今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

10月はElective

2010-10-02 08:56:33 | 家庭医療
10月はElective(自由選択)です

もともとは、Away Electiveを静岡でやる予定でしたが

予算の関係でrejectされてしまったので、半ばいじけながら

Ann Arbor周辺での研修を計画しました

テーマは外来関係で「これまでの研修で自分に足りないもの」


このまま卒業すると心もとない分野がどこかをまず考えると

1. OB/GYN エコーとIUDなどの手技
2. 小児科
3. 手技(皮膚系)
4. Sports Medicine

ということで上記の1-3を今回のelectiveでカバーしました

月から金まで週10コマの半日

うち3コマがチェルシーの外来、1コマが日本人クリニックの外来

そして水曜午前のカンファレンス

残りの5つを自由に使えます

一コマはリサーチ

シニアプロジェクト2つと、個人的にグラントをとったリサーチの計3つを少しでもすすめる必要があります

そして一般小児科外来が一コマ、Developmental & Behavioral Pediatrics外来が一コマ

あとは大学のPAC(perinatal assessment center)でのOBエコーと、若者向けの無料クリニックでのOB/GYNを組み合わせて週一こま

そして外来手技のクリニックが一こまです


PACについて少し書きます

アメリカでは通常、家庭医であれ産婦人科であれ、妊婦けんしんでルーチンのエコーをとりません

Trimesterごとに1回とれば充分と判断されており

平均的には、初期にdatingを主な目的として1回

中期以降にFetal Anatomic Surveyを1回ルーチンにとります

勿論、問題が有ればエコーをしますが、順調であれば診察ごと毎回はしません

そのかわりFetal Anatomic Surveyはかなり厳密に行われており

相当なトレーニングを積んだ技師や産婦人科医が、AIUM(American Institute of Ultrasound in Medicine) Practice Guidelineに基づいて

かなり細かくみています


ということで初日はそのFetal Anatomic Surveyにつきましたが

相当の細かさに驚きました(30分から1時間かけます)

多くの家庭医がfetal anatomic surveyには手を出さず(自分でやる先生もいますが)、大学のPACに外注しています

このような診療パターンが日本で可能かどうか

ちょっと考えさせられました

次のPAC研修は、BPPとAFIをひたすら習得するのが目的です

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