玉川上水の野鳥調査をしています(こちら)。奇数月に杉並、三鷹、小金井、小平の4カ所で同じ時間に調べています。これに関連して井の頭自然の会の鈴木さんが、玉川上水みどりといきもの会議のシンポジウムで「野鳥にとって林の持つ意義の一つは、多様な果実が次々と実ことで野鳥に食物を供給し続けることだ」ということを指摘しました(こちら)。そこで、私たちがとりためてきた花ごよみの果実の結果から、鳥が食べそうなベリー(ジューシーな果実)を取り上げて、季節別に並べました。これはベリーが色づいたことを確認したものです。ここで「春」というのは春に実り始めたという意味で、そのベリーは夏まで実っているものもあります。
春は低木のキイチゴ類や高木のサクラ類が目立ちます。
春のベリー(4-6月)

草本

低木

高木

8月から9月にかけて色づいたものを夏として取り上げると草本が3種、つる植物が5種、赤い果実をつける低木が5種、高木が4種でやや少なくなりました。
夏のベリー(8, 9月)

草本

つる

低木

高木

秋になるとやはりベリーが増えます。草本には赤い果実がないようです。つるは5種、低木は13種もが実りました。赤系が多いですが黒も3種ありました。高木は8種でした。
秋のベリー(10, 11月)

草本

つる

低木

高木

冬は少なくなり4群とも3, 4種でした。
冬のベリー(12月以降)

草本

つる

低木

高木

結実期の長さは大きな幅があり、2週間ほどのものから半年近いものまでありました。このようなことの鳥類の利用との関係は興味あるところです。これからは野鳥が果実を利用する瞬間を観察して実際に利用することを確認する必要があります。