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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

玉川上水の「大樹しらべ」の報告

2023-12-25 11:24:21 | 調査
2023.12.20
玉川上水の「大樹しらべ」の報告

市川 優・大石征夫・大塚惠子・加藤嘉六・黒木由里子・桜井秀雄・
澤口節子・関口隆彦・高槻成紀・田中 操・豊口信行・長峰トモイ・
広岡佐和子・松山景二・村上健太・リー智子

 2023年に花マップネットワークの活動として玉川上水の大樹を調べたので、報告する。調査範囲は羽村の取水堰から杉並の浅間橋までの約30 kmである。ただしゴルフ場であるとか、立ち入りができない場所などで測定できない場所もあった。
 調査は玉川上水にある橋を目印にして、上流から橋に番号をつけ(主な橋番号は、拝島の平和橋が21、小平の監視所が39, 小金井の小金井橋が63、三鷹の万助橋が83、最後の浅間橋は96などで、調査は95の岩崎橋と浅間橋の間の区画までおこなった)、橋と橋の間を区画として、区画内にあった直径50 cm以上の木の種類と直径を記録した。これを花マップネットワークのメンバーで分担して測定した。
 方法は基本的には地上1.2 メートルの木の周囲をメジャーで測定し、円周率で割って直径を求めたが、柵内などで周囲が測定できない木については塩ビパイプあるいは竹で作ったT字形の測定具を作って直径を測定した。この方法では5 cm刻みで推定したので、精度はやや低いが、予備調査によって3, 4 cmの誤差はあるが、それ以上ではないことを確認した。

<直径50 cm以上の木は何本あったか?>
 調査範囲にあった直径50 cm以上の木は731本であった。これは100メートルあたり2.4本となるが、右岸と左岸に分けると100メートルあたり1.2本となる。

<何種類の木があったか?>
 全体で26種が確認された。ただし、ヤマザクラには多様な品種があること、調査時はヤマザクラとソメイヨシノの区別が難しかったため、「サクラ類」とした。このうち、イチョウ、ウメ、ソメイヨシノ、スギ、トウカエデ、ヒマラヤスギの6種は植栽されたもの、あるいは栽培種なので、当地に自生する種は20種となる。

<多かった樹種は?>
 多かった順にサクラ類(302本)、コナラ(136本)、クヌギ(110本), ケヤキ(110本)で、これらは100本以上あった。

表1. 出現した木とその本数


サクラは植栽された樹種であるので、これを除いた樹種の本数を見ると、コナラ、クヌギ、ケヤキの3種が約4分の3を占めていた(図1)。


図1 サクラ類を除いた樹種の本数内訳

<どこが多かったか?>
木の本数は区画ごとに100 メートルあたりの密度として表現した。その結果、上流の新堀橋(5、数字は橋番号)が最多で25.0本/100 m、ついで清願院橋(玉川上水駅、38)、小平の新小川橋(48)、上流の羽村大橋(3)と続き、ここまでが10本/100 m以上であった。
 主要樹種について密度の分布を見ると、クヌギとコナラは立川から小平にかけて集中的にあることがわかる。これに対してケヤキは全体に偏りなくあり、サクラは羽村と小金井よりも下流に多い。このことから、立川から小平にかけての範囲はサクラの植樹がされなかったおかげで、武蔵野の雑木林的な林ができたことがわかる。クヌギは特に高密度であり、植林された可能性が大きい。クヌギは太平洋戦争中にコルクをとるために植えたという情報があり、樹齢からしてもその可能性がある。


図2. 主要樹種の密度分布。横軸の数字は橋番号。縦軸は一定でないことに注意。

<大きい木は?>
最も太かった木はケヤキで、直径が137 cmあった。この木は「牟礼の大ケヤキ」と呼ばれ、現在は放射5号線に挟まれるように孤立している。


図3. 玉川上水で最大の牟礼の大ケヤキ

そのほか大きい木の上位20本を見ると、16本(80%)はケヤキで、そのほかにはイチョウ2本、エノキとコナラがそれぞれ1本であり、大樹にはケヤキが多いことがわかった(図4)。


図4. 直径の大きい順に上位20本を示した図

<直径1 メートル以上の木は?>
 直径が1 メートル以上の木は78本あった。これは全体の10.7%にすぎず、距離1 kmに2.5本しかない。これは片岸約200 メートルに1本しかないということになる。1メートル以上あれば「巨樹」と呼べる太さだが、そういう木は少ないことがわかった。
 直径が1 メートル以上の木からサクラを除くと半分の39本だった。

まとめ
 玉川上水約30 kmに直径50 cm以上の太い木は731本あった。ヤマザクラ、ソメイヨシノを含む「サクラ類」が最多で302本あり、コナラ、クヌギ、ケヤキなどが続いた。野生の樹種は20種であった。サクラは上流と小金井より下流に多く、ケヤキは偏りがなかったが、コナラとクヌギは小平と立川に集中的に多かった。サクラ以外で最大の木はケヤキで、トップ20のうち16本はケヤキだった。(文責:高槻成紀)

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参加者の感想
大塚惠子:この調査では大樹に触れたり周りの地面もフカフカで生き物も多く見られ、調査の中でも幸せなものでした。その反面、桜は見るも痛ましい姿が多く、ナラ枯れや松枯れなど病気の大樹については考えさせられました。玉川上水の狭い緑地で、枝を落とされ、道路沿いなど、環境が悪い中でも生きる姿が印象に残りました。

高槻成紀:大きな木の前に立つと自然に手を合わせたいような気持ちになります。直径1メートルを超える木を見ると、「この木は何をみてきたのだろう」と想像します。小平にコナラやクヌギが多いことがデータで裏付けられたことは嬉しいことで、鳥が豊富なことも納得がいきました。同時に昨今のナラ枯れによって既に伐採された木や立ち枯れた木も多く、心が痛みます。

「木をしらべる」 小平の都道予定地の樹木調査の報告

2023-10-22 22:13:57 | 調査
小平市の中央公園の東側に南北に走る道路(小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線、通称「小平都市計画道路328号線」)が計画されています。これが開通すれば公園の東側にある「どんぐり林」と玉川上水の樹林が失われることになります。道路予定地は36メートル幅とされているので、この樹林に何本の樹木があるかを知っておくことが必要だと考えて、このうち玉川上水の部分について調査を行いました。調査には子供を含む多くの方に協力いただきました。

方法
 場所は図1の通りで、計画される「328号線」は府中街道の西側を南北に走ることになります。


図1. 調査地の地図(東京都の説明会資料を改変)

 道路幅は36 mなので、玉川上水の該当部分の40 mの範囲とし、玉川上水沿いの歩道と柵内をカバーしました。なおその北のどんぐり林では道路予定地の幅は32 mで、ここには220本の樹木があるそうです。
 玉川上水の歩道沿いでは胸高周を1 cmの精度で測定しましたが、柵内は危険もあるので、長さ1 mの横棒の中央に長さ2 mの軸をつけたT字状の塩ビ管の測定具を用いました。横棒には10 cmごとに目印をつけ、樹木に近づけて直径を読み取りました。2 m以上離れた樹木については不正確さは避け難いですが、予備調査により誤差はさほど大きくないことを確認しました。対象としたのは、高さ1.2 mでの太さが1 cm以上のものとしました。株立している場合は最も太い幹を選び1本だけを測定し増した。

結果
 この範囲に26種、123本の樹木が確認されました。40 m幅ありますから予定道路幅の36 mよりはやや広いですが、工事の仕方によってはあるいはこれより広い範囲が伐採されるかもしれません。
 樹木ごとの直径を太いものから細いものに並べると図2のようになりました。


図2. 直径を太いものから細いものへと並べた図

 この図ではイヌシデ、クヌギ、コナラの3種を取り上げ、その他は区別しないで「その他」としています。最も太いのはイヌシデの直径56 cmでしたが、イヌシデで多かったのは直径10-20 cm程度の木であり、太いものにはクヌギとコナラが多く、樹種ごとの平均値はクヌギが42.0 cm、コナラが33.5 cm、イヌシデが18.4 cmでした。
 左岸と右岸で樹木に違いがあり、樹木の本数では左岸ではシラカシ、イヌシデが多く、コナラ、エゴノキなどが続きました(図3)。シラカシは細い木が多く、図2では右側に集中していました。これに対して右岸ではシラカシは少なく、イヌシデが最多で、ネズミモチ、コナラなどが続きました。


図3. 樹木本数の右岸と左岸の比較

 断面積を見ると、左岸でも右岸でもコナラが最大で、左岸ではクヌギ、イヌシデの順でしたが、右岸ではイヌシデが多く、クヌギは少数でした(図4)。


図4. 樹木の断面積の右岸と左岸の比較

 両岸の断面積の合計はコナラが40%、イヌシデが30%、クヌギが23%で、この3種で93%と大半を占めました(図5)。


図5. 両岸の合計断面積の内訳

まとめ
 328号線予定地の玉川上水部分は玉川上水全体から見ても状態の良い樹林があります(図6)。

図6. 328号線道路予定地の樹林

 この樹林には26種、120本ほどの樹木が生育していることがわかりました。この北側には道路を挟んで小平中央公園があり、「どんぐり林」と呼ばれる樹林があり、この一部も道路予定地です。

玉川上水の北側の小平中央公園の樹林のうち、道路予定地。現在、立ち入り禁止。ここの樹木の健全状態を調べて、段階によって違う色のテープがはられている(青木さん撮影)。

 東京都(建設局)によると、この夏に樹木医がここの樹木の健全度を判断した樹木が220本あったそうです。これを合わせると、328号線ができると、300本を大きく上回る樹木が失われることになります。

 今回私たちが調べた玉川上水の樹林の主要種はコナラ、イヌシデ、クヌギの3種で、これらが樹冠を形成し、その下にシラカシ、ネズミモチなどの常緑広葉樹などが生育しています。
 低木層にはムラサキシキブ、マユミなどが多く、キンラン、シュンランなど希少種を含め、多様な草本類も生育します。玉川上水全体では種子植物だけでも520種余りの野草が確認されています(玉川上水花マップ・ネットワーク資料)。また、この樹林では鳥類も84種の生息が確認されており(大出水資料)、これは皇居の鳥類相に匹敵します(西海ほか, 2014; 黒田ほか, 2017)。ことに森林性の鳥類が多く、それはこの豊かな樹林があることに起因します。
 一方、小平市はコゲラを「市の鳥」に選定しました(小平市立図書館 こちら)。その選定理由は小平の豊かな自然を象徴するものであるからとしています。私たちが小平、小金井、三鷹、杉並の4カ所で鳥類調査をしたところ、小平が最も豊富で、コゲラも最も多いことが確認されました(高槻ほか, 2023)。

玉川上水沿い4カ所でのコゲラの発見数の比較(高槻ほか 2023より)

キツツキがいることで、木に穴があけられ、それによって他の鳥類や昆虫が生息可能になって森林の多様性が豊かになることが明らかにされてます(Aitken and Martin, 2007など)。
 このようなことを考えると、この場所に道路が開通することはこの樹林の生物多様性に非常に深刻なダメージを与えることが想定されます。その意味で、私たちは、道路開通はすべきでないと考え、生物多様性の保全を重視する東京都にも(こちら)、コゲラを「市の鳥」とし、自然の豊かさを重視する小平市にも、この計画を見直すことを期待します。

謝辞 調査には以下の方にお手伝いいただきました。ありがとうございました。
青木計意子、市川 優、稲葉 希、上野かほ、上野やすこ、上野コウタ、尾川直子、岸 國男、作道ゆみこ、作道はな、笹川代志恵、澤口節子、関口隆彦、田村英和、中島光理、中島美知江、長峰トモイ、韓、丸山愛子、水口和恵、リー智子
10月8日に参加された方はお名前をお知らせください。takatuki@azabu-u.ac.jp

文献
黒田清子・小林さやか・齋藤武馬・見恭子・浅井芝樹 2017年 2013 年 7月から 2017 年 5月までの皇居の鳥類相.「山階鳥学誌」49: 8-30

高槻成紀・鈴木浩克・大塚惠子・大出水幹男・大石征夫 2023年 玉川上水の植生状態と鳥類群集.「山階鳥類学雑誌」55: 1-24

西海 功・黒田清子・小林さやか・森さやか・岩見恭子・柿澤亮三・森岡弘之  2014年 皇居の鳥類相(2009年6月-2013年6月).「国立科博専報」50: 541–557.

Aitken, K. E. H. and K. Martin. 2007. The importance of excavators in hole-nesting communities: availability and use of natural tree holes in old mixed forests of western Canada. Journal of Ornithology, 148: 425–434

10月22日の「木をしらべる」

2023-10-22 11:04:04 | 調査
10月8日に「木をしらべる」をして、左岸が終わったので(こちら)、15日に右岸を予定していましたが、雨のために中止にしました。22日にリベンジしました。

 今回は子供の参加はありませんでした。うさぎ橋のそばのテーブルで待っていると、10人余りの人が集まり、リーダーから説明がありました。聞くともなく聞いていると、玉川上水の歴史など説明があり、「皆さんの中には植物のことをよく知らない人もいると思うから、資料として大塚さんや長嶺さんも一緒に作った<花マップ>も持ってきているはずだから、参考にしてください」と聞こえました。お二人は少し前にあって挨拶をしたところでした。その後も説明が続きましたが、リーダーの人が「花マップを作ったご本人がおられるそうなので一言ご挨拶を」ということになり、指名されました。それで、花マップの経緯や内容について少し説明をしました。それから「玉川上水全体の中でも、この辺りは特にいい状態の樹林があって、野草や小鳥も豊富なんです。ところが、すぐそこのところに道路の計画があるので、今日はその樹木の調査に来たんです。いずれにしても、この辺りの自然を楽しんでください」と締めくくりました。そうしたら、あるご婦人が手を上げて、
「私、先生のファンなんですよ」
「??」
「アサココに野草のことを書いてるでしょ。あれを楽しみにしているんです」
とのことでした。
「それは恐れ入ります」
世間は狭いものだと思いました。後で思いましたが、ああいうコラムの著者の名前を覚えているものでしょうか。ちょっと不思議なかんじでした。不思議といえば、同じ日の同じ場所に来なければこういう出会いもなかったわけですから、縁は異なもの味なもの。

 それから我々は、線路脇の丘の下に移動して、チカラシバ、ススキ、セイタカアワダチソウ、タケニグサなどを観察した後、道路予定地に移動して樹木調査を始めました。右岸は木が少なく、歩道沿いはすぐに終わったので、柵内も調べることにしました。歩道沿いは直径をメジャーで測定しました、柵内は立ち入り禁止なので、塩ビ管でT字状の測定具を作り、Tの先端の横棒は1m、軸は2mとしました。横棒には10cm刻みの印が付いていて、これを機に近づけて読み取りました。こちらはやや正確さを欠きますが、大勢に影響はない程度の精度は大丈夫です。
 調査はとても順調で、予定通りに終わり、花や果実の観察もできました(結果はこちら)。ノコンギクの花やテイカカズラの果実がありました。ノコンギクにはハエやヤマトシジミが来ていましたが、夢中で吸蜜しているようでした。
「私は仙台にいたのですが、あちらのノコンギクは紺色ではないですが、薄紫色で、いかにも秋の野菊という感じなんですが、玉川上水のものは色が薄いですね。ほとんど白のものもあります」



 チジミザサが咲いていたので、花にべトついた粘液があるので、これで動物の体について種子散布をするなどの話をしました。まだ樹液があるクヌギの木があり、ルリタテハが何匹か来ていましたが、オオスズメバチもいたので気をつけて見ました。
「ルリタテハはきれいだよね」
との声。
アカタテハもいました。
「アカタテハは模様が直線的な印象があり、焦茶色に朱色の模様があるので、イギリスではred admiral(赤い総督)と呼ばれるそうです。軍人の制服のイメージで、なるほどと思います。」
などと話しました。
 秋らしい気持ちの良い日でした。


論文「玉川上水の植生状態と鳥類群集」

2023-02-13 20:28:58 | 調査
玉川上水の植生状態と鳥類群集

高槻成紀・鈴木浩克・大塚惠子・大出水幹男・大石征夫

摘要
玉川上水は東京の市街地を流れる水路で,その緑地は貴重である。玉川上水の樹林管理は場所ごとに違いがある。本調査は2021年に玉川上水の樹林管理が異なる4カ所(小平,小金井,三鷹,杉並)で鳥類の種ごとの個体数の調査(7回)と樹林調査(18地点)を実施した。鳥類群集は上水沿いの樹林帯と周辺の樹林も豊富な三鷹と小平で豊富であった。緑地が両側を交通量の多い大型道路に挟まれた杉並では,鳥類の種数と個体数が少なかったが,オナガ,ハシブトガラス,ドバトは比較的多かった。サクラ以外の樹木を皆伐した小金井では,近くに広い小金井公園があるにもかかわらず,鳥類群集は最も貧弱であった。とくに森林性の鳥類が少なく,都市環境でも生息するムクドリ,スズメなどがやや多いに過ぎなかった。玉川上水での鳥類群集の季節変化は都心の皇居や赤坂御所などと共通しており,夏にヒヨドリや他の森林性鳥類は減少した。これらの結果は,玉川上水の鳥類群集が植生管理の影響を強く受ける可能性を示唆する。今後の玉川上水の植生管理においてはこのような生物多様性の視点を配慮することが重要であることを指摘した。

クヌギの切株

2023-02-02 20:54:41 | 調査
これまで玉川上水の切株を見つけては年輪数を数えてきましたが、ほとんどは100歳未満で、一番多かったのは70歳前後でした。つまり戦後伸びた木が多いということで、その太さは30cmくらいから50cmくらいまで結構幅があります。その木の置かれた状況が木ごとに違うということでしょう。

 去年あたりからのナラ枯れのために切株が多くなりましたが、今日はひときわ太いクヌギの切株を見つけたので、年輪を数えてみました。そうしたら途中で70本を超えたので「これはもしかしたら100歳を超えるかもしれない」と思い、数え続けたら、まだかなりを残して100本になりました。そして最終的に132本を確認しました。


 断面の高さは30cmほどありました。そのことを考慮しなければ1890年、つまり明治13年生まれということになります。当然、この高さになるまでに数年あるいは十数年かかっているでしょうから、もしかしたら江戸末期に生まれたのかもしれません。

 大きな木の前に立つと何か手を合わせたいような気持ちになるものですが、この130数年の間に起きたことを想像すると、不思議な気持ちになります。文明開化を、日清・日露の戦争を、そして支那事変、太平洋戦争も見てきたわけです。そして130歳を超えてナラ枯れになり、あっという間にチェーンソーで刈り取られました。

 年輪を数えて5本ごとにピンを刺しましたが、その針が刺さらないほど硬い材でした。家具にでもすれば最高品質になったはずですが、おそらくゴミのように捨てられたのだと思います。何か罪深いことをしたような気がしました。