遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

悲鳴(現代詩)

2017-10-09 | 現代詩作品

はっときずくと
安楽椅子にもたれたまま
私にもどる
一瞬の闇、いかにも
甘い記憶が拭い去られるとは信じがたい
無言の時の欠落に
魅入られていた
くらくらするような喪失感に
どことなく
酔いしれていたわけではなかった


部屋の色も匂いも
かわりもなく
このまま向こう側の
見えない意味の漂流という
観念にあまえながら
見ようとする空しい意識の切迫に
切なさを滲ませて
おそらく無駄な空気感を突き抜けてく
ここにはいない人のことが
よみがえるのだろう


瞬間の
まぶしい午後のひかりのなかで
おそらく死の儀式が
ひっそりとゆきすぎるのを
みおくるために
おきあがろうとする
異色な彼の疲れ切ったゆらめきは
影もしらない
反目する安楽椅子に抱かれたままの恐怖、闇の手か?
青ざめた悲鳴が天井を走る


(上の写真と詩は直接の関係はありません)


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