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中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

低価格、やめる企業と続ける企業

2010年09月06日 12時00分50秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善


牛丼業界の話題も何度か取り上げていますが、吉野屋も最近つぎつぎと打ち手を出してきているようですね。
一方で居酒屋業界でも均一店がちょっとしたブームではありますが、そこへ参入を続ける企業と慎重な企業と方向性は分かれているようです。

こんにちは!経営コンサルタント 中小企業診断士の藤田雅三(フジタ マサカズ)です。

先日の日経MJに次のような記事がありました。

「吉野屋、牛肉まん開発 山崎パンと、牛丼の味再現」
・吉野屋は山崎製パンと共同で「吉野屋牛肉まん」を開発した。
・吉野屋に来店する機会の少ない主婦や子供などが吉野屋の味を体験するきっかけ作りにしたい考えだ。

「低価格居酒屋第2幕へ 客単価下落料金体系複数に」
・居酒屋各社が料理やドリンクを300円前後の低価格や均一価格で提供する店舗を出店し始めて約1年。各社とも不振店からの転換を中心に低価格店の数を増やしたが客単価の下落も大きく、業界全体では売上の低迷が続く。均一価格ではなく複数の低価格帯を持つ店を始めるなど、各社は第2の低価格路線を迫られている。
・コロワイド東日本は~~~昨年に主力居酒屋の「甘太郎」などからの転換を進めて~~”えこひいき”の客数は前年比20~30%増で推移し、集客効果は高いとみている。ただ、「若者には均一価格は支持されているが、出せる料理には限界があり、40~50代は1回来ると飽きてしまう」(五十嵐茂樹社長)
・三光マーケティングフーズは今期も出店ペースを加速する。
・既存店からの転換後は客単価が約3割落ちるが、前期の客数は前年比約50%増えた。「売上も2桁前後伸びている」としている。
・つぼ八は今後も価格均一店を出す方針はないという。
・客数は前年比2~3%減だが、客単価が下落していないため3%程度の売上減にとどまっている。
・最大手のモンテローザも低価格店の拡大には消極的。
(引用:2010/09/03 日経MJより)

とのことです。
低価格店を出店している企業では客数が2~3%増えても、客単価がそれ以上の割合で下がることがあり、既存店売上高を5%以上減らすチェーンも多いとのことです。

吉野屋について言えば、「牛肉まん」だけにとどまらず、並盛り280円の「牛鍋丼」と「キムチクッパ」を7日から発売するとアナウンスしたばかりです。
どれほどの効果がでてくるかわかりませんが、少なくとも今までのようにメイン商品である牛丼をディスカウントするより、断然良いと思います。

メインであるブランド商品でなく、低価格で販売できる専用の商品を開発した方が、ブランド価値も落とさず、また、もともと低価格で販売するための商品を開発するわけですから、いくらたくさん販売しても損をすることが無いようにしておけば心おきなく販売を伸ばせるのです。

一方で、メインの牛丼の方も、さらに味に磨きをかけたり、なにかプレミアムを加えるなどのブラッシュアップを同時にしていくのが良いと思いますが、こちらはてこ入れしないのでしょうかね。

ただ、「牛肉まん」という新たな試みにもチャレンジしていますから、こちらの方も今後寒くなる時期に向けて、その販売動向は楽しみだと思います。
吉野屋に来る機会のない主婦や子供に~~とありますが、意外に普通の男性や吉野屋の顧客が買うような気もします。。。いずれにしてもブランド拡張にチャレンジするのは良いのではないでしょうか。

居酒屋業界の方はどうでしょう。
個人的な意見としてはコロワイドの五十嵐社長も話されているとおり、「40~50代は1回来ると飽きてしまう」という意見に近いです。

1皿300円と、単に皿の安さを訴求しても、内容が伴わなければ続きません。
ものによっては、「これが300円もするのか?」といったような逆効果になる商品が多くなるとまずいです。「300円でこんな(値打ちのあるモノが)食べられるのか!」という商品を出していければ良いと思いますが、はたして何社がそれを実現できるでしょう。

100円ショップが続くのも、「これがたった100円か!」というような商品開発をつづけてきたからこそでしょう。

均一価格で自らを縛ってしまうと、付加価値をつけていくのは難しくなります。
それだけのコスト対応や資金力、商品開発に自信がなければ、安易に小安く見せられるからという理由で低価格、均一路線に走るのは注意が必要でしょう。

1皿300円でも値打ちを感じさせなければ飽きられます。
であれば1皿500円や700円でも値打ちを感じていただければ、なるべく客単価を落とさなくてすむのではないでしょうか。

いくら客数が伸びても、安さだけで飛びつくお客は、去っていくのも早いものです。
ポイントは、「良いお客様がつくかどうか」だと思います。
「良いお客様に支持していただける努力と工夫」・・・それは値段か?サービスか?品質か?・・・

価格政策については度々取り上げていますが、やめる企業と続ける企業、今後の行く末に注目です。

さあ、あなたのビジネスでは、低価格をやめる企業と続ける企業、どちらの路線で勝負をかけましょうか?

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