今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

最近の写真

2009-06-29 12:25:08 | その他
チェルシー病院のローテーションも残すところわずか

2度目のローテーションなので、居心地もよく

インフルエンザA(たぶん豚インフルエンザ)も担当したり

蜂巣炎、誤嚥性肺炎、脱水、心不全、お年寄りの転倒などいわゆるcommon diseaseを多く診ることが出来つつ

忙しすぎもせず

まずまず充実しています


何となく、最近の写真です



週末のバーベキューで、友人宅のテラスからの風景



先週末のイチゴ摘み.広大な畑で時間無制限.食べ放題.摘んだ分は1ポンド(450グラム)で1.3ドル.6kg分持ち帰り,半分はスムージー用に冷凍です



アパートのプール.ジャグジーも含め24時間使用可



病院の中庭.仕事中にスコールとともに雹がふってきました.雹が病院の屋根に次々とあたって跳ね返る様は,まるでポップコーンを作っている風景のようでした.


これが雹



当直の日でも、落ち着いていれば外食OK.チェルシーのメキシカンで食べたメニュー.メキシカンは色々メニューがあるのですが,結局テイストが同じような感じで,違いがよく分かりません.衣がコーンか小麦粉か、カリカリか、しっとりしているかの違いしか判別できないのが悲しいです.

アナーバー、週末の過ごし方

2009-06-14 23:43:57 | その他
チェルシー病院のインターンは毎週、金曜の夜が当直です

季節柄と、'White Cloud'と同級生から呼ばれる強運を発揮し

夜勤ながら、日本で言うところの「宿直」程度の働きしかせず

睡眠充分で土曜日は帰宅


昼食はJimmy Johnsという、アナーバーでも割と人気のサンドイッチ屋さんでテイクアウトをして

家族でアナーバー市内のヒューロン川をカヌーで川下り






夕方はレジデント仲間同士で、UPという3Dの映画を観てきました

これはプログラムから出る、レジデントのための遊興費が負担してくれました


続く日曜日は朝からお得なブランチ

場所は以前も紹介したGandy Dancer

1886年に建てられた駅舎を改造した、おしゃれなレストランで

ジャズの生演奏を聴きながら、生ガキなどのシーフードを中心としたビュッフェを堪能


その後、ガレージセールで買い物です




写真は、娘がガレージセールで買ったサンダルと浮き輪を試すため
入ったアパートのジャグジー

飛び込みお産

2009-06-13 11:39:25 | 家庭医療
「家庭医の先生、ERに電話をして下さい」と院内放送が流れました

つい1分前に、ERからポケベルがなって、シニアレジデントが電話をしに行ったばかりです

「何か緊急が起きているに違いない」と思いERに向かって歩き出すと

「STAT, Delivery in ER」とポケベルが鳴りました

STATとはラテン語でSTATIM

英語ではImmediately、日本語では「緊急」

昨年もチェルシーのERでお産がありましたが、そもそもチェルシー病院にはお産病棟がありません

当然、産科医もいません

一応ERの先生もお産に対応できますが、不慣れなため家庭医が呼ばれます

といっても、呼ばれた時間は午後3時で回診終了後、

前回同様、アテンディングは院内におらず

2年目のシニアと、1年目の自分しかいません

ドキドキしながら行ってみると、お腹の大きな黒人の妊婦さんがベッドでうなっています

周りを母親、姉妹とおぼしき女性が5人取り囲んでいます

話を聞くと、既に4人産んでいる経産婦さん

「予定日は?」と聞くと

「先月まで生理があったので、妊娠に気づいたのはつい最近」とのことで

「今陣痛を起こしているんだから、今日が予定日でしょ」とお母さんが笑っています

周産期ケアはもちろん受けておらず

これまでの出産も、周産期ケア無しで、ランダムに病院を選んで飛び込み出産を繰り返していたようです

しかも、話を総合すると

  • 前回の出産前に心臓の穴を手術した
  • 前回の出産時はpreeclampsiaをおこしていた
  • 前回の出産後に、脳梗塞を起こしていた

さらに、現在の血圧は 175/85

・・・

ヤバいじゃん・・・


内診所見、陣痛の具合などから

「まだ間に合う」と判断し

ミシガン大へ救急車で搬送としました

ちなみにエコーで赤ちゃんは推定38週でした


それにしても・・・ちゃんと周産期ケア受けましょうよ、みんな~




チェルシーの街並

ガレージセール

2009-06-10 07:20:47 | その他
貧乏アメリカ生活を大きく支えるものは、ガレージセールです

もともとアメリカ人にガレージセールは深く根付いていますが

こちらに住む日本人のコミュニティーにも深く浸透しています

渡米している人の多くが短期の企業派遣で、ガレージセールが適していることもあります

日本人が多く住むデトロイト近郊では

日本人のガレージセールネットワークが発達しており

ガレージセール(ミシガン)という情報サイトに、多くの品物が出品されています

また毎週のように、帰国を控えた家族によるガレージ(十数軒合同が多い)セール情報がでていますが

クライスラー、GMが相次いで破綻したこの数ヶ月

日本企業の撤退による帰国ラッシュのため

出品がいつになく豊富です


我が家も家財道具の半数程度がガレージセールでの購入です

例外はインテリアの中心となるソファー、ダイニングテーブル、本棚などで、これらは全てIKEAでそろえました

そしてテレビは破綻した家電ショップのサーキット・シティで買った新品

それ以外は殆どガレージセールです

主な購入品
  • スバルのOutback  (市価の80%ぐらい)
  • 圧力炊飯器 7ドル
  • プリンター 10ドル
  • 子供の自転車 5ドル
  • 電子レンジ 5ドル
  • ゴルフクラブセット 15ドル
  • ゴルフカート 3ドル
  • ビデオデッキ  10ドル
  • 掃除ロボットルンバ(ほぼ新品) 190ドル (元値60800円)

写真はルンバ



先週末は車で40分のNoviという街で蚤の市が開催されました

主催はデトロイト日本商工会

50店ほど出店されていました

こんなに日本人がいたんだ!と驚く人手に圧倒されつつ(数百人はいました)


日本の蚤の市にはあまり参加したことが無いので、正しい比較かどうかは分かりませんが

こちらの蚤の市は家電や家具(写真で展示)もけっこう出ていることや、ゴルフ用品が多いことが目につきました

両手一杯の荷物を手に会場を背にし

帰り際に、これまたガレージセール(ミシガン)で見つけた加湿器をとりに

Cantonという街によって帰宅しました

帰国時に売り払わなければ行けないので、買い過ぎにも注意です

他者からの評価と自己評価の乖離

2009-06-03 07:43:40 | 教育
小児ERローテーションが終わり、今月はチェルシー病院のInpatientローテーションです

しばらくアウェーで苦戦し、くたくたになっていたのですが

チェルシーにやってきて、すこし精神的にも落ち着きました

その理由は
  • 昨年の7月に既に一度やっていること
  • 自分にはなじみ深いフィールド(成人の病棟)
  • 田舎の小病院で大学より雰囲気が和んでいる
  • なんといっても家庭医療科のサービス(ホーム)であること


さて小児ERですが、かなり手厳しい評価をされてしまいました

評価の内容を細かくみていくと、「まあ仕方が無いかな」という部分もあるのですが

知識部門に対する評価が、自己評価と著しく乖離しているのには苦しみました

途中で「もっと勉強しろ。この本を読め」と勉強を薦められたのですが、

レトロに振り返ってみても、アテンディングはともかく同級生と比べて自分の知識が劣っているとは、とても思えません

このことは、先々月の成人ERの評価にも当てはまります

成人ERに関しては、一緒に働くシニアレジデントよりも自分のアセスメントや評価の方がエビデンスに基づいており、正しいと思うことも多いぐらいだったのですが

知識の評価は「標準かそれ以下」と書かれてしまい、正直「??」と思っていました

自分でもかなり内省し、メンターや他のアテンディングとディスカッションして、出た解釈は

知識不足が本質ではなく、コミュニケーション、プレゼーテーションの問題がメインであるということ

ERや小児ERでは、働く相手が毎日かわり

1回きりしか一緒に働いていないアテンディングもかなりいます

コミュニケーションレベルが落ちるIMG(外国人)レジデントが他に全くいない環境に現れた、英語のいまいちな私は

少し言葉が詰まるだけで、「はい、ダメ~」と判断されてしまったのではないかということ

最低でも1週間、おなじアテンディングとじっくりつきあうパターンの病棟勤務では

自分でも納得の範囲内の評価をしてもらっていることからも、自分の分析はあたらずとも遠からずではないかと思います

問題は、必ずしも適切ではない中間フィードバックを鵜呑みにして

改善ポイントを見失った状態で、落ち込み、空回りしていた自分です

人のフィードバックを真摯に受け止めるのも大事ですが

評価材料が充分でない場合は、必ずしも適正な評価をされていない可能性もあるのではないかということです

振り返ってみれば、FMB(お産と新生児)ローテーションも同様の問題に苦しみました

FMBでは、2ヶ月のローテーションの間で、一番長く一緒に働いた先生でも、合計2日半程度です

日替わりのアテンディングと、日替わりのフィードバック

「知識」が問題と指摘されていたのですが、コミュニケーションなどが一番問題だったことに最後のほうで気づいた点が同じパターンです


自分の問題が明確になったことを前向きにとらえるとともに

自分が指導し、評価する側になった時に注意するべき点も、明らかになったと前向きにとらえたいと思います





写真は前向き倒産を発表したばかりのGM本社

同ビル内にデトロイト日本領事館があり、パスポート更新で行ってきたときの写真