに捨てるつもりで読んでみました。

 そしたら、もー、大当たり!

 すごく面白いです、この作品。面白いというより、読んでいて楽しい、と言ったほうが適切かもしれません。
 こんなに嬉しい方向で意表を突かれたのは久しぶりでした。たまにこういうことがあるから侮れないんだよな、ライトノベル! 教えてくれた友人と、何よりも素晴らしい作品を生み出してくれた作者様と編集様に感謝を。
 以下雑感。

・ざっくり言うと某『ぱすちゃ』みたいな設定で、ダンジョンに潜ることを生業にする冒険者たちを描くファンタジー作品だが、いかにもゲーム的な「レベル」や「ステータス」の概念が存在する一方で、そうした「レベル」や「ステータス」を「どのようにしてリアリティに沿わせるか」という工夫が随所に見られることに感心しきり。現代日本人と似た価値観を持つ「神」と、その祝福を受けることで魔物と闘う術を得た「人間」の関係性を「ファミリア」という形で表現するのは実に面白いし、そうした固有の設定を主人公であるベルやヒロインのヘスティアというメインキャラクターを動かすことで読者に対して説明する手腕は素直にスゴイと思う。大半のラノベは設定を説明するときに、だらだらとキャラに喋らせるだけになってしまうので、こういうふうにキチンと物語に折り込んで設定の説明ができる作品は、それだけで一目置いてしまう感じ。

・で、いきなり最底辺から始まる物語ということで、俺TUEE系の一形態である「成り上がり系」として楽しめるハズ。もっとも、現段階ではベルが得た能力(早熟スキル)というのが降って沸いたものでしかないため、ご都合主義とか主人公補正と言われると反論のしようがないが、そのへんの突っ込みどころはキャラクターたちが好感を持てるタイプなので個人的にはスルーできるかなーと。

・ちゅうか、僕にとってはここが一番のポイントで、やっぱラノベはキャラがよくないとダメだし、キャラさえよければある程度はなんとかなるんだなと再確認できた。とにかく、ベルやヘスティアがいいやつで読んでてニヤニヤしてしまう。ベルは無謀は無謀だけど他人の足を引っ張ったりするタイプではないから頑張り屋として受け止められるし、ヘスティアも他の神の台詞でダメ神様というのが明らかになったけどベルへの想いの真剣さは伝わるように描写されているし、ホントこれがデビュー作とは思えないほどキャラを描くのが巧みでビックリ。

ちゅうか、神様可愛いよ! べつにロリ巨乳だからというわけではなく、口調から性格からなにからなにまでツボなので参るというか。べつにロリ巨乳だからというわけではなく(二回言う)。

 というわけで、続きがひっじょーに待ち遠しいです。早速2巻も購入済みさ!
 1巻は導入に過ぎなかったという印象なので、ここからどういうふうに物語が展開していくのか楽しみですということで一つ。