【ユーザー】トップツアー(本社:東京都目黒区、社長:石川邦大)は、このほど伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)を通じ、CTCが提供するクラウド・ソリューションを導入し、社内営業システムを一新する。トップツアーはすでに社内に、メール・グループウエアを含む営業管理システムを構築し運用しているが、業務の主力である渉外営業の機動性、効率性をさらに高め、顧客サービスの向上をはかるため、システムの一新を図ることとし、さまざまなメール、グループウェアシステムを検討してきた。その結果、既存のデータを移行し、機能を拡張する事が容易で、コスト削減がはかれ、営業担当者が携帯電話や携帯端末からアクセスできるなど柔軟に対応が可能な、グーグルが提供するクラウド・サービス「Google Apps」の採用を決定した。これにあたり、クラウド・サービスの実績豊富なCTCがシステムの導入を担当した。(伊藤忠システムソリューションズ:10年3月16日発表)
【コメント】企業がクラウドを導入することは、最近ではそう珍しいことではなくなったが、いざ具体的にクラウドを導入しようとすると、どこから手を付けていいか、皆目分らないユーザーも少なくないはずだ。果たして、セキュリティは大丈夫か?などと次々に疑問が生じてきてしまう。この解決方法は、「できるところから手を付ける」ということにつきよう。ここで最も手っ取り早く、成果も現れやすいのが、グーグルが提供するクラウド・サービス「Google Apps」の採用である。これなら、セキュリティもそう気にせず、導入効果も測定しやすい。
今回、トップツアーは、この方法を採用し、パートナーとしてCTCを選択した。CTCはグーグルが提供するクラウド・サービス「Google Apps」についてはプロであり、「Google Apps」のノウハウがない企業ユーザーの選択としては正解だろう。今回同社が導入したシステムは次の通り。①営業の作業効率と機動性を高め、顧客へのサービスを向上=営業担当者は、社外から携帯端末を使用してメール・スケジュールなどが確認でき、作業効率が大きく向上②全営業担当者がスマートフォンを活用=「Google Apps」で構築した社内専用サイト内の必要な情報をスピーディに検索できたり、既存システムのデータ照会を社外から可能にする③拡張性の向上とコスト削減=クラウド・サービスの導入により、最新の機能をいち早く導入することが可能となる。このため今後既存の機能に加え、動画共有、ドキュメントなどの新機能も順次導入していく予定。
トップツアーでは、今回クラウドとして「Google Apps」を導入したが、同時にスマートフォンを導入したことにも注目したい。スマートフォンは、携帯電話とは異なり、基本的にはパソコン機能をベースとしているもので、より高度な情報の提供や検索には威力を発揮できるはず。これからの企業システム構築には、最新の情報システムをいかにビジネスに取り込むかが、課題となろう。ブログなども単なる日記の公開手段と決め付けるのではなく、社員同士の最新データのやり取りに使うことで、一味違うシステムが構築できよう。今話題のツイッターもやりようによってはビジネスでも使えるのではないだろうか?
ところで、クラウド時代が到来すると、各企業の情報システム部門のあり方が根本的に見直されることが十分に考えられる。もう、従来の情報システム部門の考え方では、通用しない面も少なからず発生してくる。その一つは、国際化であろう。クラウドではサーバーがどこにあっても一向に構わない。そうなると、海外のサーバーでデータを処理することが出てくる。これからの企業システムの構築の基本はクラウドで、どうしてもクラウドで処理できないものだけを自社サーバーで、という時代が直ぐそこまで近づいてきているのかもしれない。(ESN)