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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

スミレ類

2019-05-25 04:41:40 | 春の花
タチツボスミレ以外のスミレは出会う頻度がぐっと少ない。マルバスミレとツボスミレは林の下に咲く。マルバスミレは平地にはあまりない。名前の通り葉が丸みを帯びており、純白の花は花びらが大きく、実に美しい。ツボスミレは平地でもよくあり、やや湿った場所を好む。花は小さく目立たないが、よく見ると白地に紫の筋があり、なかなか美しい。

 スミレとノジスミレは直射日光が当たる明るい場所に生え、林の下にはないため玉川上水には多くない。むしろ玉川上水を離れた空き地などで見かけるほうが多い。どちらも濃い紫色の花をつけ、葉は細長くて、他のスミレ類とは全く違う。花の側弁にスミレでは毛があるが、ノジスミレにはない。ノジスミレは市街地の道路にもある。


「すみれの花咲く頃~♪」いよいよ春本番、心がウキウキしてきます。スミレにも多くの種類がある事を知りました。松尾芭蕉の句に「山路来て何やらゆかし菫草」とありますが、玉川上水沿いや、注意してみると石垣の隙間など街中でもスミレ類を見ることができました。さて芭蕉のみたスミレは?
小島基男


マルバスミレ


マルバスミレ花側面


マルバスミレの葉


マルバスミレ



ツボスミレ


ツボスミレ花側面


ツボスミレ葉


ツボスミレ



スミレ

   
   スミレの花

   
   側面


スミレ



ノジスミレ

「これがノジスミレです」
観察会の時に高槻先生が指さしたのは集合場所である一橋学園駅から南に少し行ったところの電柱の根元。ツメクサなどと一緒に咲いていた。日当たりの良い乾いた土が好きで、100種類以上あるというスミレのなかではたくましい印象を受ける。
辻 京子


ノジスミレ

タチツボスミレ

2019-05-25 04:40:15 | 春の花
タチツボスミレ

玉川上水には高尾山などに比べるとスミレの種類は少ない。このタチツボスミレの他はツボスミレ、ノジスミレ、マルバスミレなどがあるくらいで、ほかには外来のアメリカスミレサイシンなどが見られる程度だ。その中でもタチツボスミレはいたることろにあり、これほどまとまった群落を作るスミレは他にない。ありふれた花ではあるが、そのきれいさは一流といって間違いなく、淡い紫色、花の中心部の白、雌しべのオレンジ色が絶妙の組み合わせとなっている。「スミレ」というスミレもあるが、玉川上水にはほとんどない。スミレの花は濃紫色だが、すみれ色というとタチツボスミレの淡紫色をイメージする人が多いようだ。タチツボスミレの葉はハート形で葉面が巻いている。茎の付け根にある托葉は櫛の歯のように切れ込む。花が終わってから「閉鎖花」と呼ばれる花が伸びてくる。これは受粉をしないで果実を作る花で、スミレやタデなどで見られる繁殖様式だ。

群落










タチツボスミレ 花


タチツボスミレ 花側面



がく

托葉

閉鎖花

閉鎖花

毎年森林インストラクター東京会の方の案内で高尾山のスミレを見に行くのを楽しみにしています。高尾山にはたくさんの種類のスミレがありますが、タチツボスミレは玉川上水沿いでもよく見られるのが嬉しいです。特に井の頭恩賜公園で群生している姿に「春たけなわ」を感じます。
小島 基男

スミレと言えば越路吹雪の「すみれの花咲く頃」を最初に思い起こします。ビギナーとして調査を始めてみると多種類の可憐なスミレを見つけることができました。タチツボスミレは連なって咲いていました。♪♪ミレドミ ソー ラー ラー シッーソ ミー♪♪
松山景二


タチツボスミレ

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スミレ


ノジスミレ


ツボスミレ


マルバスミレ


セリバヒエンソウ

2019-05-25 03:56:47 | 春の花
ヒエンソウとは「飛燕」であり、花の形が鳥が翼を広げたようすと連想したものらしい。日本の植物ではなく花屋で「デルフィニウム」と呼んで見かけることがあるが、確かに花びらが左右に開き、オダマキなどにもある筒状に伸びた「距」と呼ばれる構造が鳥の尾翼を想わせ、なかなか気の利いた命名だと思う。セリバヒエンソウはそのヒエンソウに似ていて葉がセリの葉に似ているということであろう。確かに細かく刻み込まれた葉はセリなどと似ている。花の色は上品な薄紫で、初めて見た時は日本の野草だと思ったが、外来種だ。原産地は中国で、明治時代に関東地方に入ってきたという。
 花マップの調査では全体の20%程度の区画に見られ、全体に「薄く広く」確認されている。小さな種子をたくさんつけて広がる1年草なので、きれいではあるが、拡大されるのは困りものだ。


セリバヒエンソウ 花

「今まで知らなかった花なので花マップ調査の時、玉川上水沿いにひっそりと咲いているのを見つけた時には嬉しかったです。高尾山の林縁にもありましたが
東アジア南部から帰化したのだと知り、向こうへ行って咲いている姿を見たくなりました。」
佐久間

 「里山には不似合い」と片端から抜かれてしまう君。でも見つからずにひっそりと薄紫色に楚々と咲いている。「よかったね」と私は話しかける。 
長峰トモイ

 河川敷の日陰や林道沿いに目立つ淡青色の花の色合以上に、可憐な花の形に目を奪われる。蜜の製造工場という長い距(きょ)をツバメの尾に見立てた先人の感性は素晴らしい。外来種ゆえに、最近では駆除計画もあると耳にして驚く。
長谷川


セリバヒエンソウ

セイヨウタンポポ

2019-05-25 03:55:31 | 春の花
セイヨウタンポポ

 いたるところの道端や空き地に春から秋まで見られる。地面にピタリとつく葉を放射状に出す(ロゼット)。葉のギザギザからフランス語で「ダン・デ・リオン」つまり「ライオンの歯」が英語でダンデライオンになった。明治時代に北海道に導入されてから拡大したとされる。玉川上水の道路添いにも広く生育するが、カントウタンポポも少なくない。区別点は総苞片がセイヨウタンポポでは反り返るが、カントウタンポポではそうならない点。花が終わると綿毛であちこちに飛んでゆく。








カントウタンポポの総苞片

果実





今から40年ほど前、セイヨウタンポポの分布拡大を懸念する声が多かったが、今やこの外来種の典型的な形態は少なく、カントウタンポポとの中間雑種が多くなったように感じる。これも外来種の生き残り作戦であろうか。
長谷川博之

タンポポの綿毛が飛び立つ瞬間が好きだ。どこへ飛んでいくかは風まかせだが、地面から解き放たれ旅立ちする、わくわくした気持ちが伝わってくる。地面に伏せて冬を耐えたのだから、良い場所に着地できますように。
牧田一雄


セイヨウタンポポ

スイカズラ

2019-05-25 03:39:08 | 春の花
スイカズラ

玉川上水には林縁が多いので、つる植物が目立つ。スイカズラもその一つで、林縁だけでなく柵にもよくからまっている。調査した区画あたりの出現率は実に81%にも達した。たくさんの花をつけ、えもいえぬ芳しい匂いがする。花は初めは純白だが、やがて黄色になり、その組み合わせが楽しい。若い葉は縁が波打ち、別の植物のようだ。玉川上水には多く、林の下を這っているが、そういうのは花をつけない。光が不十分で花を咲かせるほどの蓄積がないのだろう。冬に黒い果実をつける。










スイカズラの葉 左:若い葉、右:成長した葉

甘い香りに酔い、いつも連れ添う花を羨む。冬の葉は外に丸まり、冬を耐え忍ぶ「忍冬」は酸いも甘いも噛み分ける人生の達人の称号か。一日目は白く二日目は黄色い金銀花。
石井誠治

冬枯れの季節にも、上水の柵に緑色の枝葉をからませ存在を示すたくましさ。初夏には白と黄色の花、そして豊かな香りを漂わせている魅力的な花。
佐藤留美子

一輪のスイカズラを台所の外に挿したところ、根がついてまるで木のように太くなりました。花の時期には家の中まで甘い香りが漂い、夢ごごちの炊事をした記憶です。今はなき大好きな家の思い出。
リー智子


スイカズラ