D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Angel Eyes('97) / 山口 武

2009-01-25 13:04:30 | guitarist
今朝寒いと思ったら、やはり雪が積もってました。
それに、最近周囲で風邪やインフルでバタバタと倒れる人が続出中。
先週後半から、かく言う私もかなり来てたりします・・喉痛てェ。

そんな訳で若干ローテンションな本日は、またもや懐かしい方のお話で行ってみたいと思います。
私の学生時代のギターの師匠である山口武(やまぐち・たけし)師匠の作品を紹介しましょう。
師のソロ4作目となる“Angel Eyes”で御座います。

私と師匠の出会いは、大学2回生の頃でしたか・・'80年代半ば頃になります。
当時師の根城の一つであった京都北山通の“RAG”というジャズ喫茶みたいなライヴハウス(多分もう無いと思いますが)に押しかけてお話したんでしたね。
自宅でギターの教室を開かれていたので、同じくらいのレヴェルの方2人と一緒にレッスンを受ける感じでした。
以前チョロっとこのブログにも載せた私のStingleyⅡが、当時かなり酷いフレット音痴だったことをすぐに見抜き、知り合いのリペアマンを紹介してくれたり、なんて事もあったなぁ。
ちなみに、この時一緒に習ってた方から初めてHoldsworthの音源を頂いたのでした・・ほんま、懐かしいなぁ。(笑)

余談はさておき、師のプロフィールを少々。
'53年4月1日京都出身・・もう56歳ですか。
伝説のアン・ミュージック・スクール京都校第1期生だったそうです。
'88年から'92年まで、人生のリセットをするため単身NYに渡り、色んな活動を通して幅広いコネクションの形成に成功されたようです。
現在は、東原力哉氏、清水興氏らとのトリオを中心に、バリバリ現役で活躍中・・のはずです。
Jimi Hendrix命なのに、演ってるのはハードバップ系フリー・・面白い方でした。
・・頑張ってくださいね、ほんまに。(笑)


【アフロ時代が懐かしゅう御座います(爆)】

personnel:
山口 武(aco-g)
Ron Carter(b)
Andy Ezrin(pf on#11)
Lewis Nash(d on#11)

基本はロン・カーターとのアコースティック・デュオ形式で進められています。
ラストのみピアノ&ドラムスを加えたカルテットで、この頃CMに採用されてた紳士服エフワンの別ヴァージョンを演ってます。
師は基本的にエレクトリック系だったハズで、GibsonES-335をメインに使っておられました。
NY修行中にシングル・コイル系やガットギターなどにも開眼されたようで、近年はこの辺のアイテムを好んで使われておられるようです。
しかし、何を弾いても、太くてパワフルな音なのが面白いですね。

tracks:
1.Angel Eyes
2.A Warm-Hearted Woman
3.Receipt Please
4.Mojito
5.Blue Moon
6.Willow Weep For Me
7.Out Of Nowhere
8.Memories Of A Little Finger
9.Someday My Prince Will Come
10.Stardust
11.F-One(Quartet Version)

個別にどうのこうのいうような類の曲構成ではないですね。
・・淡々と進んでゆく感じ、というのか、ライヴの乗りというか。
Jim Hall&Ron Carterの“Alone Together”というデュエット作があるんですが、まさにそんな感じでしょうか。
ただ、ガットギターの鋭角的な音色が、ホールのコモリ気味な音色と対照的ですね。
私が生徒だった頃、この“Alone~”に収録されてる“枯葉”を徹底的に教わりました。
#1“Angel Eyes”のサビ部分が、その“枯葉”に非常に良く似てるなぁと感じます。
そして#3“Receipt Please”もモロ“Alone~”からのチョイスですね。
この曲は私も凄く好きです。
有名どころのチョイスはカーターに配慮したのかな。

オリジナルは3+1曲・・#2,4,8それに#11のみですが、これらがやはり聴き所じゃないでしょうかね。
特に、#8“Memories Of A Little Finger”なんてのは状況が見えて来るようで、凄く素敵なバラードに仕上がってます。
続く#9“Someday My Prince Will Come”もドリーミーでいい感じですね。
で、#11“F-One”は“ああ、あれね・・”と思われる方も多いのでは。
関西圏のTVでも結構放映されてたCM曲だもんでネ。
本人とカーターが揃って出演されてたアレですわ・・って、分らんか。(涙)

そんな感じで、Jim Hall、Burney Kessel、Tal Farlow、Wes Montgomeryあたりが好みの諸兄にはぴったりの作品だと思いますよ。


薄情な弟子なもんで、今更連絡を取れるような状況ではないのが、ちょっと寂しいですが。
草葉の陰で、今後も静かに師の活躍を見守りたいと思います。
・・おきばりやす、師匠。


最新の画像もっと見る