【ユーザー】レッドハットは、企業の福利厚生業務のアウトソーシングサービスを行うベネフィット・ワンが、08年9月末にリニューアルした福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の会員向けポータルサイトの新システムにレッドハット製品が採用されたと発表した。今回、新システムに採用されたレッドハット製品は、アプリケーションサーバー「JBoss Enterprise Application Platform」およびLinuxOS「Red Hat Enterprise Linux」で、約345万人の会員向けサービスを支える大規模なオープンソースのシステム事例となる。 (08年10月28日発表)
【コメント】LinuxはOSS(オープンソースソフトウエア)のOSとして企業システムに徐々に市場を拡大している。そしてその利用分野も、これまでは特定のアプリケーションに限定されてきたが、現在では基幹システムに採用が進み、金融機関での勘定システムでの稼働実績が出始めるところまで拡大を見せている。今後、この傾向はさらに進展し、企業システムの基幹システムにLinuxOSが使われることが当たり前のようになる時代も近いと思われる。
このような中で今回ベネフィット・ワンが約345万人の会員向けサービスのシステムに「Red Hat Enterprise Linux」および「JBoss Enterprise Aplication Platform」を採用したことは、OSSがもう十分に企業システムの基幹システムでの利用に耐える
ことを実証したケースとして需要なユーザー事例となろう。
レッドハットとしてはアプリケーションサーバー「JBoss Enterprise Application Platform」の全面採用のケースとしても貴重なユーザー事例となった。特に今回Webフロント以外に、バックエンドの業務システムにおいても同製品が合計10台以上の
サーバーで使われていることを見ても、大規模なシステムにおける同製品の今後の普及に弾みが付くことが予想される。「先進的テクノロジーを低価格で導入可能なところにOSSのメリットがある」ことをベネフィット・ワンは指摘している。(ESN)