今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

Migrant Clinic

2008-08-24 20:51:16 | 家庭医療
Migrantとは移民のこと

Chelseaから南へ30分ほど、Manchesterというエリア

トウモロコシ畑が広がる、砂利道にその掘建て小屋(クリニック)はあります



向かって右の建物がクリニック



クリニックの前の道からは、トウモロコシ畑しか見えません


もともとはメキシコをはじめとする中南米から

テキサスを経由して流れ着いた人々が

貧しい労働者として働いています

殆どの人たちはスペイン語しか話せず、保険も無い人が殆ど

そんな住民のためにこのクリニックはあり、毎週木曜日だけやっています

ミシガンの家庭医プログラムからは、交代で指導医が1人、レジデントが2人、診療に参加します

勿論ボランティア

今日は午後の外来が終わってから、このクリニックに来ました

最初の患者さんは37歳で現在38週の妊婦さん

「下腹部が張って、白っぽい液体が出てきた」とのこと

残念ながら、破水かどうかを調べる術がクリニックには無く

4人目の経産婦でもあり、前回もするっと生まれたそうなので

早々に家庭医の産科当直医に診てもらうべく、大学病院に行ってもらうことになりました

大学病院に行くことになったことを、息子に電話していたので、

「家族を家においていくのも不安だろう」と思い、和ませようと話しかけました

私「息子さん何歳?」

妊「12歳」

私「長男?」

妊「ううん、一番下」

私「へ~。上の子は何歳?」

妊「24歳」

私「じゃあ、旦那と2人で行っても家のことは心配ないね~」

って・・・あなた、私より一つだけ年上でしょ・・・

息子が24歳って・・・


次の患者さんは、麦粒腫の若者

英語が通じず、スペイン語を話す看護士さんに通訳をしてもらったのですが、

こちらが一つしか聞いていないのに、2人で1分間以上話しています

で、その返事が「かゆくはないそうです」

「っておい!そんなに短い会話じゃなかっただろうに」

そんなこんなで、普段とは全く違う世界を体験できました

また行きたいと思います