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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

ヌスビトハギ

2018-08-20 14:26:03 | 秋の花 冊子
マメ科ヌスビトハギ属の多年草。ヌスビトハギの名は「泥棒萩」ということだが、それは花ではなく果実からきている。マメ科の果実の代表的なものとしてエンドウがあるが、細長い鞘に数個の小部屋があり、その中に種子(豆)が入っている。この部屋がくびれるものを「節果」と言い、ヌスビトハギの果実は2つの半月形の部屋がある。この形を盗人が抜き足差し足で歩いた爪先の足跡に似ているというので「盗人萩」。果実が名前になっているが、花も捨てがたい。花序に小さな花がまばらに着くので目立たないが、一つの花を見ると花弁ごとに色が違い、なかなか美しい。
 玉川上水では林の下に生えているのが見られ、全体の3分の1くらいで確認されている。

 

 

 

 

 

 

 


果実




 
すけっち

エッセー
盗人というと唐草模様の風呂敷を背負い、地下足袋という姿が浮かびますが、現代の悪知恵を駆使した詐欺とは違い、温もりを感じます。高槻成紀

 幼い頃から「ヌスビトハギ」という名前を知っていた。空き地で遊ぶと、服に「ひっつき虫」が付いたからかもしれない。花は薄紅色で小さく可愛いのだが、果実の時期になると「ひっつき虫」だらけにさせられる。牧田一雄

この実の形が盗人の足跡に見えるとはじめて聞いて8年以上、ずっと疑問に思ってました。どうみればこれが足跡に見えるのか?ある日突然、「地下足袋で爪先立ちするとこのような足跡に見えるからじゃないか。」と気づき、ハッとしました。だから「ヌスビト」と付けたのだと。リー智子

ナンテンハギ

2018-08-20 14:24:50 | 秋の花 冊子
マメ科ソラマメ属の多年草。ナンテンハギの名前はナンテンのようなハギつまり、マメ科の植物ということで、葉がひし形で先端が尖るところがナンテンの葉に似ているからである。花は赤紫色で、一つ一つが微妙に違う色で美しい。ナンテンハギはソラマメ属(Vicia)に属し、同じ仲間にクサフジ、カラスノエンドウなどがある。この仲間は複葉で小葉がたくさんあり、先端に托葉があって他の植物に絡まったり、もたれかかったりする。Viciaはvincire(巻きつく)というラテン語に由来するという。その仲間としてはナンテンハギは変わり者で、茎は直立し、複葉の小葉は2枚だけである。玉川上水では林の縁などに生えているのが見られ、花は夏から見られる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 



エッセー
 クサフジの水色がかった紫の花、細長い楕円形の葉がたくさんある複葉、くるりと巻いた托葉など、エレガントだ。ナンテンハギはこの仲間では複葉が2枚しかない変わり者だが、やはり洗練されている。高槻 成紀

ツユクサ

2018-08-20 14:24:09 | 秋の花 冊子
ツユクサ科ツユクサ属の1年草。ツユクサは「露草」であろう。確かにこの花が朝露に濡れていたらよく似合いそうな気がする。そう感じさせるのは直線的でスッキリした葉と、純粋な青の花びらにはっきりとした黄色の雄しべがあり、洗練された雰囲気があるからであろう。この花の色素は水につけると溶けて消えるので、古くは布の柄の下絵に使ったという。ツユクサを「ツキクサ(着草)」というのは色をつけることに由来するらしい。花の作りはややこしく、2枚に見える花びらは実は3枚あり、1枚は白く小さい。黄色く見える3個の短い雄しべは見掛け倒しで、花粉を作らない。それより長い2個は少しだけ花粉を作り、残りの長い2本だけがまともに花粉を作る。「秋の花」に載せたが、花は夏から咲く。玉川上水には広く分布する。

 

 

 

 

 


種子

 
スケッチ

エッセー
 私にとってはツユクサの何とも言えない青色の花びらと雄しべの黄色とのコントラストが魅力的に感じられます。花マップの調査でこの花に出遭えたことはとても大きな喜びでした。佐久間 信和

 昔、畑や田んぼでよく見かけた鮮やかなコバルトブルーの花。最近は見かけることが少なくなりました。午前中しか花が咲かないためでしょうか。桜井秀雄

 夏の空を切り取ったようなさわやかな青が目を惹く、足元の小さな花。透明感のある白、淡い黄色との相性や配分も申し分なくて、目が潤うような清涼を味わうことができる。豊口信行

 まだ暑い時期に咲く花の青色が、爽やかで涼し気です。ツユクサの花が開いているのは朝だけで、午後にはしぼんでしまうことに、花マップの調査で初めて気づきました。水口 和恵

ススキ

2018-08-20 14:23:18 | 秋の花 冊子
イネ科ススキ属の多年草。花マップに選んだ唯一のイネ科がススキである。玉川上水にはたくさんのイネ科があるが、花マップではビギナーでもまちがいなく識別できる野草を選んでいるので、イネ科は避けた。その中でススキだけは別。ススキは大型で、明るいところなら工事現場でもビルの屋上でも生える。そして「尾花」と呼ばれる大型で独特の花を咲かすので、中秋の名月を愛でるときに使われる。ススキは「秋の七草」にも選ばれているだけでなく、茅葺き屋根の材料として使われもした。その意味で日本人の生活にもっとも密着したイネ科野草と言える。玉川上水にも多く、出現頻度は66%と、「秋の花」のトップだった。しかも、戦前にはもっと多く、茅葺きにも使われたようだ。
 花は「枯れススキ」の方が有名だが、開花初期には黄色い雄しべが美しい。全体に直線が自然なカーブを描く機能美が感じられ、これを秋の七草に選んだ古人の美意識はすばらしいと思う。

 

 

 

 

 


葉の中肋


スケッチ

エッセー
「満月にススキ」日本の代表的な秋の風物詩です。河原で秋の風にそよぐススキを見ると心が癒されます。我が家の小さな庭にも毎年数本のススキが揺れています。「月見で一杯」にはススキが欠かせません。小島 基男

ススキは古来から中秋の名月に稲穂に代わって秋の収穫に感謝して供えられたり、神様の宿り場になると考えられたりしていました。暑い夏が過ぎ去り、野原一面の黄金色をしたススキが風に揺さぶられている風景にはどことなく寂寥感が漂っていて好きです。 佐久間

息子が小さかった頃、ススキでかわいいミミズクを作りました。お月見にはかかせません。小平あたりではなかなか手に入らないので大変です。リー智子

シラヤマギク

2018-08-20 14:22:05 | 秋の花 冊子
キク科シオン属の多年草。シラヤマギクという名前は山に生える白いキクということであろう。野菊は区別が難しいが、これは草丈が人の背丈にもなる大型であること、葉が大きなハート形であることなどで他に似たものがない。花の中央には雄しべの黄色があり、外側に広がる白い花びら(舌状花)は10枚程度と少なく、直径も2センチメートル足らずと小さめだが、花の数は多い。茎は赤紫色になることが多く、葉の緑との対象がなかなか美しい。
 明るい場所に生えるので、玉川上水では上の木を伐採した場所に見られる。群落を作っている場所では白い花が見事で、ハエ・アブやハチがたくさん集まる。

 








宮元


ベニシジミ


モンシロチョウ


総苞


断面


断面












冬の総苞


スケッチ

エッセー

 シラヤマギクはノッポで細身。野菊の中でも控え目だ。だから湧くのか親近感。花は小さく集合花。花びらみんな雌状花。筒状の花は両性花。大きな下葉にゃ翼がある。あんまりシラないシラヤマギク。 石井誠治

 ユウガギクやノコンギクの花を上から見ると、花びらが放射状にきれいに並んでいますが、シラヤマギクは花びらの大きさが不揃いで、所々歯が抜けたようになっています。前歯の抜けた子供を思い出してしまいます。大石征夫

シラヤマギクはほかのノギクと違い、花びらのつき方は少し気ままだ。 草丈が私の目線と同じ高さがあり、すくっと立つのを見ると静かな存在感がある。この花が咲くと、秋のはじまりを感じる。辻 京子