今年のミシガン大医学生のうち、家庭医療科にすすむのは15-7名とみられています
一学年が170人ですので、1割弱
これを多いととるか、少ないととるか
実は、例年と比べて今年はかなり多いようです
家庭医療科選択者が一桁台の年も有るようですので、今年はアテンディング達も喜んでいます
全米の医学部の中には3割近くの学生が、家庭医療科を選択する学校もありますが
ミシガン大学は一般的に、プライマリケアよりもいわゆる「臓器専門科」優位の学校です
ミシガン大学の家庭医療科は、全米の医学部で最も多くの指導医陣を擁し
医学生からの実習評価では10年以上にわたり、専門科の中で一番の評価をされています
指導医の先生方も、chairのシュウェンク先生を始め、尊敬できる方々が大勢いらっしゃいます
それでもやっぱり、多くの医学生は臓器専門医の道を選ぶのです
確かに専門医の質がおしなべて高く、他科にも尊敬できる先生方が大勢いらっしゃるのでしょう
それでもやっぱり「収入」という要素が否めません
プライマリケア医の給料は、放射線科、眼科、心臓外科などの高給取りの先生方の数分の一ですから
まあ、それは置いておくとして
「大学、大学病院、医学部に家庭医療科が存在する事の意義」です
家庭医療科を進路の選択肢として選んでもらうということは、勿論、大きいです
また、大学という事でリサーチも大きいでしょう
でもそれ以上に大きいのが、プライマリケア医と専門医がどのようにかかわり合っているか
臓器専門医を選択した彼ら医学生が、将来、どのようにプライマリケア医とかかわっていくか
臓器専門医として、信頼できるプライマリケア医がいるのだということを知っておいてもらう事
そういうことが大事なのです
勿論、「プライマリケア」ですから主戦場は地域,クリニックでなければいけません
ミシガン大も大学に病棟を運営していますが
あくまでもメインの所属は郊外に5つあるクリニックです
日本の大学でも、家庭医療科は大学病院の外にあるクリニックを主戦場とし
臓器専門医とうまくかかわり合いながら
医学生のロールモデルとなる
それが大学に置ける家庭医療科の使命だと感じています
ちなみに,2009年全米では卒業生14566人中,5385人(37%)は家庭医療,総合内科,総合小児科いづれかに進んだとのこと.英国では50%が家庭医です.日本でのジェネラリスト養成はまだまだ...頑張りがいがありますね.