Little Wing('07) / 安達久美クラブパンゲア

もう4月ですね。
最近新譜づいてますが、本日はギタリスト女子です。
ウチのブログにしては珍しく美形じゃないでしょうかネ・・普通ですか？すんません。
・・とりあえずタイプです。（笑）

全くもって素性を知らなかった彼女・・安達久美（あだち・くみ）さんは、あのScott Henderson（スコット・ヘンダーソン）のお弟子さんです。
・・それだけの予備知識とこのルックスにピーンと来てしまい、新譜が出るってんであちこちで探し回った挙句、ようやくネットでゲット出来ました・・しかもサイン入りだぜィ♪
本能的に凄いかもと思った私の勘は、久々の特大ヒットを生んだのでした。（爆）

彼女は、大阪府貝塚市出身で、現在かろうじて（爆）20代とのことです・・大きなお世話でしたか。
兄の影響で、11歳の頃からギターを弾き始め、メタルからブルースへ進んだ渋好みです。
19歳の頃スコヘンを慕ってMIに留学し、1年ちょっと師事したとのこと・・その後いろいろあって、今回晴れてデヴュー出来た訳ですね。

デヴューに際しては、ソロではなく“クラブパンゲア”という双頭ユニットで、相棒があの怪ドラマー（笑）則竹裕之氏なんですね。
この則竹氏・・ひ弱そうなルックスに似合わず、Vinnie Colaiutaに匹敵するくらい恐ろしい業師ですね・・言い過ぎかな？でも私的には大発見でした。
・・T-Square全然知らないもんで、失礼しました。
そして、ベーシストはご意見番の清水興氏・・浪花Expressなどでおなじみですね。私も大好きなグルーヴァーです。
あとキーボードは、サポート名義な割りに重要な位置を占める河野敬三氏・・よく知らないけどT-Squareの方だそうですが上手い！



浪花友あれ？どの辺が特大ホームランかというと、彼女のギターにゾクッと来てしまったんですわ。
・・多分Steve Vai以来の感触です。
最近仕事が忙しいせいかも知れませんが、#1の音を聴いて胸をうたれました・・ズキーンとネ。
大げさかもしれませんが、心のヒダというか魂に触れたような感触を覚えたんです。

決して速いとかテクニックが凄いとかいうのではなく、ハートに訴えるギターが彼女の持ち味なんだと思います。
渋い味ではなく、フレッシュで胸キュンって感じかもしれないですね・・いい意味で。

1.Little Wing
彼女がギターに出会ってから、それこそバイブルみたいに聴いてきたJimi Hendrixへのオマージュとのこと。
私は魂がこもった演奏にはどうしようもなく反応してしまうのですが、まさにこの演奏がそうです・・不覚にも涙が出ました。
すごく熱いです。ぜひ皆さんにもお聴き頂きたい・・切に願います。

2.Danjiri Funk
興さんのラップが効いてます・・腕を上げられましたね。（笑）
この曲は久美さん初のオリジナルとのことで、だんじりのSEから発展してゆくのが面白いですね。
最初の“Oh yeah!”は自身の声かな？
則竹氏のドラムも鬼気迫ってて凄いの一言です。

3.KITSUNE NO YOMEIRI
Cannonball Adderleyの“Mercy,Mercy,Mercy!”のパクリだそうです・・Zawinul参加の名曲ですね。
7拍子なのに妙に耳障りが良い曲です。

4.JUNK
LA時代の下宿があったハリウッドの一角のヤバイ雰囲気をイメージしたFunk一発・・ワウがカッチョええですね。
スリリングで重いリフと濃いソロが光ってます。

5.Air Pocket
香津美師匠の“遠州ツバメ返し”をちょいと連想させるような出だしですネ。
タイトルどおりいきなり遭遇したガクンって衝撃に戸惑う様が上手く表現されてますね。
・・飛行機は私も苦手です。

6.Gorilla Gorilla Gorilla
ゲスト・パーカッションの大儀見元氏が大活躍、興さんも大暴れ・・タイトルどおりのイメージですね。
ヘヴィーで私好みの逸品・・当然一押しです・・#1と同率でネ。
オクターブ奏法なんかもいい感じ・・ちょっとサンタナっぽい匂いもします。

7.PANGAEA
壮大なイメージですね。
かつて世界の始まりだったと言われる大陸の名を借り、広い宇宙の印象を音にしたような感じでしょうか。
若干攻めあぐねてる感もありますが、結構シリアスなイメージのギターですね。

8.Birthday Card
ジミヘンの“Star Spangled Banner”をイメージしたような“Happy Birthday”から始まるブギー・・ノリノリです。
ピアノ＆ハモンドっぽいキーボードが効いてます・・楽しげな曲ですね。

9.Cookie Monkey
サル山のおサルをイメージしたカリプソっぽい曲・・アッカるーくて楽しい曲ですね。
ゲスト・マリンバで一丸聡子さんが参加してます。
ベロ～ンってベースが面白いな。



スコヘンに1年程度師事したからといって、ギターの音までが師匠に似てしまうということはあるはずもないでしょう。
おそらく、彼からはそんなテクニック的なことより、いかに音楽を楽しむか、いかに自分を表現するか、ってことを学んだはずです。
この作品を聴いてて、そんな印象を強く受けました。
やはり女性としての身体的なハンデが音に出てしまってるのがちょっと残念ですが、それに勝る魅力的な音の表情というか、彼女なりの色が感じられるんです。
・・Jeff Beck御大のシグネイチャー・モデル使用というのも泣かせます。

あと余談ですが、彼女は深刻な持病を患いながら音楽活動をされているとのこと。
もしかしたらこの心地よい音は彼女の魂の断片なのかもね
これは本当に、ぜひ多くの方に聴いて頂きたい1枚です・・マジでネ。（笑）

彼女は、4/4大館市を皮切に、4/16貝塚市での凱旋公演までほとんど毎日続くＣＤ発表ツアーを予定されてます。
・・こんなハードなツアー、体は大丈夫なのかな？
神戸でも演る予定みたいですが、出来ることなら観に行きたいです・・んー。（涙）
がんばれ久美さん！陰ながら見守ってますよ。