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◇企業システム◇三洋機工、アシストのサービスを採用しOpenOffice.org導入

2010-04-19 09:34:38 | ユーザー

 【ユーザー】三洋機工(愛知県北名古屋市)は、社内の標準オフィス・ソフトにオープンソースのOpenOffice.orgを導入するにあたり、アシストが支援サービスの一環として提供するヘルプデスク・サービスを採用し、社内展開を行っている。同社は08年2月、OpenOffice.orgの導入を正式に決定した。採用理由は、Microsoft Officeのバージョン・アップに費用が発生すること、そして何よりバージョン・アップの度にファイルやマクロの書き換え作業が発生し、工数がかかっていたこと。今後、Microsoft Officeは原則購入しないため、三洋機工グループ全体でおよそ2,500万円のコスト抑制を見込んでいる。(アシスト:10年4月13日発表)

 【コメント】これまでオフィスソフトというとほぼ100%マイクロソフト・オフィスソフトが使われてきた。しかし、バージョンアップのたびにファイルなどの書き換え作業やバージョンアップ費用がかかるなどの問題がユーザー側に負担となっている。そこで、OSS(オープンソースソフト)のオフィスソフトであるOpenOffice.orgに自然に注目が集まり始めた。OSSはコアの部分は無償で提供されるため、コスト削減には効果がある。しかし、既存のマイクロソフト・オフィスソフトからの移行の問題や、サポート体制を自社で行わなければならないことなどから、これまで、OpenOffice.orgの普及は必ずしも順調とは言えなかった。

 そこで、アシストは企業ユーザーに対しOpenOffice.orgのサポートサービスを開始し、順調にユーザーを拡大させている。その中の1社が今回発表となった三洋機工である。アシストでは、07年6月よりOpenOffice.org支援サービスとしてヘルプデスク・サービス、集合研修、eラーニング・コンテンツを約70の企業や団体に提供している。また10年2月よりコンサルティングの拡張ヘルプデスク・サービスをリリースしている。アシストの各種サービスは住友電気工業、トーホーグループ、会津若松市、四国中央市など、多くの企業や団体で活用されている。

 三洋機工では、08年4月にオープンソース委員会を設け、既存のMicrosoft Officeで作成したファイルの資産の洗い出し、9月には本社PCを対象にOpenOffice.orgをインストールしている。09年からは雛形やテンプレート・ファイルの変換をアシストが提供するヘルプデスク・サービスを活用しながら進めていた。導入課題であったマクロは、自社の「技術」と、アシストからのOpenOffice.orgマクロ・リファレンスを活用し書き換えを進めている。

 今回の三洋機工では、今後、Microsoft Officeは原則購入しないため、三洋機工グループ全体でおよそ2,500万円のコスト抑制を見込んでいるという。OSS導入により、やはりコスト削減効果が顕著に現れていることに注目すべきであろう。OSSは、Linuxサーバーなどの導入が注目されているが、今後オフィスソフトのOSS、つまりOpenOffice.orgについても、ユーザーの注目を集めそうだ。(ESN)