縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

九州の旨いもの(その1):大分でふぐ肝を食す

2006-05-17 22:49:10 | おいしいもの食べ隊
 大分県はわが国で唯一ふぐ肝を食べることの認められた県である、○か×か?

 僕は、ずっと○だと思っていたのだが、正解は×である。ただ実態は○に近いようだが・・・・。
 
 そもそも食品衛生法に有害物質を提供してはならないという規定があり、この有害物質の中にふぐ肝を含めるという通達があることから、日本全国例外なく、ふぐ肝を提供する、つまり食事に出したり、販売することはできない。大分とて例外ではない。
 が、僕は大分でふぐを食べる、それもふぐ肝を薬味の入ったお醤油に溶いて、それでふぐ刺しを食べるのを(あん肝と同じ要領)、この上なく楽しみにしている。本当はどこの店が安くておいしいと紹介したいところだが、お店に迷惑が掛かってはいけないので今日は止めておく。もっとも大分でふぐを出す店なら、ほとんどの所でふぐ肝が食べられると思う。何故だろう。

 ほとんどの都道府県では食品衛生法を受け、ふぐ肝の扱いに関して条例で定めている。例えば東京では、ふぐ肝を販売した場合「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられることになっている。ところが大分には最近までふぐ肝の扱いに関する条例がなかった。そして漸くできた条例(食の安全・安心推進条例)にも特に罰則規定はない。無論、お店が肝を出して中毒でも起こせば営業停止になるが、事故がなければ、注意はされてもお咎めなしである。
 おそらく、これは大分県が自らの地域の食文化というか慣習に配慮し、ふぐ肝を食べることを黙認したためであろう。それだけふぐ肝が大分の人々の生活に根付いているのだと思う。大分では年中ふぐが食べられるし、極めて身近な魚のようだ。いずれにしろ、大分の役所は大らかである。

 実は大分以外でもお店でふぐの肝を食べたことがある。瀬戸内の某所だ。マスターは、今日は“ピンクの豆腐”があるよ、と言って出してくれた。旨い。マスター曰く、天然のふぐは訳の分からないものを食べているから危ないが、養殖物なら大丈夫とのこと。真偽の程は定かではないが、僕はまだ生きているわけだし、確かに毒はなかったようだ。

 さて、ここで疑問が一つ。大分の肝はピンクではない。どちらかというと茶色かくすんだ肌色といった感じだ。養殖物の肝とはえらく違う。じゃあこれは天然物?大分にはふぐ肝の毒をなくす秘伝の技でもあるのだろうか。連金術師ならぬ、連“肝”術師か。
 もし、そんな技があるなら、正々堂々、ふぐ肝を売りにしてはどうか。「ふぐ肝特区」を作るとか、公海上でふぐ肝を死ぬほど(?)食べる「ふぐ肝クルーズ」をやるとか。2泊3日ふぐ肝と関あじ・関さばの旅、とかあったら、是非参加したい。