17日、一般社団法人水素医療学会の設立記念講演が開かれ、約130名が参加した。
最初に、前山和宏氏(医学博士・メディアートクリニック院長)が、抗がん剤を使ったがん治療の問題と代替医療の併用について紹介し、「生体における酸化は活性酸素による電子不足が原因」と指摘した。
三羽信比古氏(広島大学生命環境部教授・薬学博士)は、水素を科学的に解説した。スライドにより、具体的な分析データや顕微鏡写真を挙げて紹介した。
活性酸素種のうちヒドロキシラジカルは、DNAを切断させ遺伝子を傷つける。水素水が活性酸素を抑制する効果をESR(電子キスピン共鳴装置)で分析した結果、抑制率が37.2~48.7%と、水素水を生成する整水器のメーカー・機種によって結果が異なる。だからどれを選ぶかは重要なポイント。
特に、電気分解した水素水と白金ナノコロイドが、活性酸素の抑制に顕著に有効である。食品添加物としても認められている白金は、水素を吸蔵しやすい。細胞膜の中に水の分子は入りにくいが、もっとも小さい分子である水素は、細胞膜を通過し細胞死を抑制する。その結果、発がん・がん増殖を抑制する。
水道水はビタミンCを破壊する。水素ナノバブル水とともにビタミンCを飲むのが理想。
水素水の水素溶存量は時間とともに減るので、一気にたくさん飲むのではなく、少しずつ回数を多く摂るのがいい。ORP(酸化還元電位)の変化からみても一時間ごとに飲むのが望ましい。
水素の溶存量は理論上1.6ppmだが、T社の活水器は1.3ppmとほぼ理論値の限界に近いハイパー抗酸化水が作れる。
◆選択的な作用
ヒトの舌がんに対して、水素水+白金ナノコロイドは、がん細胞のコロニーを小さくする。正常細胞には影響がない。がん細胞は増殖が止まると脆い。つまり、がん細胞と正常細胞識別し、かつ正常細胞に対して毒性が低い。
◆セルライト抑制・脂質代謝向上
セルライトは皮下の脂肪細胞が素性になるとできる。皮下組織(真皮の下)細胞が死んで、放出されずに、死んだ細胞の集まりになり、ますます脂肪が燃焼しにくくなる。水素ナノバブル水は、脂肪燃焼を促進させる。つまりセルライト(脂肪塊)を抑制できる。
◆シワ・シミの改善
水素ナノバブル水で、目じりのシワが45日で改善し、90日目も維持していた。色素細胞のメラニンを抑制し美白効果、脂肪細胞の代謝を良くしてシワの原因を減らす。
加齢臭の元となるヒドロキシノネナールは、シワの原因でもある。皮膚の表皮と真皮の間は、基底膜でつながっている。皮膚のコラーゲンを増殖させ、シワの防護効果がある。
◆血液
赤血球の凝集(ドロドロ)、凹みの消失を防ぐ。赤血球の凹みは、毛細血管に入るときに変形して通り抜ける役割がある。赤血球がくっついて連鎖状態では、毛細管を通り抜けられない。水素水は、連鎖状から分離して凹みを復活させる。
◆頭髪のUV傷害
キューティクルの構造保全、熱風ドライヤーで破壊される。ケラチンと言うタンパク質が崩壊すると、髪の表面がウロコ状になる。
水素水の有効活用として、
1)がん細胞に選択的な殺傷効果
2)赤血球の凝集・くぼみ消失・膜損傷の防御
3)脂質代謝の改善およびセルライト抑制
4)シワ・シミの抑制
5)頭髪キューティクルの防護
このように水素は、細胞の内部で活性酸素を消去するので、DNAを守ることができる。携帯電話のように、あと5~10年したら常識になっていく。有害性が少なく、有益性があるかけがえのない素材。
最後に糸日谷秀幸氏(理学博士・栄養情報担当)が「予防医学のすすめ」として、日常における食の重要性を話した。