毎週木曜午前、午後のストレスクリニックです
ストレスクリニックとは、レジデントの教育と患者サービスをかねて
プログラムのpsychologistの先生が作ったセッションで
日常のストレスによってうつ病などを悪化させている患者さんに対して
ストレス要因を明らかにし、それに対する具体的なrecommendationを行うものです
新患は1時間、再診は30分の枠で
psychologistの先生とレジデントが診療を行います
通常のカウンセリングは、長期にわたるものが多いですが
このストレスクリニックは、初回のセッションでpracticalな解決法を提示し
2、3回のセッションで終了が多く
ミニカウンセリング、クイックカウンセリングといったかんじです
長期のカウンセリングが必要と判断されれば、勿論それもrecommendationに入ります
このクリニックで用いられる技法を、普段の15-30分の診療の中にレジデントが取り入れることを主眼にしており
提示されるrecommendationはいずれもシンプルで、自分たちでもやりやすいものです
シンプルだからといって有効でないという訳でもなく
再診の患者さんと話をしていると
結構役に立っているようです
具体的なrecommendationは、メモに書き出して各患者さんにリストアップして渡しますが
概要を以下にまとめます
太字アンダーラインのところが頻用するもの
Educational Strategies
- Anticipatory guidance
- Bibliotherapy – recommend readings
- Patient education
- Support groups and classes
Behavioral Strategies
- Writing assignments – lists, letters, journals, symptom logs emotional journalingが多い
- Behavioral rehearsal
- Assertiveness training
- Physical activity – 公的なレクリエーションサービスの提案、図書館でのヨガDVDなど
- Scheduling / Time management
- Anxiety reduction
- Thought stopping – STOP! Technique
- Time limits
- Situational Limits – 環境と時間を限定してあえて心配する時間を作る, deep breathing と組み合わせて
Cognitive Strategies
- Normalization
- Identifying distortions
- Rational substitution - 2.3はcognitive therapyになりますのでstress clinicではあまり掘り下げません
- Use of affirmation – post it などに書き出して張り出す
Referral
- Support groups -患者サポートグループ、ローカルの大人向け市民講座
- Educational groups – relaxation classes, parenting groups
- Vocational rehabilitation
- Mental health – カウンセリングなど
このクリニックのメリットとしては
1. レジデントが実践的なrecommendationを学べる
2. 通常の診療では掘り下げることのできないストレス、生活背景を探り、有効なrecommendationを提示できる
3. 長期のカウンセリングを必要とはしないが、ストレス要因が強い患者さんに有効
4. 保険の制約でカウンセリングを受けられない患者さんに良い(アメリカでは保険の種類によってカウンセリングが受けられない人が多いのですが、このセッションはfamily medicineの通常の診療としてbillされるのでカバーされます)