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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

ナズナ

2019-05-25 05:53:15 | 春の花
ナズナの花はアブラナ科だから花びらは4枚。「ナズナ」というより「ペンペン草」の方が通りが良いが、それは茎を持って回転させるとペンペンと音がするためである。そのためには果実の柄が長く、果実がある程度大きく、硬いことが条件となる。果実はまさにハート型で、人工的な感じがするほどきちんとした形をしている。林の中にはなく、畑の縁や道端などに生えるため玉川上水には必ずしも多くない。96の区画のうち確認されたのは30区画だった。








果実

ナズナ 
子供の頃、茎についているハート形の果実を垂れ下げて、でんでん太鼓のように茎を回して遊んだのを思い出します。カラカラと乾燥した音がしました。いつも身近にある懐かしい植物です。
佐藤 留美子

昔遊んだ経験から、誰しも音出しをしたくなる野草だ。茎から連続して伸びる小さい白い清廉な花と三味線バチのような実は不釣り合いな感じで、一体どんな形態形成が働いてできるのだろうか。 この春は、私の調査区間では見つからなかった。
長谷川博之

「ぺんぺん草も生えない」とか、やけっぱちな表現に使われるかわいそうな花だ。小さな白い花やハート形の果実がかわいいし、かさかさと果実を鳴らして遊ぶのも楽しい。七草粥や薬草など役にも立つ。「ぺんぺん草のような人」は前向きに聞こえないだろうか。
牧田一雄


ナズナ



ニリンソウ

2019-05-25 05:51:33 | 春の花
ニリンソウ

複雑な形をした葉がたくさん生える中に純白の花が開いたようすははっとするほど美しい。葉は形が複雑なだけでなく、濃緑色の中に斑入りのような模様もある。名前と違い花が2輪で咲くわけでなく、一輪のものもよくある。開く前の蕾は球状で、先端が紅をさしたように赤く、かわいらしい。ニリンソウは山の林の中にあるので、これが玉川上水にあるのは意外な気がする。しかも交通量の多い五日市街道沿いで群落を作っているところを見ると、意外にたくましいのかもしれない。玉川上水には同じ仲間のイチリンソウやアズマイチゲも少しだがある。







つぼみ





高尾山の沢沿いなど湿ったやや日陰のところに小さな白い花が群生しているのを見ていました。そのニリンソウが玉川上水沿いの木が少なく、日当たりの良い場所で寄り添うように咲いているのを見て感動しました。
佐久間

ニリンソウって、仲良し姉妹みたい。お姉ちゃんが先に咲き、妹が咲くのを優しくじっと待っていてくれるようだから。
笹川代志恵

群生するので花の時期には、白い花が目立ちます。高尾の日影沢の群生地で、今年、緑色の花のニリンソウを見つけました。また、5月末に東北の山で、やや最盛期を過ぎた大群落に案内して頂き、感激しました。今年は、たっぷりとニリンソウを楽しみました。
富澤 克禮

春先の丘陵で、よく出会う。林縁に咲く地味な佇まいに、他の早春の花達より親近感が沸く。花柄の数に変異があり、イチリンソウやサンリンソウとはほんとうに種が違うのかと素朴な疑問が浮かぶ時がある。
長谷川

「あそこにニリンソウが咲いてるわよ」
何年か前の春の夕方、ある小川のそばで、散歩中の見知らぬ年配の女性が教えてくれた。当時ぼくは「ニリンソウって植物の名前なんだろうな」と見当がつけられるぐらいにしか花の名を知らず、暮れてゆく小さな川のほとりの小さな白い花を見て、ふーん、と思ったものだった。毎年ニリンソウを見ると、もう顔も思い出せないこの女性のことを思い出す。
豊口信行


ニリンソウ


ナガミヒナゲシ

2019-05-25 05:50:13 | 春の花
ナガミヒナゲシ

 ケシといえば阿片をとるオニゲシが連想されるが、それに比べて小さいのがヒナゲシで、印象派のモネの絵などで知られる。そのヒナゲシに似ているが、果実が細長いので「長実ヒナゲシ」。ヒナゲシはヨーロッパの町が戦争で瓦礫の町になると咲く。それが真紅なので悲しみと希望を象徴するという。瓦礫で開花するのは、土中の種子が80年も長生きできるからだ。ナガミヒナゲシも腐葉土の豊富な林や草原にはなく、市街地の道路の隙間や駐車場など痩せた土地でよく見かける。蕾のときは下向きに垂れているが、開花する時はスッくと立ち上がる。微妙な紅色で細い茎の上につく花は風に揺れているのをよく見る。花が終わると細長い果実をつけるが、熟して乾燥するときには灯台の上にある窓のようなスリットができて、そこから筒の中にあるたくさんの種子を撒き散らす。それはちょうど胡椒を振り出す小さな小瓶のようだ。その先端部には「米」という字の模様まで付いているというこりようだ。地中海などの植物で、戦後に入った外来種で、各地で拡大傾向にある。





つぼみ

未熟な果実

熟した果実

ここ数年の間に庭先や路地などでも多く見かけるようになりました。繫殖力が旺盛な外来植物なので駆除するようにと言われた記憶がありますが、清楚な感じのオレンジ色の花が風に揺らぐ姿に夏の近づきを感じます。
小島 基男

駐車場のかたすみ、踏切の脇、コンクリートのわずかな隙間から顔をのぞかせて咲いている淡いオレンジの花。「外来種」という括りで目の敵にされている状況も耳にするけど、どうにかうまく馴染んで溶け込んでほしい、そんな春の花。
豊口信行

ナガミヒナゲシを子供の頃に見た記憶がない。目立つようになったと感じたのも、それほど昔ではない。色や姿が妙に造花っぽく、何か違和感のある不思議な存在だ。これが植物の帰化にリアルタイムに接した感触なのか。
牧田一雄


ナガミヒナゲシ


ナワシロイチゴ・クサイチゴ

2019-05-25 05:45:48 | 春の花
ナワシロイチゴ・クサイチゴ

キイチゴの仲間はいろいろあって、野山ではモミジイチゴ、ニガイチゴ、フユイチゴなどをよく見かける。玉川上水ではこれらは少なく、ナワシロイチゴとクサイチゴをよく見る。クサイチゴは4月に、ナワシロイチゴは5月に花をつける。花はクサイチゴが白で、ナワシロイチゴはピンク、複葉はどちらも深く切れ込むが小葉はクサイチゴは先細でチョンと尖るが、ナワシロイチゴはやや細長い円形で縁がギザギザ。ナワシロイチゴの花は変わっていて、小さい花びらが内側に巻き込み、ピンクがかったガクの方が星型の花びらのように見える。どちらも赤いイチゴをつけるが、つぶつぶはナワシロイチゴの方が大きく、数が少ない。


ナワシロイチゴ

果実


クサイチゴ


果実

ナワシロイチゴの花たちは、まるで陽気におしゃべりをしているように見えます。明るく、季節の豊かさを感じさせてくれる花たちに「ありがとう」とお礼を伝えました。
大塚恵子

折り紙で折った風船みたい。この花にはそんな印象を持ちました。果実はルビーのように艶っぽく赤く、花よりもよほど目立ちます。「おやつだよー」と言って子どもの口に放り込むと、酸っぱそうな顔をしました。甘酸っぱくて美味しいのにと母は思いました。
安河内葉子

実よりも、鮮やかなショッキングピンク色の花が印象的です。花マップ活動を始めるまで、この花に気づかなかったのが不思議です。
水口和恵



ナワシロイチゴ

チゴユリ・ホウチャクソウ

2019-05-25 04:47:48 | 春の花
チゴユリ

 チゴユリはアマナとともに「林の花」と呼んでよい。アマナよりは少し遅れて咲くが、純白の花びらは直線的で先端が鋭く尖る。茎も葉も単子葉植物らしい直線的で基本的に脈が平行に走るためスキッとした印象を受ける。花は下向きに咲くので、マルハナバチなどが来るとその重さで茎が大きく垂れ下がる。夏になると黒いジューシーな実をつける。「ユリ」には玉川上水にはヤマユリやオニユリもあるが、最近の分類学ではこれらはユリ科だが、チゴユリはイヌサフラン科になった。ヤマユリ、オニユリは大型で、夏に咲くので豪華な印象だが、チゴユリは小さくて春に咲くので楚々とした印象を受ける。武蔵野の雑木林を代表する花の一つとして大切にしたいものだ。玉川上水には同じ仲間のホウチャクソウもある。











果実


うつむいて小さな花を咲かせる、まさに「稚児」。かわいい。
大石征夫

ホウチャクソウ 
木もれ日にホウチャクソウが並んで咲いている。白と緑の花が慎しみ深く咲いている。玉川上水の道行きで、今年も優しい花に出会える幸せよ。小鳥もさえずり、蝶も舞う。ああ、なんて美しい季節だろう。
大塚 惠子

大学に入学して鳥取から仙台に行った。肌寒い春の丘に行った時、見知らぬ清楚な花を見つけた。たぶんユリの仲間だろうと、「牧野植物図鑑学生版」を調べてみた。そしてチゴユリだということがわかった。カタクリが絨毯のように咲いていた。まだ十代だったから、親元を遠く離れた心細さのようなものがあり、そんな心の隙間を春の花が埋めてくれるような気がした。
高槻成紀

郷里の香川県では「おちごさん」という春祭りがあった。お化粧をして、よそ行きの着物を着せてもらった嬉しい思い出がある。
まだ小学校に入る前のことだった。 下向きに咲く姿がいじらしい。
辻 京子


チゴユリ

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ホウチャクソウ

白い花、紡錘型の葉、その葉に平行な葉脈のあるところなど、直感的にチゴユリに似ていると思う。実際チゴユリと同じ仲間だが、花のようすはかなり違う。チゴユリはコウモリ傘のように開くが、ホウチャクソウは筒状に伸びて開かない。その意味ではアマドコロやナルコユリなどに似ている。ただしこれらは花びらが癒合して筒状だが、ホウチャクソウは筒状でも花びらは一枚ずつ離れている。チゴユリの花との違いは開き方や形だけでなく、先端が緑色になる点だ。そのために赤や黄色の花とは違い、目立たないで葉の一部のようで、控えめな印象を受ける。チゴユリもそうだが、林の下に生える植物で、それが玉川上水に生えているのは玉川上水が雑木林のような状態にあるということだ。ホウチャクソウは全体の3分の1くらいの区画で確認された。


ホウチャクソウ

木もれ日にホウチャクソウが並んで咲いている。白と緑の花が慎しみ深く咲いている。玉川上水の道行きで、今年も優しい花に出会える幸せよ。小鳥もさえずり、蝶も舞う。ああ、なんて美しい季節だろう。
大塚 惠子

色白で少し緑色がかったホウチャクソウの花はたくさんの葉の下に隠れるようにひっそりと下を向いて咲いています。夏に近づくと見られるホタルブクロと比べると色合いやその独特の雰囲気が何とも言えず趣があって好きです。
佐久間

薄暗い林の中に緑の茎、黄緑の葉、薄黄緑の花。「ほらそこにあるよ」と言われても、中々気づくことができない。主張はないけど涼しげで、新緑の季節を象徴するかのようです。
安河内葉子


ホウチャクソウ