浪速の格闘技通信(MMA Ranker 浪速支部)

海外の格闘技の大会のカード、結果やニュースなどを逸早く探し、それについての感想や考察を書いていくブログです。

XPLOSIONレビュー Part2

2006-09-06 | Review




エリック・ノサvsニコラス・ぺタス(キックルール)
ぺタスが昨年の武士道ヨーロッパ以来となる試合。
第1R
左右のフックを中心に攻めてくるノサにぺタスはダッキングやガードでディフェンスして得意の左右のローキックを蹴り込む。さらに隙を見てハイキック、コーナーでガードを固めるノサにラッシュを仕掛けペースを掴み1R終了。

第2R
ノサはパンチを打ち込んでいくが全てガードの上。ぺタスは1R同様にパンチやロー、さらには踵落としまで放つ。ローのガードができないノサは段々と痛がる素振りを見せるようになりいつダウンを奪われてもおかしくない状態に。しかしロサも最後の力を振り絞り無酸素ラッシュでぺタスに襲い掛かるがここで第2R終了。ロサは既に虫の息
第3R
多少体力が回復したロサは再び無酸素ラッシュ。首相撲から膝を打ち込むが自ら倒れてしまい肋骨を負傷した模様。試合は再開され、ぺタスがフックをヒットさせるとノサは棒立ちに。アッパーから左右のフックを打ち込むとノサはゆっくりとロープもたれ、レフェリーが試合をストップ。
(2RKO 勝者:ぺタス)
相手がローをカットできないということで結構楽な試合に見えたけど亀になる場面も多くて少し危なかったな。



パク・バイウン・キュウvsダニエル・ドーソン(キックルール)
第1R
ボクシングで鍛え上げたパンチだけでなく前蹴り、ミドル、テンカオ、さらにはフェイントを交えたジャンピングハイまで繰り出すドーソン。しかしパクもしっかりとガードして打ち返していく。大きな展開はなく1Rは終了。

第2R
前蹴りでパクを吹っ飛ばすドーソン。しかしそれ以外はドーソンがパワー差を活かしてパクを追い詰める程度でお互いクリーンヒットはなし。

第3R
このラウンドに入りミドル、飛び膝を多様するドーソン。だがこのラウンドも終盤にドーソンが放った飛び蹴りでパクを追い詰めたぐらいで最終R終了。
(3R判定 勝者:ドーソン)
久しぶりにドーソンのキックでの試合が見れるということだったので楽しみだったけど内容はガッカリ。久しぶりのキックルールに戸惑ったのか?



イアン・シャファーvsキム・ド・ヒュン(総合ルール)
先日のMAXでの須藤戦の前に行われたシャファーの総合ルールの試合。ドヒュンはHERO'S韓国大会で高谷にボコられた選手。
第1R
右ストレートで飛び込んできたシャファーにドヒュンは片足タックルを仕掛けるが耐えられたため胴タックルに切りかえコーナーに押し込む。腰を落としてテイクダウンを狙うドヒュンだがシャファーが逆に押しつぶしてハーフガードで上に。ドヒュンは下から抱え込みディフェンスをしているとレフェリーは高速ブレイクでスタンドから再開。打撃で前に出てきたドヒュンにシャファーはコーナーで体位を入れ替え持ち上げるように抱え上げてテイクダウン。下からホールドするドヒュンにシャファーは体を起こして強烈なパウンドを叩き込む。ドヒュンは下から十字を狙うがシャファーは腕を抜き、逃げるドヒュンのバックを奪う。そのままチョークを狙うがここで第1R終了のゴング。

第2R
このラウンドではシャファーはカウンター狙いなのか自分からは手を出さずに逆に後退。ガードを下ろしてドヒュンを挑発する場面も。これに対してドヒュンもあまり手を出さずにタックルに行くがこれはシャファーに切られる。両者立ち上がり細かい打撃の交換はあるものの特にどちらかが追い詰めるという場面もなく観客も段々と煽り始める。ここでコツコツと当てていたシャファーのローが効いてきたのかドヒュンがバランスを崩すところも。しかし倒すまでには至らず第2R終了のゴング。

第3R
後退しながらローを当てていくシャファー。ローでコーナーまで吹っ飛んだドヒュンは右ストレートで詰めてきたシャファーに胴タックルを合わせるが潰されてパウンドを喰らってらってしまう。下から抱え込むドヒュンにイラついたのか、シャファーはハイアン戦の美濃輪のようにドヒュンをコーナーに叩きつける。ドヒュンも下から腕十字、さらにアンクルホールドを狙うがどちらも極まらずレフェリーがブレイクを掛けたとこで最終ラウンド終了。判定3-0でシャファーの勝利に。
(3R判定 勝者:シャファー)
MAXの前のインタビューの通り、あまり無茶な戦い方はしなかったシャファー。試合を積めばまだまだ強くなりそう。



トニー・ボネーロvsカイル・ウィリアムス(総合ルール)
オーストラリア最強の未知強ボネーロがXPLOSIONに初登場。
第1R
開始早々に両者組み合いウィリアムスがコーナーにボネーロを押し付け片足タックルに。ボネーロは片足のまま耐えるがウィリアムスは両足タックルに移行してテイクダウンに成功。しかしボネーロはすぐさまハーフからガードに戻して下から三角狙い。頭を抜いたウィリアムスだが今度はボネーロがオモプラッタに移行。なんとか腕を引き抜くがすぐさまアンクルホールドへ。これが極まらないと見るやボネーロが立ち上がるとウィリアムスはバックから持ち上げてスラムを狙うがこれはボネーロが踏ん張る。そのまま片足タックルにいくがボネーロに潰されてしまい、バックを奪われそうになるがボネーロは立ち上がる。ウィリアムスは再び片足タックル、これも一度は切られるがさらに押し込んで強引にテイクダウン。しかしボネーロは先程と同じように下から三角、さらにオモプラッタに切り返すとウィリアムスはあえなくタップ。
(1Rオモプラッタ 勝者:ボネーロ)
動くボネーロというのは一番新しい試合ではスバーン戦が最後でしたが、驚くべき寝技の技術でした。アブダビ等ではオモプラッタで極まる場面は何度か見たことあるけど総合ルールで極まったのを見たのは初めて。ただボネーロって顔がマーレイ似で、背中にも刺青がビッシリあってすげー恐い。



ピーター・グラハムvsアンドレイ・マルチャナウ(キックルール)
今年の3月にトーナメント優勝候補のハリを胴回転廻し蹴りで葬ったグラハムがベラルーシの刺客と対戦。
第1R
いきなりパンチで攻めるグラハムにマルチャナウもハイを返す。両者共に打撃で接近するとクリンチという展開が続く。ラウンド終盤、肘打ちでクリンチを振り解いたグラハムはマルチャナウを一気にコーナーに押し込んでパンチのラッシュ。さらにガードの隙間から膝蹴りも叩き込み打たれるがままになるマルチャナウを見てレフェリーは試合をストップ。グラハムが見事な完勝。
(1RKO)
なんか最終予選に出場させれば優勝したんじゃないかというぐらいの試合内容でした。谷川はもっと使ってやれよ。




ネイサン・コーベットvsスティーブ・マッキノン(キックルール)
MARSではヘビー級のロバーツにまさかのKO負けを喫したコーベットが地元で復帰戦。両者に対する声援が凄い。
第1R
前蹴り、パンチを放っていくマッキノンに対してコーベットはゆっくりと間合いを詰め、いつの間にかマッキノンはコーナーに追い詰められる。マッキノンがパンチやミドルを放つもコーベットは下がらない。ここで前に出てきたコーベットにマッキノンはガード上から肘を叩き込んでコーナーから脱出。しかしコーベットは時折得意の肘打ちを見せ、再びマッキノンをコーナーに追い詰める。冷静にロー、パンチを出していくコーベットにマッキノンも縦肘を返す。ピリピリとした緊張感を保ったまま第1ラウンド終了。

第2R
1Rと同様にマッキノンをコーナーに追い詰めるコーベット。マッキノンもジャンプをしながら肘を放ちコーベットをリング中央まで押し戻すがすぐに別のコーナーに下がってしまう。飛び込んで肘打ちを狙うコーベットだがクリンチで凌がれる。マッキノンも立て続けに肘打ちを連打するがコーベットはこれもガッチリとガード。ここでコーベットはテンカオで接近、さらに組み付いて切り裂くような右の肘をマッキノンの側頭部にヒットさせダウンを奪う。すぐに立ち上がり試合再開するが今度は首相撲からボディに膝、続けざまに放ったコーベットの右の肘打ちで2度目のダウン。しかし意識をしっかりしておりこれもすぐに立ち上がる。追い込んでくるコーベットにマッキノンも縦肘を返したとこで2R終了。

第3R
強烈なローでマッキノンの足を払うコーベット。今度もコーナーに詰めたコーベットは2Rと同様にテンカオから右の肘打ちを放つもこれは当たらず。マッキノンは前蹴りをコーベットの顔面にヒットさせるが、コーベットもパンチで一気に攻め込んでくる。ここでコーベットの肘打ちがヒットしマッキノンが大流血したためドクターチェック。なんとか試合はすると場内大歓声。またもコーナーに追い詰められが手数を出して対抗。コーベットも肘2連発を軽く当てたとこで3R終了。

第4R
ミドルでバランスを崩したコーベットにマッキノンにラッシュを仕掛けるがコーベットも肘で応戦。ドクターストップを恐れてかこのラウンドは積極的に手数を出し続けるマッキノン。に対してコーベットは後退気味。ここでコーベットがおでこ辺りから軽く出血。マッキノンも縦肘でさらに出血を誘おうとするがマッキノンの出血のほうが酷いため2度目のドクターチェック。今度は流石にドクターストップが宣告され試合終了。場内から歓声とブーイング。
(4RTKO 勝者:コーベット)
聞いた話ではこの試合は「両者大流血」「マッキノンがコーベットを追い詰めた」とのことでしたが実際に試合を見るとコーベットのワンサイドゲームで、大流血していたのはマッキノン。コーベットは少量の血を流した程度でした。


Part1

XPLOSIONレビュー Part1

2006-09-06 | Review
先月の18日、オーストラリアで開催されたXPLOSIONが有料ながらネットで視聴できたので今回はその試合レビューをしたいと思います。



岩崎恵一vsデイル・ホーガン
高校ではレスリング、大学卒業後は野球、現在はプロゴルファーとして活躍するなど異色の経歴を持つ岩崎のプロ2戦目。
1R
いきなりジャンピングパンチで突っ込んでくるホーガン。両者離れるとホーガンが再びジャンプし襲い掛かるが、バランスを崩して転倒してしまい岩崎に上になられパウンドの猛攻を受けてしまう。なんとかガードに戻し密着して時間を稼いでいると膠着のためレフェリーがブレイク。スタンドで再開しようとするホーガンが肩に違和感があるとレフェリーに伝えるとすぐさま試合がストップ。
岩崎はバク宙を披露して喜びをアピール。そしてこう叫びました、「ゴルファーは本当に強いんです!」(嘘です)。
(1RTKO 勝者:岩崎)
相手の怪我での決着だけど42歳でプロ初勝利、まぁ良かったんじゃないかな。



ジョディ・ソルウェイvsジョーイ・リー
女子選手によるキックボクシング。特に興味はなし。
(2Rドロー)



チョイ・ユイ・ナムvsダイラン・レスネコフ
聞いたこともない選手同士のキックの試合。これまた特には興味なし。
レスネコフはクラウスをかわいくしたようなイケメン君。試合は1Rは五分、2Rはレスネコフがパンチと膝で2回ほどナムを棒立ちにさせるなど優勢に。3Rは終盤にレスネコフが右アッパーから肘をヒットさせる程度しか見所はなし。判定でレスネコフが勝利。
(3R判定 勝者:レスネコフ)



藤本はるおvsジェイソン・シェリー(キックルール)
藤本はるおとかいう謎の日本人と地元オーストラリア出身のシェリーの試合。
第1R
リーチ差を活かしてロングレンジから蹴りで攻めようとする藤本だがシェリーが距離を潰して強烈な左右のフックを叩き込んでくるためクリンチで凌ぐだけという展開に。藤本は見た目も戦い方も小比類巻に似てる気がする。

第2R
接近してくるシェリーに首相撲で対抗しようとする藤本だが、コーナー際で体を入れ替えられてしまい左右のフックを顎に喰らって腰を落としたためスタンディングダウンを取られる。試合再開するがシェリーはお構いなしに左右のフックを叩き込んで再びスタンディングダウンを奪う。なんとかファイティングポーズをとり試合を再開するがなおも猛攻撃を仕掛けてくるシェリーに対抗できず3度目のスタンディングダウンを奪われTKO。藤本は顔だけでなく負け方も小比類巻そっくり
(2RTKO 勝者:シェリー)



ジェームス・テフナvs大場隆弘(総合ルール)
DEEPを主戦場にしている日本の大場と地元オーストラリア出身でKOTCなんかにも参戦経験のあるテフナの試合。
第1R
中央で並んだ感じではかなりの体格差があるような・・・。早々にタックルを仕掛けた大場だがテフナはこれを切り、パワー差を活かして逆に上のポジションを奪う。大場が下から腕十字を狙いにきたのでテフナは自ら立ち上がり豪快なジャンピングパウンドを放つ。これはヒットしなかったがハーフガードに。しかし大場もすぐさまスイープで上を奪い返す。上から強烈なパウンドを放つ大場だが何故かレフェリーが両者を離す。どうやらテフナが腕を負傷したようだがセコンドが軽くマッサージ、さらに腕を引っ張るなど適当な治療をすると試合再開(場内大歓声)。猪木アリ状態からリスタートを思ったらテフナがなにかを抗議すると何故かスタンドから再開。胴タックルを狙う大場だがテフナが両脇を刺して逆にテイクダウン。ハーフガードからマウントを奪いパンチの連打、後ろを向いたとこにチョークを狙うが大場は再びスイープに成功し上に。パスガードを狙う大場だがテフナは下から持ち上げるようにして逆に上を奪い返す。サイドポジションを奪ったとこで1R終了。

第2R
大場の飛び膝をキャッチしたテフナはテイクダウン。しかし自ら立ち上がりスタンドで再開。組み合いかた大場のバックを取ったテフナはそのまま豪快に持ち上げてテイクダウンしてハーフガード。さらにサイドに移行するが大場は上手く回転して立ち上がるがすぐに組み付かれてテイクダウンを許す。だが大場がギロチンのように首を抱えてテフナを後ろに投げ飛ばすようにして上を取り返しマウントを奪うが下から持ち上げるようにしてまた上を取られる。テフナはまたも立ち上がりスタンドでリスタート。両足タックルを狙ってきた大場にギロチンを仕掛ける大場だが足をロックできずすぐに首を抜けられるもスイープして上に。両者特に目立った攻撃はなく、自ら立ち上がった大場は起き上がってくるテフナの顔面に蹴り、しかしこれはルールで反則のため減点1。スタンドから再開で、飛び膝を放つ大場だがまたもキャッチされテイクダウンを許したとこで試合終了。内容的には特に差は無かったけど反則での減点が響き大場の判定負け。
(2R判定 勝者:テフナ)
お互いポジションのキープ力が無くコロコロと上下の入れ替わりが多い展開でした。まぁ大場は体格差が大きいなで踏ん張ったほうなのかなぁ。



ラマザン・ラマザノフvsウィル・リーバ(キックルール)
リーバはぺタスの弟子で全日本キックやRISEに参戦経験のあるイギリス人。対するラマザンは若干21歳でムエタイ世界王者に輝いたロシア人。
第1R
荒々しい左右のフックで前に出てくるリーバに対してラマザノフはコンパクトなパンチをヒットさせるとリーバの動きが止まり追い討ちの首相撲からの膝2発、レフェリーはスタンディングダウンを宣告。試合再開後にラマザノフがワンツーから飛び膝をヒット。後退するリーバに飛び膝を数発叩き込むとリーバは思わず後ろを向いてしまう。再開するもラマザノフの膝蹴りに翻弄され、最後はミドルレンジから綺麗な右ストレートをリーバの側頭部にヒットさせると前のめりに倒れレフェリーはすぐさま試合をストップ。
(1RKO 勝者:ラマザノフ)
体格差でかなりのビハインドがあったラマザノフでしたが、技術の差で逆に圧倒。最後の右ストレートは凄かった。



エルビス・シノシックvs藤井克久(総合ルール)
小川の元を離れて本名に戻った藤井が地元オーストラリアのベテランファイター、シノシックと対戦。
第1R
打撃で前に出てきたシノシックに藤井は強烈な胴タックルでテイクダウンを奪う。上からパウンドを狙う藤井だがシノシックは下から十字を仕掛ける要領で藤井の胴に足を引っ掛けてそのまま身体を回転させてスイープでマウントを奪う。藤井を腕を取り腕十字を狙うが藤井は腕を伸ばされる寸前に体を起こして腕を引き抜き脱出。スタンドで再開すると藤井のパンチがヒットし、シノシックは後退。シノシックは胴タックルを狙うがレスリング力で勝る藤井は押し潰して逆に上を奪う。コツコツとパウンドを当てにいく藤井だがシノシックは下から腕十字。クラッチを利かせて耐える藤井だが最後は腕を伸ばされタップアウト。
(1R腕十字 勝者:シノシック)
お互い負けられない立場でしたが、シノシックがベテランの意地を見せ04年9月以来の勝ち星。藤井は本名に戻したらシャー犬では別人扱いに・・・。

Part2