岡崎直司の岡目八目

歩キ目デス・ウォッチャー岡崎が、足の向くまま気の向くまま、日々のつれづれをつづります。

東京報告の最後。

2006-03-24 08:39:44 | まちづくり
そう言えば、「日暮町風土記」公演の写真をアップしてなかったので、遅ればせながら18日の様子を。

東京・吉祥寺に前進座劇場というのがあり、研修生(第25期生)たちの修了公演だったワケだが、いやはや笑えた、泣けた。一日二回だけ、昼と夜の公演で彼らは1年間の研修を終え、役者となるのだが、そうした甲子園のような、一発勝負であるためか、一所懸命さが伝わり観ていて清々しかった。この写真のシーンは、町並み倶楽部のメンバーが、何とか江戸期から続く老舗大黒屋の取り壊し前に、記録を残すための実測調査をやっているところ。脚立に上り、大黒柱の上の棟木に文久元年上棟の棟札(むなふだ)を発見する所。

実際に旧保内町の清水町にあった「あたらしや」では、棟札ではなく板図が発見され、土蔵と母屋が文久元年、衣装蔵には棟木(むなぎ)に直接墨痕鮮やかな天保三年の文字があり、そうしたことが判明したのだった。その板図と棟木の墨書の部分は当時の町教委によって資料保存されている。(今は郷土資料室にあるハズ)

芝居では、役場の教育委員会に勤務する文化財担当の女性職員が登場するが、彼女もモデルが居て、原作者の永井愛さんが取材に保内へ来られた際、対応してくれたUさん。彼女は実際には、あたらしやの実測調査の当時はまだ役場就職前だったが、縁があって今やボランティアガイドや文化財保存に無くてはならない存在として頑張っている。
兎に角、実際の話をうまく織り込みながら、それぞれのキャスティングを絶妙に配しつつ、旧家の保存という難解なテーマを、笑いとペーソスでシナリオ化しているのが、この日暮町風土記という芝居なのだ。私の夢は、いつの日かきっと保内でこの芝居公演を実現させたい、そんな日が来るまでは頑張らないといけないように思っている。