D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Clinophobia('07)/ Devil's Slingshot

2008-05-25 15:44:18 | steve vai-connection
ここ数日、関西では天気が崩れっぱなしで、ちょっとブルーです。
という訳で(もないのですが、笑)本日はVai周辺の関連プロジェクトで、ちょっとヘヴィーなヤツをご紹介しましょう。

Steve Vai(スティーヴ・ヴァイ)が'01年秋頃に最強の布陣を揃えたバックバンドを結成しました。
その様子は彼のDVD“Live At The Astoria London”で観ることができますが、今回のバンドはその主要メンバー達のサイドワーク的プロジェクトのようなんです。
Devil's Slingshot(デヴィルズ・スリングショット)と銘打ったバンドで、こんな面子です。

personnel:
Tony MacAlpine(g,kb)
Billy Sheehan(b)
Virgil Donati(d,per)
guest:
Bunny Burnel(b on#8)

バンド名を訳すと“パチンコ”・・ちなみに指じゃなくゴムで撃つ方ね。(笑)

この作品“Clinophobia”は、“Mascot Records”というオランダのレーベルから昨年リリースされてます。
そのレーベルはギターミュージックに特化したインディーズで、Shrapnel系の方が多く名を連ねてますね。
Tony MacAlpine(トニー・マカパイン)が単独でも契約しているあたりから、バンド運営面では彼が主導的な立場だったのかもしれません。

マカパインとドラムのVirgil Donati(ヴァージル・ドナティ)は“Planet X”からの付き合いで、今回の鍵となったのはベースのBilly Sheehan(ビリー・シーン)の存在です。
彼は非常に多忙なため、ヴァイが自身のバンドに招聘するのにも数年を要していたと聞きます。
ビリー隊長のこのプロジェクトへ言及したインタビュー記事はいままで見たことがありませんので、想像するに'07年後半スポット的に限定されたプロジェクトであったと思われます。
さらに1曲Bunny Burnel(バニー・バーネル)にヘルプを仰いでいることからも、ビリー隊長の“時間切れ”を示す事実とも見て取れますしね。

ネットでこのバンドについて調べてみましたが、情報がほとんど無く経緯などは依然推測の域を出ません。
しかしながら、My Spaceでバンド専用サイトを開いており、'07年1月~11月の2ヶ月間にEU周辺でツアーを行っていたというのは確認できました。
・・でも個人紹介しか載っけてないんですよね。

tracks:
1.Nederland
2.Ballade de Bastille
3.Def Bitch Blues
4.Lay Off
5.Injustice Line
6.Ocean
7.Flamed
8.Hourglass
9.Aerial Perspective

“パチンコ”というタイトルからは程遠い音で、“重低音”がテーマなのかな。
個人のインプロよりもアンサンブル重視という感じですね。
#1“Nederland”や#2“Ballade de Bastille”あたりで既に方向性が俯瞰できると思います。
重いベースを軸に、(多分、汗)ドロップDで刻むギター・リフと変拍子の嵐へと誘う複雑なドラム・パタンの応酬ですね。
Planet Xがかなりスペーシーなイメージなのに対して、ドゥーム&ヘヴィー向きの音かもしれません。

その中で、一押しは#6“Ocean”でしょうか。
マカパインの一人ツインギターをフューチャーしたメロディアスなテーマで、曲想に合わせてメリハリのついたパート分けがされてます。
ビリー隊長の熱いソロが白眉。

また、#3“Def Bitch Blues”が少々異色で、香津美師匠が“The Spice Of Life”で演ってた“J.F.K”をもっとハチャメチャにした感じですね。
ある意味“Jeff's Boogie”みたいな“ソロ廻し”ならぬ“テーマ廻し”的な様相を帯びています。
タッピングを多用したプレイの応酬で、結構聞き応えがありますね・・ん、次点。

あと、#9“Aerial Perspective”なんてバンドらしい曲もありますが、#5、7なんてひたすらヘヴィーで地を這うようなサウンドが続くだけなのもあったりです。

1曲のみゲストがベースを弾いてるのがあって、#8“Hourglass”がそれ。
以前ご紹介した“Cab”のリーダーであるバニー・バーネルが弾いてるのと、最近デニ・チェンからドナティにドラムがチェンジしたあたりから、もしかしたらCabのマテリアルを流用して凌いだのかもしれないですね。
明らかに浮いてます・・この曲。

それから#4“Lay Off”ではベースに存在感が無さすぎで、これもビリー隊長が弾いてない可能性がありますね。


ま、何だかんだ言ってても分らないと思いますので、よろしければYouTubeなどでご覧下さい。
ビックリするくらい沢山の画像がアップされてますのでネ。(笑)



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