寺社縁起研究会・関東支部

@近畿大学東京センター

第81回例会

2008年07月30日 | 例会履歴

2008.07.30 早稲田大学早稲田キャンパス

【研究発表1】『神道集』の本地説―巻五「春日大明神」を中心に―  有賀夏紀
【要旨】南北朝期ごろの成立とされる『神道集』は、しばしばその雑纂性が指摘される。そこで展開される神道論は、ひとつの立場によるものというよりは、さまざまな説をとりこんで編まれており、それゆえに、当時の信仰の諸相を垣間みることができる。本発表では、その言説の一端をとりあげ、中世神道説における『神道集』の位置づけをかんがえる。神々の本地を比較、検討しつつ、『神道集』の独自性に言及したいと思う。

【研究発表2】三条西実隆の寺社縁起読申  伊藤慎吾
【要旨】三条西実隆は寺社縁起にしばしば関与した。個人的な理由によるものがある一方で、禁裏の仕事としてもこれに関わっており、後土御門・後柏原朝期における寺社縁起の収集と制作、受容の中で実隆は重要な働きをしていたようである。中でも禁裏での縁起の読申はもっぱら実隆が担っていた。今回はその近臣としての意義と実隆以降の読申の展開とを考えてみたい。