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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

フデリンドウ

2019-05-25 06:53:52 | 春の花
フデリンドウ

花の大きさならキュウリグサやハコベなどずっと小さなものがあるが、植物体の大きさで言えばフデリンドウは小さいほうのトップかもしれない。リンドウの花は青みを帯びた紫色だが、フデリンドウは淡い水色だ。そして葉の色も水色を帯びた独特のものだ。植物体は高さ5センチにもならず、その割に大き目の花をつけるが、林の中では気づかないほど小さい。花は雨や曇りの日は閉じる。そのようすが筆のようだということで名前がついたようだ。リンドウとは「竜胆」と書く。









春の山で急な登りを終えて小さく開けた日当たりの良い所で一休みする時の爽快感は何とも言えません。その時、青紫色の可憐なフデリンドウを見つけた時は思わず時間も忘れて眺めていました。佐久間

大きなことのできる人、優れたリーダーなどは好む花も大きく豪華なようですが、私のような小者は小さくて楚々とした花に惹かれるようです。フデリンドウはその一つ。春の空のような淡い水色の花。スケッチをしましたが、満足できる色鉛筆には出会っていません。
高槻成紀

春を迎えたばかりで背丈の低い草原で、「おや?」と感じて地面をよくよく見たら、青みを帯びた薄紫色の花がありました。小さな花が身を寄せ合うようにいくつかかたまって咲いているのですが、その一つ一つはそれぞれに凛として立っています。
安河内葉子


フデリンドウ


ヒメウズ

2019-05-25 06:52:46 | 春の花
ヒメウズ

 花は径が5ミリほどしかないが、植物体は30センチほどもある。花は5弁で、花びらに見えるのはガクで内側に花びらがある。葉は複雑に切れ込み、同じキンポウゲ科のオダマキなどの葉と共通するものがある。ウズとはなんだろうと思っていが、「烏頭」でトリカブトのことだという。花は似ているようには思えないが、果実は確かに似ている。ヒメウズは楚々として控えめに咲きながら春の喜びを伝えてくれるような気がする。







ささやかなヒメウズの花は、深々とお辞儀をしているみたいです。感謝の気持ちを込めたいメールに、私はこの花の写真を添えて送ることにしました。
大塚 惠子
 
長年高尾山を歩いていますが、高さ15~30cmと小さく地味なせいか、今年初めて高尾山で見つけました。小さい花なので写真のピント合わせに苦労しました。それが、今回の調査で、喜平橋の近くで、可憐な花に遭遇して驚きました。
富澤 克禮


ヒメウズ


ナズナ

2019-05-25 05:53:15 | 春の花
ナズナの花はアブラナ科だから花びらは4枚。「ナズナ」というより「ペンペン草」の方が通りが良いが、それは茎を持って回転させるとペンペンと音がするためである。そのためには果実の柄が長く、果実がある程度大きく、硬いことが条件となる。果実はまさにハート型で、人工的な感じがするほどきちんとした形をしている。林の中にはなく、畑の縁や道端などに生えるため玉川上水には必ずしも多くない。96の区画のうち確認されたのは30区画だった。








果実

ナズナ 
子供の頃、茎についているハート形の果実を垂れ下げて、でんでん太鼓のように茎を回して遊んだのを思い出します。カラカラと乾燥した音がしました。いつも身近にある懐かしい植物です。
佐藤 留美子

昔遊んだ経験から、誰しも音出しをしたくなる野草だ。茎から連続して伸びる小さい白い清廉な花と三味線バチのような実は不釣り合いな感じで、一体どんな形態形成が働いてできるのだろうか。 この春は、私の調査区間では見つからなかった。
長谷川博之

「ぺんぺん草も生えない」とか、やけっぱちな表現に使われるかわいそうな花だ。小さな白い花やハート形の果実がかわいいし、かさかさと果実を鳴らして遊ぶのも楽しい。七草粥や薬草など役にも立つ。「ぺんぺん草のような人」は前向きに聞こえないだろうか。
牧田一雄


ナズナ



ニリンソウ

2019-05-25 05:51:33 | 春の花
ニリンソウ

複雑な形をした葉がたくさん生える中に純白の花が開いたようすははっとするほど美しい。葉は形が複雑なだけでなく、濃緑色の中に斑入りのような模様もある。名前と違い花が2輪で咲くわけでなく、一輪のものもよくある。開く前の蕾は球状で、先端が紅をさしたように赤く、かわいらしい。ニリンソウは山の林の中にあるので、これが玉川上水にあるのは意外な気がする。しかも交通量の多い五日市街道沿いで群落を作っているところを見ると、意外にたくましいのかもしれない。玉川上水には同じ仲間のイチリンソウやアズマイチゲも少しだがある。







つぼみ





高尾山の沢沿いなど湿ったやや日陰のところに小さな白い花が群生しているのを見ていました。そのニリンソウが玉川上水沿いの木が少なく、日当たりの良い場所で寄り添うように咲いているのを見て感動しました。
佐久間

ニリンソウって、仲良し姉妹みたい。お姉ちゃんが先に咲き、妹が咲くのを優しくじっと待っていてくれるようだから。
笹川代志恵

群生するので花の時期には、白い花が目立ちます。高尾の日影沢の群生地で、今年、緑色の花のニリンソウを見つけました。また、5月末に東北の山で、やや最盛期を過ぎた大群落に案内して頂き、感激しました。今年は、たっぷりとニリンソウを楽しみました。
富澤 克禮

春先の丘陵で、よく出会う。林縁に咲く地味な佇まいに、他の早春の花達より親近感が沸く。花柄の数に変異があり、イチリンソウやサンリンソウとはほんとうに種が違うのかと素朴な疑問が浮かぶ時がある。
長谷川

「あそこにニリンソウが咲いてるわよ」
何年か前の春の夕方、ある小川のそばで、散歩中の見知らぬ年配の女性が教えてくれた。当時ぼくは「ニリンソウって植物の名前なんだろうな」と見当がつけられるぐらいにしか花の名を知らず、暮れてゆく小さな川のほとりの小さな白い花を見て、ふーん、と思ったものだった。毎年ニリンソウを見ると、もう顔も思い出せないこの女性のことを思い出す。
豊口信行


ニリンソウ


ナガミヒナゲシ

2019-05-25 05:50:13 | 春の花
ナガミヒナゲシ

 ケシといえば阿片をとるオニゲシが連想されるが、それに比べて小さいのがヒナゲシで、印象派のモネの絵などで知られる。そのヒナゲシに似ているが、果実が細長いので「長実ヒナゲシ」。ヒナゲシはヨーロッパの町が戦争で瓦礫の町になると咲く。それが真紅なので悲しみと希望を象徴するという。瓦礫で開花するのは、土中の種子が80年も長生きできるからだ。ナガミヒナゲシも腐葉土の豊富な林や草原にはなく、市街地の道路の隙間や駐車場など痩せた土地でよく見かける。蕾のときは下向きに垂れているが、開花する時はスッくと立ち上がる。微妙な紅色で細い茎の上につく花は風に揺れているのをよく見る。花が終わると細長い果実をつけるが、熟して乾燥するときには灯台の上にある窓のようなスリットができて、そこから筒の中にあるたくさんの種子を撒き散らす。それはちょうど胡椒を振り出す小さな小瓶のようだ。その先端部には「米」という字の模様まで付いているというこりようだ。地中海などの植物で、戦後に入った外来種で、各地で拡大傾向にある。





つぼみ

未熟な果実

熟した果実

ここ数年の間に庭先や路地などでも多く見かけるようになりました。繫殖力が旺盛な外来植物なので駆除するようにと言われた記憶がありますが、清楚な感じのオレンジ色の花が風に揺らぐ姿に夏の近づきを感じます。
小島 基男

駐車場のかたすみ、踏切の脇、コンクリートのわずかな隙間から顔をのぞかせて咲いている淡いオレンジの花。「外来種」という括りで目の敵にされている状況も耳にするけど、どうにかうまく馴染んで溶け込んでほしい、そんな春の花。
豊口信行

ナガミヒナゲシを子供の頃に見た記憶がない。目立つようになったと感じたのも、それほど昔ではない。色や姿が妙に造花っぽく、何か違和感のある不思議な存在だ。これが植物の帰化にリアルタイムに接した感触なのか。
牧田一雄


ナガミヒナゲシ