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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

4月の花

2019-03-29 08:21:58 | 4月




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アマナ




小さく、花も花びらが細く白いので目立ちません。3月下旬から4月上旬に咲き、そのまま消えてしまいます。だから玉川上水にあることを知っている人はかなり植物に関心のある人です。落葉樹林の下に生え、常緑林や草地にはありません。葉があっても花をつけないものが多いです。花やよくみるとたいへん清楚できれいです。

ウグイスカグラ




3月から咲き始めます。ピンクがわりあい目立つので、気がつきやすいです。葉は楕円形で、対生します。スイカズラの仲間です。



5月下旬になると赤い果実をつけます。ジューシーで半透明に種子が透けて見えます。

オオアラセイトウ


アブラナ科の外来種ですが、すっかり日本の景観に溶け込んでいるようです。明るい場所で群落を作ります。さわやかな薄紫色の花で、近づいてみるとアブラナ科の4弁の花びらがあります。

オオイヌノフグリ




おなじみの路傍雑草です。明るい場所に生え、小さい花をたくさんつけます。小さいですが、よく見るととてもきれいなものです。

カラスノエンドウ


道端に生えるマメ科の草本で、直立する茎がはっきりせず半ばつるのように他の植物にもたれかかるように生える。花は典型的な蝶型花。

クサボケ


花は大型で、朱色なのでよく目だちます。玉川上水では柵内の崖の縁などによくあります。

シュンラン




ランの仲間としては花が地味なので、気づかないで通りすぎる人が多いようです。玉川上水の柵内をていねいにみると見つかることがあります。花はなくても葉はあることが多いですが、シュンランの葉を見てわかるようになると、その周辺をていねいに探すと花が見つかることがあります。

ショカツサイ(オオアラセイトウ)


薄紫色の花がよく目立つ。アブラナ科なので花びらは4枚。明るい場所に群落を作る。


スミレ類(アイウエオ順)
スミレは識別がむずかしいので、確実に写真を撮影してください。カメラを地面に置くくらいの低い角度で撮影してください。

アカネスミレ

 明るい場所に生えています。花が赤みを帯びた紫色で、正面から中央部を見ると白い毛が生えています。葉がまるっこい心臓型で、毛が生えています。一株からせいぜい3本くらいしか花を出さないので、こじんまりした印象があります。あまりありません。

コスミレ

 私が見た花はタチツボスミレのような薄紫色でしたが、図鑑によるともっと濃いものもあるようです。全体の印象はアカネスミレに似ていますが、花の側弁に毛がありませんし、花の色がアカネスミレの方が赤みが強いようです。距がアカネスミレのように細くない点も違います。また葉がアカネスミレよりも長く(ただしノジスミレやスミレよりは短い)、裏は紫色を帯びています。

スミレ


4月下旬から5月まで咲く、少し遅咲きのスミレです。明るい芝生のようなところに生えます。花の紫色は濃く、赤みを帯びています。葉は細長く、ほかのスミレと違うので特徴的です。

タチツボスミレ




もっともよくあるスミレで市街地にもたくさんあります。薄紫色の花、ハート形の葉が特徴的です。

ツボスミレ


「ツボ」は面積の単位ですが、もともとは庭という意味だそうです。だからツボスミレは庭に生えているスミレということですが、実際には庭にはあまりありません。林のやや湿った場所にあり、花はタチツボスミレなどに比べれば半分くらいの大きさしかありません。花の色は白で、そこに赤紫色の筋があります。葉はハート型ですが、縦に短く、左右の張り出しが目だちます。

ヒメスミレ



スミレのように花の色が濃く、葉も細長いという共通点がありますが、とても小さく、明らかに違います。明るい芝生などに生えます。花の距は太めです。

マルバスミレ


名前のとおり葉が丸い形をしていて、しばしば微毛が生えています。花はたっぷりと大きく、純白の美しいものです。あまり多くはありませんが、あるところにはまとまってあります。



園芸種 玉川上水沿いではけっこうよく見かけます。タチツボスミレににていますが、一回り大型です。花の色はほとんど白のものから、この花のようにこう紫色のものもまで幅があります。ニオイスミレとアメリカスミレサイシンとがあるようですが、文献類をみても違いがよくわからないので、園芸種として区別しておいてください。

タンポポ(セイヨウタンポポ、在来のタンポポ)


おなじみのタンポポ。花期も長く、どこにでもあるという印象です。セイヨウタンポポは総苞片が反り返り、在来種は反り返りません。



チゴユリ




落葉樹林の下に生える小さなユリで、白い花は清楚な印象です。多くはありませんが、小平では珍しくはありません。

ナガミヒナゲシ


道端に生えるケシ科の外来種。よく目立ち、他に似たものがないのですぐわかる。

ニリンソウ




あまり多くない「山の花」です。小平では野草保護観察ゾーンなどにはまとまってあります。アネモネの仲間です。

ヒトリシズカ




なかなかよい名前がついています。花もユニークで印象的です。あまり多くはありませんが、落葉樹林の下にたまにあります。

ヒメウズ






花はとても小さく、目だちません。近づいてみると「なるほどキンポウゲ科」という華麗さがあります。葉もきれ込みが深く、ニリンソウやオダマキなどと共通性があります。明るいところに生えます。

ヒメオドリコソウ








畑地雑草で、路傍にもよくあります。葉が紫色を帯びて花と一体化しています。花はシソ科に代表的なもので、ホトケノザなどとも共通の模様をもっています。

フキ


フキは変わっていて、葉と花が別々です。花をつける茎が「ふきのとう」です。明るいところに出るので、玉川上水では少なくなっています。


フデリンドウ

高さが5cmくらいの小さな植物です。花の大きさに比べると茎と葉が小さすぎる気がします。小さい上に曇りの日は花が開かないので、見落としがちです。小さいながら、その美しさは格別。一言で薄紫といっても、水色に近い爽やかさがあります。

ホトケノザ






ヒメオドリコソウと生育地もひとつの花の形もにていますが、全体の印象はかなり違います。ヒメオドリコソウは全体にくすんだ印象がありますが、ホトケノザは明るいピンクで、葉と花がすっきりと区別された印象があります。





ムラサキケマンは林の下や縁に生え、玉川上水でもよく見かける。花は独特の細長い筒状(エンゴサクと似るが玉川上水ではほとんどない)。葉も細かく切れ込みがあり、特徴的である(エンゴサクは違うので間違えることはない)。

9月の花

2018-09-01 20:48:27 | 4月





アキカラマツ




草丈は1mを越す高い草ですが、ひとつひとつの花は小さめです。薄い黄色で上品な雰囲気です。葉がやや複雑な形をしており、オダマキとかヒメウズなどにも通じるものがあり、キンポウゲ科に共通なものがあります。

アキノタムラソウ




いかにもシソ科という感じで、細長い花筒があって唇弁とよばれる上の花弁がのびた花です。さわやかな紫色です。玉川上水にはあまり多くはありません。

イヌタデ




空き地などによくある雑草的な花ですが、玉川上水には意外に少ないです。小さな花が穂になってつきます。

オミナエシ


秋の七草のひとつで、独特のスラリとした印象があります。黄色の小さな花がテーブルのような花序を作ります。玉川上水にはあまり多くありません。

キンミズヒキ




黄色い小さな花がミズヒキのように細長い穂につくのでこの名前があるようですが、ミズヒキはタデ科、これはバラ科で、「他人の空似」です。花が終わると独特の果実ができて「ひっつきむし」になります。

キツネノカミソリ


高さが30-40cmの小さめの花で、花が咲くときには葉が終わっていて何か物足りない感じです。花の色が丘系ではありますが、派手さはなく、控えめできれいな朱色です。

カリガネソウ


不思議な雰囲気の花で、正面からみると紫色の中に白い模様があり、「この奥に蜜あり」というシグナルになっています。花の上のほうに長い雄しべがのびていて、花にハチが「着地」すると、花全体が前にかしいで、そのために雄しべが下がってハチの背中に花粉をつけます。植物体を折るととても臭いにおいがします。

クサギ


明るいところに生える木で、たくさんの花をつけます。花筒が細長いので、おもにチョウやガが訪問します。植物体を折ると独特の薬みたいな匂いがします。花はとても甘いよい香りがします。

クズ

林縁などに繁茂するたくまりいつる色ブウで、秋の七草のひとつです。条件さえ許せばどんな植物でも覆ってしまい、杉の話が飲み込まれることさえあります。花は典型的な豆科の蝶形花で、匂いは「ファンタグレープ」の匂いです。

シラヤマギク




数ある野菊の中ではひときわ背が高く(2mにもなる)、葉が幅の広い三角形になるので、区別しやすいものです。場所によってはたくさん生えています。

ススキ


いわずと知れた秋の七草の中でも、中秋の名月のときに飾るスペシャルな存在。かつての玉川上水にはいたるところにあって家の屋根を葺くほどだったそうです。今は上の木を伐って明るくなったところにしかないので、花マップ調査で現状を記録したいと思っています。

センニンソウ


玉川上水にはとても多く、柵にからまっているのをよく見ます。ひとつの花は十字形で、それがまとまって咲きます。純白なのでまとまってあると神々しい感じさえします。Clematisuという属で、淵源品のクレマチス、テッセンなどと同じ仲間です。

タマアジサイ




園芸品種のアジサイと違って装飾花が少なく、淡い青の小が花がたくさんついていて、私はこちらのほうが好みです。タマアジサイというのは蕾の段階で、タマのように丸いからです。玉川上水にところどころでみかけますが、人が植えたものもあるような気がします。

ツユクサ


7月くらいから咲いています。独特のはっきりした青い花弁に黄色い雄しべがよく似合います。

ツリフネソウ


花がぶらさがったように咲くので船を吊ったようだという名前です。湿った場所を好むので、玉川上水ではあまり見かけません。

ツルボ


細長い穂になるので、一見ユリの仲間と思えませんが、ひとつの花をみるとちゃんと3枚の花弁3枚の萼があってユリ科とわかります。淡い紫色でなかなかきれいです。明るい場所に生え、玉川上水でもよくみかけます。

ヌスビトハギ






林の縁などにみかける豆科で、小さな花がまばらな穂を作ります。果実は半円形をふたつくっつけたみたいで、この形が盗人の足跡みたいだというのですが、どうだか。ある人は地下足袋のつま先部分の痕ではないかといいました。写真の果実の大きいほうはフジカンゾウ。

ノハラアザミ




明るい草原的なところに生えるアザミで、玉川上水ではこれが一番多いようです。

ヒガンバナ(マンジュシャゲ)




とても目立つ赤い大きな花で、キツネノカミソリと同様、花の時期には葉がありませんが、キツネノカミソリのほうは春にはを出して花のときには終わっているのに対して、ヒガンバナは花が終わってからはが出るという違いがあるそうです。ユリの花とは印象が違いますが、これは花の集合で、ひとつの花をみると、とても細長い花弁で、基本構造はユリの花と同じです。

ヒヨドリジョウゴ


ナスの仲間です。半ばつるのようにほかの植物によりかかるように生えています。葉はちょっとアサガオみたいな切れ込みがあります。花はジャガイモの花のミニミニみたいです。秋に印象的な赤い果実をつけます。

ヘクソカズラ


空き地などいたるところにあるつる植物で、茎を折ると臭いので、ひどい名前をつけられています。花をよくみつろハッとするほうど綺麗です。蕾の段階をみると、別の花のような印象を受けます。

ヤマハギ




秋の七草のひとつ。萩の仲間はいくつかありますが、玉川上水ではヤマハギだけのようです。

ユウガギク


野菊は区別がむずかしいのですが、これは枝が広がってつくので、区別がつきます。

ワレモコウ




ほかに似たもののないユニークな花で、海老茶色の粒のように見えるのが花の集合体です。意外な感じがしますが、バラ科です。葉も独特で、一枚は楕円形で長めの葉柄があり、歯には新井ギザギザがあります。玉川上水の明るいところに見られます。









7月の花

2017-07-01 07:59:32 | 4月



アキカラマツ

カラマツソウというのは花がカラマツの新葉に似ているからです。アキカラマツは人の背丈にもなる大型の草本で、玉川上水の明るいところには比較的よくあります。

オオバギボウシ

大きな葉が株状に出て、その中央部から薄紫色の横向きの花をつけます。ほかに間違えることのなさそうなユニークな花です。

オニユリ

ヤマユリを大きくて高貴なユリとすれば、オニユリはやや小さめとはいえ大きいユリで、花の色が濃いオレンジ色に点々があり、情熱がほとばしるような雰囲気です。茎にムカゴがついています。

キツネノカミソリ

あまり大きくなく、濃いめのオレンジ色の花をつけるので、ほかに間違いようのない花です。

ジャノヒゲ

目立つの冬の青い果実で、花の時期は目たちません。暗い林の下に生えます。

シラヤマギク





「野菊」にはいくつかあってしかも見分けがむずかしいものがあるのですが、シラヤマギクは葉がハート形なのでわかりやすいです。玉川上水の明るい場所に人の背丈を越えるような大きな株があります。

タカトウダイ



トウダイグサのトウダイはもちろん「東大」ではないですが、海を照らす「灯台」でもありません。「燈台」ですが、これは灯台と同じです。ただ海を照らす大きな灯台ではなく、電灯、いやランプもなかった時代に部屋を照らした台のことです。ロウソクをおいたのか、油を入れた器をおいたのかよく知りません。いとつの花は小さいのですが、花序が台のように放射状に開いています。小さい花を見るとなかなかきれいですが、風変わりです。それに変わっているのは子房がポンと飛び出しています。

タケニグサ





空き地のような明るい場所に生える大型の草本で、人の背丈を超えるものもある。葉も大きく独特の切れ込みがある。茎を傷つけると黄色い汁がでる。たくさんの白っぽい黄身がかった花をつけ、紫色がかった果実をつける。

チダケサシ

似たものにトリアシショウマがあります。ユキノシタ科で、花序全体もきれいですが、小花も魅力的です。ほとんど白のものからピンクのものまであります。明るい場所に生えます。

ツユクサ

私はツユクサの青が好きです。おしべの黄色との配色もよいし、花の丸い感じも好感がもてます。ツユクサといえば学校でムラサキツユクサを勉強しますが、こちらのほうが数段上だと感じます。

ツリガネニンジン





花はまさに釣鐘の形をしていて、額がピンと反り返るのも可憐です。葉は放射状につき、これを「輪生」といいます。5、6月の調査のときに、着実に伸びているのをみましたので、開花が楽しみです。

ノカンゾウ

大きさも形もユリの仲間ですが、白い花であるかオレンジであるかで印象がずいぶん違うものです。次のヤブカンゾウと同じような場所に生え、よく似ているので、花がないと区別ができません。玉川上水には広く見られ、夏の玉川上水を代表する花と言えます。

ヤブカンゾウ

ノカンゾウとくらべて花が波打っています。カンゾウというのは萱草で、豆科の甘草とは違うものです。葉の段階ではノカンゾウと区別がつきません。

ノブドウ






花のときよりも果実がなってからのほうが目立ちます。その果実は青や紫やいろいろな色合いなので楽しい雰囲気です。明るい場所に生えるつる植物で、玉川上水にもよくあります。

ハエドクソウ




 一見、シソ科のように見えます。花は合弁花だし、葉が対生するのもシソ科を思わせますが、ハエドクソウ科という独立した科に属します。暗い林の下にあることが多く、花が小さいので見落としがちです。果実は最初は茎に直角についていますが、やがて下を向いて茎にぴったりとつきます。

ヒトツバハギ



名前に「ハギ」とついているし、葉のようすもハギのようではありますが、マメ科ではなく、トウダイグサの仲間です。花をみればマメ科でないことがわかるし、葉のつき方も全体に面的でハギとは違います。玉川上水の明るいところには割合よくあります。

ヒメヤブラン

ヤブランの仲間ですが、だいぶ印象が違います。芝生のような明るく背の低い群落に生え、花も小さいので見落しがちです。よく見ると薄紫に黄色いしべがあって可憐です。

ヒヨドリジョウゴ


秋になって赤い実が目立つヒヨドリジョウゴですが、花は7、8月に咲きます。よくみるとジャガイモなどの花と似ています。葉はちょっとアサガオの葉に似ています。

ヘクソカズラ

空き地などによくある「雑草」といってよいつるです。ちぎると確かに臭いのですが、ヘクソというのはずいぶんではないでしょうか。花はなかなか味があるように思います。

マヤラン

タシロランほどではないですが、珍しいランです。艶やかであやしげな雰囲気があります。

ミズヒキ

やや暗い場所によくあります。葉に独特の黒っぽい模様があります。花は細い長い穂に小さな花がつくので、写真に撮りにくいです。上から見ると赤ですが、下から見ると白です。タデの仲間ですが、なんとかタデというのとはちょっと異色です。

ヤブミョウガ

やや暗いところに生えるツユクサ科の草です。ややこしいのですが、ヤブミョウガはミョウガとは縁がなく、ツユクサ科で、ミョウガはショウガ科です。

ヤマユリ

たいへん大きなユリで、大きいものは人の背丈ほどにもなります。花も大きく、まちがいなくユリという雰囲気です。大きく育ちすぎて倒れたり、途中で曲がったものもよく見掛けます。玉川上水の小平以西では草刈りがさかんにおこなわれますが、ヤマユリやオオバギボウシなどには傍に棒が建てられていて、刈り取りが避けられています。

5月の花

2017-04-05 21:43:08 | 4月
この一覧を取り出してプリントして持ち歩くと便利です。アイウエオ順ですが、コヒルガオとヒルガオ、ヘビイチゴとミツバツチグリはよく似ているので、下の方を見てください。





エゴノキ



エゴノキは玉川上水に非常に多く、幹が黒っぽいのが特徴です。5月に大量の花が下向きに咲きます。地面にもたくさん落ちるので、それを見て気づいて見上げることもあります。

オオジシバリ


明るい場所に生えるキク科の花で、葉は地面を這う地上茎につきます。そのため上に伸びることはなく、横に広がります。花は直径3cmくらいで、葉は細長いヘラ状で、大きいものには突起があります。似たものにジシバリがありますが、ジシバリは花の直径が2cmくらい、葉がピンポンのラケットのように丸く小さいのげ区別できます。花だけ見るとあとにでてくるニガナとも似ていますが、ニガナは茎がスラリと高く伸びます。

カジイチゴ


キイチゴの仲間はモミジイチゴ、ニガイチゴなどがありますが、玉川上水にはあまり多くはありません。カジイチゴは大型で、人の背丈を越えるものもあり、葉も大きく、花も大ぶりです。玉川上水ではあちこちで見ます。

ガマズミ


明るい場所にある低木で、初冬には真っ赤な実がなります。5月には白い小さな花をたくさんつける花序がみられます。葉が幅広で、若い小枝に産毛が生えています。

キンラン


落葉広葉樹林の下で見かけます。ギンランよりは豪華で立派な印象です。

ギンラン


落葉広葉樹林の下でときどき見かけます。花も葉もすっきりと清楚なランです。

コアジサイ

 
八王子など西部にはごくふつうにありますが、平地では少なくなります。薄紫色の花が印象的ですが、葉も大きなギザギザがあり、特徴的です。

コゴメウツギ


明るいところに生える低木。ひとつひとつの花は小さいが、房になって咲きます。ひとつの花をみると花びらとがくがくりかえしなかなかきれい。

ジシバリ


オオジシバリとよく似ており、生えるところも同じように明るい場所です。違いは花が小さめなこと(直径2cmほど)と、葉がピンポンのラケットのような形をしていることです。

スイカズラ


玉川上水に多いつる植物ですが、花をつけるのは明るい場所でつるを伸ばしたものです。玉川上水の林床には地上を這うスイカズラがたくさんあります。つるは赤みを帯び、葉は楕円形で対生します。花は写真のように上下に分かれる独特の形で、甘いよい匂いがします。

セリバヒエンソウ

外来種ですが、日本の植生に違和感なくおさまっています。長い距がある美しい花をつけます。葉がこまかく分かれるので、セリのような葉という意味で「セリバ」といいます。

ナガミヒナゲシ



果実

とても目立ちますが、どこか品のある嫌味のない紅色です。丈夫な植物らしく、道端に元気に咲いています。花が終わると細長い実がなり、これがあの危険なオニゲシと違い細長いので「長実」というわけです。

ナワシロイチゴ



キイチゴ類には白い花のものが多いですが、ナワシロイチゴは紅色、花びらが独特でシベを覆うようにつき、開きません。5月は田んぼに苗を植える時期なので「苗代」といいます。

ナルコユリ

下向きの白い花という意味ではホウチャクソウと似ていますが、ナルコユリはたくさんの花を鈴なりにつけます。茎の高さも1mくらいになる大型のもので、山の花なので玉川上水にあるのは意外感があります。

ニガナ




明るい場所に生え、茎や葉を傷つけると白い汁を出します。花は5枚の舌状花が端正に開いています。葉が基部が張り出した独特の形をしており、茎を「抱く」ようにつきます。



ノアザミ


初夏に咲くのはこのアザミで、花の下(総苞)がベトつきます。秋にはノハラアザミという似た名前のものがありまぎらわしいです。

ノイバラ




少し明るい場所によくあります。品種改良された赤いバラと比べるとまるで違うものですが、楚々としたすばらしい美しさがあります。棘がたいへん鋭いので、下手にからまると肌に傷がつくほどです。学名はRosa multifloraで、英語のroseのもとになっています。multifloraは花がたくさんあるという意味です。

ハハコグサ


空き地などに生える黄色い花で、葉にも茎にもビロードのような毛が生えているので、植物体全体が白っぽく見えます。何本かの茎が並んで生えることが多く、高さは10cm程度であまり高くなることはありません。

ヒルガオ
明るい場所に生え、策などに絡まるように伸びます。アサガオをふた回りほど小さくしたようなピンクの花を咲かせます。

コヒルガオ
ヒルガオと同じような場所に生え、花も似ていますが、葉の形が違います。違いの比較を「夏の花」の冊子から紹介します。



ヘビイチゴ




やや暗い場所で、他の植物があまりないような場所に地表を這うように生える草丈の低い草。黄色い花も、葉が3枚に別れていて淵にギザギザがあるところも、地表を這うところもミツバツチグリと共通であるが、ミツバツチグリは明るい場所に生え、ススキなどの丈の高い草の隙間などに生える。花が終わると赤いイチゴをつける。

ヘビイチゴとミツバツチグリの花を比べると、ヘビイチゴの方が花びらが離れてつくので萼が目立つ。ミツバツチグリは花びら同士が接するようにつく。



葉を比べると、ヘビイチゴの小葉は扇型で鋸歯は左右対称ですが、ミツバツチグリは小葉は卵形で鋸歯は左右非対称で、先端部がチョンととがります。行って見るとケヤキの葉に似ています。



ホウチャクソウ


細長く白い花を下向きに咲かせるユリ科は何種類かありますが、このホウチャクソウは玉川上水にもっとも多いものです。ナルコユリなどはたくさんの花がつきますが、ホウチャクソウは2つだけが仲良くペアで咲きます。花が下向きであることは昆虫にとっては大きな意味をもっており、入り口が狭く蜜のあるところまでが長いことも重要です。こういう花はハエやアブ、それに蝶などは吸蜜がむずかしく、なんといってもマルハナバチが一番ふさわしい訪問者です。

マユミ




玉川上水にはいたるところにある低木あるいは亜高木です。ただし花は小さく地味なので見過ごす人が多いようです。よくみると4枚の幾何学的な感じの花でそれなりの味わいがあります。同じ時期にコマユミやツリバナも咲きますが、これらも花は小ぶりであまり目立ちません。

マルバウツギ 




「卯の花の匂う垣根に」の卯の花はウツギの花です。卯月というのは旧暦の4月で、だいたい新暦の5月に相当します。マルバウツギはウツギよりは葉が短く、花序もやや小ぶりで、明るい場所で藪を作ります。なおウツギとは「空木」で茎が中空な低木という意味ですが、広く低木類をナントカウツギということもあります。

ミズキ

玉川上水沿いにふつうの高木で、枝がテーブル状に出ます。小さな花が房になってつきます。

ミツバツチグリ


鮮やかな黄色の花びらが5枚、地面を這うように生えるところなどは、ヘビイチゴに似ています・葉も似ているといえば似ていますが、鋸歯が単純です。ミツバというのは1枚の葉が複葉で3つに分かれているからです。明るい草原に多いですが、落葉樹林の下にもあります。