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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

ナワシロイチゴ・クサイチゴ

2019-05-25 05:45:48 | 春の花
ナワシロイチゴ・クサイチゴ

キイチゴの仲間はいろいろあって、野山ではモミジイチゴ、ニガイチゴ、フユイチゴなどをよく見かける。玉川上水ではこれらは少なく、ナワシロイチゴとクサイチゴをよく見る。クサイチゴは4月に、ナワシロイチゴは5月に花をつける。花はクサイチゴが白で、ナワシロイチゴはピンク、複葉はどちらも深く切れ込むが小葉はクサイチゴは先細でチョンと尖るが、ナワシロイチゴはやや細長い円形で縁がギザギザ。ナワシロイチゴの花は変わっていて、小さい花びらが内側に巻き込み、ピンクがかったガクの方が星型の花びらのように見える。どちらも赤いイチゴをつけるが、つぶつぶはナワシロイチゴの方が大きく、数が少ない。


ナワシロイチゴ

果実


クサイチゴ


果実

ナワシロイチゴの花たちは、まるで陽気におしゃべりをしているように見えます。明るく、季節の豊かさを感じさせてくれる花たちに「ありがとう」とお礼を伝えました。
大塚恵子

折り紙で折った風船みたい。この花にはそんな印象を持ちました。果実はルビーのように艶っぽく赤く、花よりもよほど目立ちます。「おやつだよー」と言って子どもの口に放り込むと、酸っぱそうな顔をしました。甘酸っぱくて美味しいのにと母は思いました。
安河内葉子

実よりも、鮮やかなショッキングピンク色の花が印象的です。花マップ活動を始めるまで、この花に気づかなかったのが不思議です。
水口和恵



ナワシロイチゴ

チゴユリ・ホウチャクソウ

2019-05-25 04:47:48 | 春の花
チゴユリ

 チゴユリはアマナとともに「林の花」と呼んでよい。アマナよりは少し遅れて咲くが、純白の花びらは直線的で先端が鋭く尖る。茎も葉も単子葉植物らしい直線的で基本的に脈が平行に走るためスキッとした印象を受ける。花は下向きに咲くので、マルハナバチなどが来るとその重さで茎が大きく垂れ下がる。夏になると黒いジューシーな実をつける。「ユリ」には玉川上水にはヤマユリやオニユリもあるが、最近の分類学ではこれらはユリ科だが、チゴユリはイヌサフラン科になった。ヤマユリ、オニユリは大型で、夏に咲くので豪華な印象だが、チゴユリは小さくて春に咲くので楚々とした印象を受ける。武蔵野の雑木林を代表する花の一つとして大切にしたいものだ。玉川上水には同じ仲間のホウチャクソウもある。











果実


うつむいて小さな花を咲かせる、まさに「稚児」。かわいい。
大石征夫

ホウチャクソウ 
木もれ日にホウチャクソウが並んで咲いている。白と緑の花が慎しみ深く咲いている。玉川上水の道行きで、今年も優しい花に出会える幸せよ。小鳥もさえずり、蝶も舞う。ああ、なんて美しい季節だろう。
大塚 惠子

大学に入学して鳥取から仙台に行った。肌寒い春の丘に行った時、見知らぬ清楚な花を見つけた。たぶんユリの仲間だろうと、「牧野植物図鑑学生版」を調べてみた。そしてチゴユリだということがわかった。カタクリが絨毯のように咲いていた。まだ十代だったから、親元を遠く離れた心細さのようなものがあり、そんな心の隙間を春の花が埋めてくれるような気がした。
高槻成紀

郷里の香川県では「おちごさん」という春祭りがあった。お化粧をして、よそ行きの着物を着せてもらった嬉しい思い出がある。
まだ小学校に入る前のことだった。 下向きに咲く姿がいじらしい。
辻 京子


チゴユリ

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ホウチャクソウ

白い花、紡錘型の葉、その葉に平行な葉脈のあるところなど、直感的にチゴユリに似ていると思う。実際チゴユリと同じ仲間だが、花のようすはかなり違う。チゴユリはコウモリ傘のように開くが、ホウチャクソウは筒状に伸びて開かない。その意味ではアマドコロやナルコユリなどに似ている。ただしこれらは花びらが癒合して筒状だが、ホウチャクソウは筒状でも花びらは一枚ずつ離れている。チゴユリの花との違いは開き方や形だけでなく、先端が緑色になる点だ。そのために赤や黄色の花とは違い、目立たないで葉の一部のようで、控えめな印象を受ける。チゴユリもそうだが、林の下に生える植物で、それが玉川上水に生えているのは玉川上水が雑木林のような状態にあるということだ。ホウチャクソウは全体の3分の1くらいの区画で確認された。


ホウチャクソウ

木もれ日にホウチャクソウが並んで咲いている。白と緑の花が慎しみ深く咲いている。玉川上水の道行きで、今年も優しい花に出会える幸せよ。小鳥もさえずり、蝶も舞う。ああ、なんて美しい季節だろう。
大塚 惠子

色白で少し緑色がかったホウチャクソウの花はたくさんの葉の下に隠れるようにひっそりと下を向いて咲いています。夏に近づくと見られるホタルブクロと比べると色合いやその独特の雰囲気が何とも言えず趣があって好きです。
佐久間

薄暗い林の中に緑の茎、黄緑の葉、薄黄緑の花。「ほらそこにあるよ」と言われても、中々気づくことができない。主張はないけど涼しげで、新緑の季節を象徴するかのようです。
安河内葉子


ホウチャクソウ

スミレ類

2019-05-25 04:41:40 | 春の花
タチツボスミレ以外のスミレは出会う頻度がぐっと少ない。マルバスミレとツボスミレは林の下に咲く。マルバスミレは平地にはあまりない。名前の通り葉が丸みを帯びており、純白の花は花びらが大きく、実に美しい。ツボスミレは平地でもよくあり、やや湿った場所を好む。花は小さく目立たないが、よく見ると白地に紫の筋があり、なかなか美しい。

 スミレとノジスミレは直射日光が当たる明るい場所に生え、林の下にはないため玉川上水には多くない。むしろ玉川上水を離れた空き地などで見かけるほうが多い。どちらも濃い紫色の花をつけ、葉は細長くて、他のスミレ類とは全く違う。花の側弁にスミレでは毛があるが、ノジスミレにはない。ノジスミレは市街地の道路にもある。


「すみれの花咲く頃~♪」いよいよ春本番、心がウキウキしてきます。スミレにも多くの種類がある事を知りました。松尾芭蕉の句に「山路来て何やらゆかし菫草」とありますが、玉川上水沿いや、注意してみると石垣の隙間など街中でもスミレ類を見ることができました。さて芭蕉のみたスミレは?
小島基男


マルバスミレ


マルバスミレ花側面


マルバスミレの葉


マルバスミレ



ツボスミレ


ツボスミレ花側面


ツボスミレ葉


ツボスミレ



スミレ

   
   スミレの花

   
   側面


スミレ



ノジスミレ

「これがノジスミレです」
観察会の時に高槻先生が指さしたのは集合場所である一橋学園駅から南に少し行ったところの電柱の根元。ツメクサなどと一緒に咲いていた。日当たりの良い乾いた土が好きで、100種類以上あるというスミレのなかではたくましい印象を受ける。
辻 京子


ノジスミレ

タチツボスミレ

2019-05-25 04:40:15 | 春の花
タチツボスミレ

玉川上水には高尾山などに比べるとスミレの種類は少ない。このタチツボスミレの他はツボスミレ、ノジスミレ、マルバスミレなどがあるくらいで、ほかには外来のアメリカスミレサイシンなどが見られる程度だ。その中でもタチツボスミレはいたることろにあり、これほどまとまった群落を作るスミレは他にない。ありふれた花ではあるが、そのきれいさは一流といって間違いなく、淡い紫色、花の中心部の白、雌しべのオレンジ色が絶妙の組み合わせとなっている。「スミレ」というスミレもあるが、玉川上水にはほとんどない。スミレの花は濃紫色だが、すみれ色というとタチツボスミレの淡紫色をイメージする人が多いようだ。タチツボスミレの葉はハート形で葉面が巻いている。茎の付け根にある托葉は櫛の歯のように切れ込む。花が終わってから「閉鎖花」と呼ばれる花が伸びてくる。これは受粉をしないで果実を作る花で、スミレやタデなどで見られる繁殖様式だ。

群落










タチツボスミレ 花


タチツボスミレ 花側面



がく

托葉

閉鎖花

閉鎖花

毎年森林インストラクター東京会の方の案内で高尾山のスミレを見に行くのを楽しみにしています。高尾山にはたくさんの種類のスミレがありますが、タチツボスミレは玉川上水沿いでもよく見られるのが嬉しいです。特に井の頭恩賜公園で群生している姿に「春たけなわ」を感じます。
小島 基男

スミレと言えば越路吹雪の「すみれの花咲く頃」を最初に思い起こします。ビギナーとして調査を始めてみると多種類の可憐なスミレを見つけることができました。タチツボスミレは連なって咲いていました。♪♪ミレドミ ソー ラー ラー シッーソ ミー♪♪
松山景二


タチツボスミレ

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スミレ


ノジスミレ


ツボスミレ


マルバスミレ


セリバヒエンソウ

2019-05-25 03:56:47 | 春の花
ヒエンソウとは「飛燕」であり、花の形が鳥が翼を広げたようすと連想したものらしい。日本の植物ではなく花屋で「デルフィニウム」と呼んで見かけることがあるが、確かに花びらが左右に開き、オダマキなどにもある筒状に伸びた「距」と呼ばれる構造が鳥の尾翼を想わせ、なかなか気の利いた命名だと思う。セリバヒエンソウはそのヒエンソウに似ていて葉がセリの葉に似ているということであろう。確かに細かく刻み込まれた葉はセリなどと似ている。花の色は上品な薄紫で、初めて見た時は日本の野草だと思ったが、外来種だ。原産地は中国で、明治時代に関東地方に入ってきたという。
 花マップの調査では全体の20%程度の区画に見られ、全体に「薄く広く」確認されている。小さな種子をたくさんつけて広がる1年草なので、きれいではあるが、拡大されるのは困りものだ。


セリバヒエンソウ 花

「今まで知らなかった花なので花マップ調査の時、玉川上水沿いにひっそりと咲いているのを見つけた時には嬉しかったです。高尾山の林縁にもありましたが
東アジア南部から帰化したのだと知り、向こうへ行って咲いている姿を見たくなりました。」
佐久間

 「里山には不似合い」と片端から抜かれてしまう君。でも見つからずにひっそりと薄紫色に楚々と咲いている。「よかったね」と私は話しかける。 
長峰トモイ

 河川敷の日陰や林道沿いに目立つ淡青色の花の色合以上に、可憐な花の形に目を奪われる。蜜の製造工場という長い距(きょ)をツバメの尾に見立てた先人の感性は素晴らしい。外来種ゆえに、最近では駆除計画もあると耳にして驚く。
長谷川


セリバヒエンソウ