この「宇和盆地の模型」は、米博物館(旧宇和町小学校第一校舎)内に展示してあるもので、全体がよく分かる。
肱川の最上流部に位置する宇和盆地は、標高約200~220メートルほど。周縁部の山すそ辺りで250メートルくらいになる。
肱川の源流地点としては、写真中央最上部の宇和町久保・河内あたり。国道56号線の鳥坂峠近くである。南流して盆地内の降水を集めた宇和川は、やがて東流から北流に転じて野村ダム、鹿野川ダムを経由してぐるりと反時計周りに大洲盆地へと至り、そのまま北西方向、長浜で瀬戸内海に注ぐ。
写真中央下部の、平地が狭くなった所に、主邑“卯之町”が位置する。丁度、中世期にこの地を治めた西園寺公の拠城であった松葉城(北・上)と黒瀬城(南・下)にはさまれた地点でもある。
その右、南北(上下に)に縦に続く平地部が田野筋地区で、現在は高速道のルートと重なり、西予ICから北へ大洲ICへとつながる。
一方JRは、模型の左上(八幡浜方面)から右下(宇和島方面)へと走り、その沿線沿いが盆地内で最も広い田野の景観を見せる石城(いわき)平野(画面左方)である。宇和島藩時代に限らず、南予では今も最も豊かな穀倉地帯となっている。