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ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

フミタケありがとう

2006-11-25 11:41:47 | サッカー
晴れ。

FC東京の三浦文丈選手が引退を表明した。
報道によると「余力のあるうちに、華のあるうちに愛着のあるチームで引退したかった。他のクラブに移るつもりは全くなかった」と語っていた。
Jリーグ発足時からの選手がまた一人引退する。日本のサッカーは確実に次の時代へと向かいつつある。

フミタケは僕よりも4歳下だがほぼ同年代といっていい。
アマラオが移籍した後、東京の最年長選手として、同世代として僕にとって希望の星だった。

僕らはフミタケがいつも胸のエンブレムをこぶしでぽんぽんと叩くとき、
「気持ちで闘うんだ、気持ちはいつもチームとともにあるだ、みんなで闘おう」というメッセージを受け取った。
そんなフミタケに勇気をもらった。フミタケの頑張る姿を見て俺も頑張らなきゃなと思った。

Jリーグ出場295試合。300試合出場の金字塔を前にしての鮮やかな引き際に敬意を表したい。フミタケらしい幕引きだ。
志半ばで別の人生を歩む選手も多い中で、引退の直前まで現役でトップリーグのピッチに立てるフミタケは幸せだし、
それを全うしたすばらしいプレイヤーだった。
今後は指導者としての道を歩むという。ぜひとも今度は監督としてJリーグの舞台に戻ってくることを願ってやまない。

最後のホーム試合、浦和の優勝云々ではなくフミタケのために明日は勝とう!

フミタケ、長い間お疲れさま。第二の人生も実り多いものとなるよう祈っております。

J1第32節 FC東京対横浜F・マリノス(調布・味の素スタジアム)1-2

2006-11-23 21:35:35 | サッカー
曇り。

優勝も降格も関係のない一戦。
同じ勝ち点で並ぶ両チームだけに勝てば相手よりも上にいけるというのがとりあえずのモチベーションか。
スタジアムの空気もどことなく緊張感に欠けていて静かな幕開けとなった。
開始直後に立て続けて3つのCKを得るなど序盤は東京が優位にゲームを展開した。

それにしても低調なゲームだ。お互いにこの順位にいるのも仕方のないような前半のゲーム内容。
パスの精度、ポジショニングの精度、シュートの精度・・・、どれもが少しずつずれていてそのたびに興がそがれる感じ。
横浜にしても東京にしても各世代の代表に選ばれるような優秀な選手が多いのに、チームとしてのコンビネーションが悪いのだ。
このあたりが優勝争いに絡めないところなのだろう。
特に今年の横浜は組織的で粘り強い守備が影を潜めてしまって怖さを感じない。
ルーカスがPKを決めて東京が1点を先制したものの、双方に得点の匂いがしないまま前半を終える。

後半も五分の戦いとなった。カウンターの応酬で双方とも決定機を逃すなど、焦点は次の一点がどちらにはいるかに絞られてきた。
追加点を取れば東京だろうという気はしたが、今の東京には横浜を相手に1点を守りきる力はない。
だから同点にされる前に追加点を奪わなければ相当に苦しくなるだろうし、おそらくは守りきれないだろうな、という予感が的中した。
土肥のはじいたこぼれ球を途中出場の奥に押し込まれ同点。
残り十数分をどう凌ぐのか、あるいはもう一点取りに行くのかおそらくは意思統一を図る前の失点だった。

試合はロスタイムにCKを那須が頭で合わせたボールが飛び出していた土肥の頭上を越えてゴールに吸い込まれて万事休す。
劇的な勝ち方の後に劇的な逆転負けを喫するところがいかにも東京らしい。

浦和が勝ってガンバが引き分け。川崎は負けて優勝戦線から脱落。
次節ガンバが勝って浦和が負ければ、優勝の行方は最終節での直接対決という劇的な展開に持ち込まれる。
Jを最後まで面白くするかどうかのキャスティング・ボードをまたも東京が握ってしまった。
目の前で優勝は見たくない。
思えば去年も最終節でガンバに加勢した東京。さて今年はどうなるか。
でも、今年の浦和は磐石だからなあ・・・。

J1第31節 ジュビロ磐田対FC東京対(磐田・ヤマハスタジアム)4-1

2006-11-18 22:36:13 | サッカー
去年ぐらいからの東京の特徴として顕著なのは早い時間帯に先制されるということ。
序盤のまだ落ち着かないうちに点を取られてばたつく。もたもたして追加点を奪われて前半終了。
後半にやおらエンジンがかかって慌ててまくる。
そういう意味では今日も典型的な東京の試合だった。

それにしてもジュビロは強かった。数年前のあのジュビロが戻ってきたような感じだった。
緩急自在。中盤でしっかりとパスを繋ぎ、東京のDFとGKの間、MFとDFの間といったところを突いてくる。
東京のコンビネーションのギャップを抜け目なく狙ってきたところなどは、スカウティングの賜物だろう。
前線で流動的に動いてマークをはずしては東京のDF陣を混乱に落としいれた。
特にサイドでフリーになる局面が多く、そこを起点にたびたびチャンスを作った。

ポゼッションと速攻で前半を2-0で折り返すと後半は徹底したカウンター狙い。
こうなると東京はいけない。ボールを持たされて攻め込むもののゴール前でことごとく跳ね返される。
ジュビロのプランどおりのゲーム運びに東京がまんまとはまった感じ。

東京は結果的には決めるところで決められなかったのがすべてだった。
戸田がとにかく拙い。少なくとも決定機を4回は逃していたと思う。
1対1でしっかり決められてこそのストライカーだが、あれではなあ・・・。

そして、増嶋、伊野波のCBコンビはもう一度しっかり作り直す必要がある。
ジャーンと茂庭に伍する安定感を確立しなければ来年以降の東京も危うい。
年代別の代表に選ばれるポテンシャルを持った二人であればできるはずだ。

ジュビロのうまさに完敗だったが、4失点をしっかり反省して欲しい。
まずはしっかりとした守備から。中盤は汗かきを厭わない。
前線はしっかりと押さえてシュートを。
しっかり走って来年への布石を打っておきたい。

J1第30節 FC東京対川崎フロンターレ(調布・味の素スタジアム)5-4

2006-11-12 01:55:55 | サッカー
雨。

原元監督は「2点取られたら3点とって勝てばいい、3点取られたら4点とって勝てばいい。
東京のような他に娯楽の多い巨大な街ではエンターテイメント性の高いサッカーでなければお客は呼べない」
と常々話していたが、今日の試合はそれを地で行くような展開だった。

しかし今日は最終的に勝負には勝ったが、内容的には完敗だったのではないか。
東京の逆転劇は相手の2人もの退場に助けられたものであり、不可解な判定によって試合が崩れなければ4対1にした時点で川崎完勝の流れだった。

今日は試合前から打ち合いになるような予感がしていた。川崎は優勝戦線に踏みとどまるには勝たねばならない重要な一戦だし、
東京はで去年も演じて見せた、上位いじめで存在感を発揮するということでモチベーションも上がっているだろうから、
お互いが前に出てくる展開が予想された。

案の定、前半から中盤での競り合いの激しい展開となった。
ボールが行き交う濃密な展開だったが、伊野波、増嶋の若いCBコンビがジュニーニョ、我那覇といったところを抑えきれず早い時間帯に失点する。
前線の二人を抑えても後ろから飛び出してくるマギヌンや中村にはてこずったし、さすがに上位にいるチームの勢いを見せつけられた。
前半を3-1で折り返したところで、正直なところ今日は難しいかなと思った。

更に後半早々1点追加されたところで、勝負はあったかと思われた。
川崎にとっては無理に押し上げる必要もなくなったわけで、東京は相当に苦しくなった。
それでも東京は馬場のすばやいFKを戸田が流し込んで懸命の追い上げ。
ところがその直後ジュニーニョが2枚目の警告を受けて退場。ここから試合の行方が混沌とし始めた。
東京のベンチは、石川を下げて鈴木を投入、続けて宮沢、平山を投入した。宮沢のキックを平山に合わせようという意図か。
作戦は奏功し平山のヘッドで1点差に詰め寄る。

この直後マルコンが遅延行為で2枚目の警告を受けてこの試合二人めの退場。
この時点で84分。東京は俄然押せ押せになる。
川崎は防戦一方となり東京の同点は時間の問題と思われた。そしてロスタイム。川崎の時間稼ぎもあって6分という長いロスタイムが取られた。
そしてようやくそのときが来た。宮沢の起死回生の同点弾。さすがにここまでかと思われたが、ドラマはまだ終わりではなかった。
ロスタイムも終了間際、ミドル・レンジから今野が放ったシュートが線を描いて川崎ゴールに吸い込まれていった。
そのままタイムアップ。

まるで絵に描いたような結末。東京は前回ホームのガンバ戦に続いてあまりにも劇的な逆転劇を演じて見せた。
しかし、それでも決して後味のいい試合ではなかった。
もっと敷衍してこの試合の意味を考えると、終盤のJリーグはこれでつまらないものになってしまった。
つまらなくしてしまったのは拙いジャッジだった。
前半の展開を見る限りここまで荒れる要素のある試合ではなかった。順当にいけば川崎のワンサイド・ゲームだった。
不可解なジャッジからたびたびゲームを切り、不必要なカードを乱発し、そのバランスを別のところで補おうとするレフリーによって、
選手は惑わされ、精神的に疲弊してしまった。川崎の露骨な遅延行為もジャッジがその誘因になったことは否めないと思う。

結果的にレフリーは試合をコントロールすることに失敗した。
それによって今回はたまたま東京のほうにプラスに作用しただけで、逆の結果を招いても決しておかしくはなかった。
こういうジャッジが繰り返されるとリーグ自体をつまらなくしてしまう。
フェアな形で戦えなかった川崎は気の毒としか言いようがない。

ガンバが鹿島に完敗し、浦和は横浜にしぶとく勝った。
このまま浦和がいってしまうのか。

第86回天皇杯サッカー4回戦FC東京対バンディオンセ神戸(調布・味の素スタジアム)7-0

2006-11-05 23:27:48 | サッカー
晴れ。

触れる機会がなかったので最初に、テレビ観戦した先日のナビスコカップの決勝戦のことを書いておこうと思う。
ファイナルらしい緊張感のあるゲームだった。やはりファイナルのあの独特の雰囲気はいいものだ。
互角の戦いでこれは延長までもつれるかと思ったが、アマル・オシム新監督のもとで「勝ちたい」という強い思いが勝った千葉が鹿島を振り切った。
鹿島は運にも見放されていたが、現在置かれているチームのトータルでの勢いの差がそのまま出たと思う。
それにしても阿部は精悍さを増し名実ともにチームのリーダーになった。ここ最近の成長を感じさせる選手だ。
ジェフ千葉の関係者の方々に心からおめでとうと申し上げたい。

さて、今日の天皇杯。
ここ数年東京は毎回天皇杯の緒戦にはてこずる。
相手が格下と舐めてかかっているわけではないのだろうが、どうもおっとりと相手に合わせてしまう。
そのあたりもやはりメンタリティなのか。
まあ、そんなことも含めて違うカテゴリーの相手との対戦も楽しめる天皇杯の緒戦はやはり楽しみだ。
4回戦の観客動員が少ないのが私にとってはむしろ不思議なくらいだ。

バンディオンセが3回戦で横浜FCを破った試合はテレビでたまたま見ていたが
しっかりとしたディフェンスからカウンターを仕掛けてくるところなどははつらつとしたチームだった。

相手を十分スカウティングできていない、ということもあるのだろうが序盤はどうしても様子見というか、
自分たちのペースを掴みあぐねていてぎこちない。
バンディオンセにとってはJFLの上のJ2のそのまた上の相手であるから、ある種の開き直りで積極的にアタックしてくる。
フィニッシュに至るところでの拙さはJのクラブとは比べるべくもないが、
それでもディフェンスの背後を狙われるシーンもあったりして、決して簡単な相手ではない。

15分ぐらいまでそんな感じでバタバタとした展開になったが、相手のミスで増嶋のゴールが決まった17分ごろから、
ようやく落ち着いてボールが廻るようになってきた。
33分にルーカス、43分に馬場と小気味よく加点して前半を折り返してからは完全に東京のペースとなった。

後半も約10分おきに点を加え、終わってみれば7-0と堂々と格の違いを見せ付けた。
たぶんに相手にボールを持たせていた時間帯もあったが、決定的なシーンを何度か作られたのは課題か。

バンディオンセは前半の3失点が重くのしかかって自分たちのサッカーができなかった。
特にディフェンス面に課題があった。DFとGKの間にボールを入れられたときの処理があいまいで、そこで再三ピンチを招いていた。
東京が長めのボールをディフェンスラインの背後に入れてきたときの処理の約束事がなかったようだ。

塩田が久しぶりのスタメンながら安定感のある仕事をした。土肥の後継者として申し分のないキーパーに育ってきたのが嬉しい。
そして馬場の好調ぶりも終盤戦に向けての好材料。
ノリオも復帰して豪快なゴールを決めてくれたし、今日の修正点をしっかり確認して来週は川崎に一泡吹かして欲しい。

J1第29節 大宮アルディージャ対FC東京(さいたま市浦和駒場スタジアム)0-1

2006-10-28 23:58:52 | サッカー
晴れ。

先週の大逆転劇とはうって変わって、今日はとても地味な展開となった。
駒場での大宮戦。実は駒場に出かけるのは初めてだった。
穏やかな秋の昼下がり。浦和駅からのんびりと歩いて駒場に着くとすでに両ゴール裏は結構な入りになっていた。

開始直後の一分。相手陣内の右側で得たFKに今野が頭で合わせたシュートがするするとゴールに吸い込まれた。
なんともあっけない得点。キックオフ直後相手GKの荒谷は秋の西日をまともに受けることになった。
もしかしたら光が目に入ったのかもしれない。ほとんど一歩も動けなかった。

このゴールで東京は活気付く。
石川はドリブルでサイドを切り開き、馬場は元気よく駆け回って前線でボールを奪取。ルーカスも惜しいシュートを放つ。

しかしながら決め手を欠く。大宮も深い守りからなかなか攻めのリズムを作れないまま前半を終了する。
今シーズンの東京は先制されることが多いし、先制しても追いつかれて折り返しというパターンがとても多い。
今日のような引き締まった展開は珍しいなと思う。

後半も東京はまず守備意識を保ちながらなるべく高い位置でチェックに行く。
大宮は不用意なミスからボールを奪われてなかなかリズムを作れない。
東京は茂庭が負傷退場する。三浦を入れて今野をCBへとスイッチ。
今野が積極的に攻撃参加していただけに少し心配になる。

大宮も斉藤を投入したあたりから中盤でボールを持てるようになってきてカウンターの応酬の様相を呈してきた。
ただ、両チームとも決定的なチャンスを何度か作りながらフィニッシュの精度を欠き、時間が過ぎていく。

東京はルーカスが下がってボールをとりに来るので前線の枚数が足りず攻撃のコンビネーションが機能しない。
本来ならここで平山を投入するなどして前線でタメを作りたいが、茂庭の怪我で交代枠を使ってしまったので積極的な交代ができない。
藤山を増嶋に代えたところで、1点を守りきる作戦に出たのだろう。
大宮のミスに助けられたが何とか凌いで守りきった。

終わってみたら1点を89分間かけてひたすら守り抜いた試合だった。
いつぶりだろうと思うぐらいの久しぶりの完封試合。
しかし、常勝チームになるにはこういう決して良くない出来でも凌いで耐えて勝ち点を拾っていくというのが大事だと思う。
実際、今日はしっかりと意思統一された守備の意識が強く、それがぶれなかったというのが大きな収穫だった。


J1第28節 FC東京対ガンバ大阪(調布・味の素スタジアム)3-2

2006-10-23 23:37:59 | サッカー
先週の広島戦の後に私は東京は2点差の罠に陥ったと書いた。
また、あとに残る負け方をしたとも書いた。
今日2点差の罠に陥ったのはガンバだった。
そして、先週の負け方を一蹴した東京のこの勝ち方には度肝を抜かれた。
全くサッカーは、FC東京は面白い。これだからやめられない。

年に一度あるかないかの劇的な勝利。こういう試合のためにSOCIOを続けているのだ。
怪我明けでいきなり左足で弾丸シュートをぶち込んだノリオ。
この同点シュートが決まった瞬間、喜びを爆発させて飛び上がっていたら
思い切り足を踏みはずしてくじいてしまい、痛いのなんの!
痛くて堪らないのに嬉しくて泣き笑い、生まれて初めての奇妙な感じ。

残り13分で2点差をひっくり返したゲームは見ている者にとっては劇的だしドラマとしては最高の筋書きだと思う。
観戦者として純粋に楽しめた試合だった。

しかし、チームとしてみたときには決してほめられた内容ではなかったと思う。
播戸とマグノアウベスというフリーにしてはいけない二人にまんまとゴールを決められる。
早い時間帯での失点が多い。立ち上がりの失点というのはほんとにがっくりとくる。
ガンバは浦和を追走するためにどうしても落とせない試合だし、最初から攻勢をかけてくることは予想できたはずだ。
前線から激しくチェックに来るし、中盤で奪うと二川や橋本、加地あたりが飛び出してくる。
東京は攻撃陣と守備陣が完全に寸断されてしまい、広島戦のときの悪い形から脱しきれていない。
ガンバのパス廻しに翻弄された前半だった。

平山とルーカスの縦の関係もあまり機能しないまま、後半早々に平山を下げて馬場を入れ、ルーカスをトップに。
後半10分を過ぎたところからガンバ陣内のいわゆるバイタル・エリアで東京が少しずつセカンドボールを拾えるようになってきた。
東京はガンバのような攻撃的なチームには概して分がいい。
過去ガンバとは打ち合いのゲームを何度もやってきているし、これは案外こじ開けられるかもしないと思った。

更に前半の攻勢が祟ったのか、徐々にガンバの運動量が落ちてくる。
馬場が前線で走り回るのを抑えきれなくなり始めた。
それでも時計は刻々と廻って、さすがに厳しいかなと思った。
それを察したかのようにバランスを捨てて前線に上がってきた今野がキーパーをかわし無人のゴールに流し込む。
この時点で残り13分。でもゴール裏の雰囲気はここで俄然ヒートアップする。
なんとなく、なんとなくなのだが負けるような気がしなくなってきた。
このあたりが勝負のあやであろう。
ほぼ勝てると思ったガンバは1点を取られて受けに廻ってしまった。
3点目を取れなかったことが完全に裏目に出た格好。
1点差に詰め寄られて焦りが出てしまった。

そして3ヶ月ぶりの鈴木が突き刺した強烈なミドル。鳥肌が立った。
これでさらにイケイケになった東京がついに逆転。石川の技ありのゴールだった。

こういう試合になるとなぜだか訳もなく涙が出てくるのだ。
そしてそういうタイミングで歌い始めたYou'll never walk alone
ロスタイムを声を枯らして選手を鼓舞し続けた。
本当に痺れた試合だった。

でも次はもう少し楽な形で勝って欲しいと思う。
ドラマはめったにないからこそ感動するのものだから。

J1第27節 サンフレッチェ広島対FC東京(広島・広島ビッグアーチ)5-2

2006-10-16 22:49:57 | サッカー
サッカーではよく2点差が最も危ない点差といわれる。
3点差あれば気分的にも楽だし何とか逃げ切れる。逆に1点差ではロスタイムだって気が抜けない。
じゃあ2点差はというとこれは状況によりけりなんだと思う。
だからその状況分析をきちんと踏まえた上で、どの段階では3点目をとりに行く、どの局面では守備を固める、
というコンセプトがないと2点差というのは案外簡単に崩壊してしまう。

昨日の東京はまさにそういう2点差の罠に陥ったものと思われる。
東京はセットプレーからジャーンがヘッドであわせて1点目。2点目は梶山の豪快なミドルと早い時間帯に2点をもぎ取る。
ここまでは先週からの流れを引き継いでいい形で入れたと思う。

前半の早い時間帯で2点差にしたということで広島が前がかりになることは容易に想像ができた。
前半のうちに少なくとも1点差にしておきたいと思うはずだ。
だから東京は2点差としたところで一旦ボールを落ち着かせて、しっかりと守備の連携をとりつつ相手をいなすことを考えなければいけなかった。
相手にボールを持たせながらも、最後のところではポイントゲッターのウェズレイ、佐藤をしっかり抑え込む。
前半は何としても2点差を守りきり、後半効果的なカウンターで3点目を奪いに行く。完全に守ることを考えるのは30分過ぎだろう。

しかし、東京は2点差になって広島が攻勢をかけ始めても一向にリズムを変えない。
妙な気の緩みがあってか、受けに廻って「こんなはずではない」という混乱からずるずるとラインを下げてしまう。
そして、当然注意しておかねばならない佐藤にやられてしまう。

取られる人に取られるべくして取られた。しかも佐藤は直前の接触プレーで負傷しながらである。
考えてみると今年の東京にはこういうパターンが実に多いような気がする。
あまりにも真正直。いかにも芸がない。

広島は駒野も負傷退場し俄然意気が上がっただろう。
結局、東京は守りきれなかった2点差の亡霊を引きずってずるずると滑り落ちてしまう。

後半開始から平山に代えてルーカスを投入する。平山の調子は決して悪くなかったと思う。
実際ジャーンが決めた1点目はその直前で平山が高さを活かして相手GKの動きを封じたからだ。
極端に運動量が落ちたわけでもなく、皆がシンプルに平山をターゲットにしていただけにルーカスへのスイッチには首を傾げたくなった。

前半、佐藤がゴールを決めてからは中盤でボールを持たれていたわけだし、両サイドの動きが今ひとつだったことを思えば、
戸田か石川を下げて、今野を守備に専念させた上で、
ルーカスと梶山の二人でできるだけ前でボールを裁いてもらう必要があったのではないか。
試合勘も今ひとつなルーカスを入れてまでワントップにこだわる必要があったのか。

かくして中盤のプレスが効かなくなり始め、結局最終ラインに中盤が吸収される。トップが孤立する展開。
中盤でボールがキープできないからルーカスもずるずると下がってくる。
あっという間に同点そして逆転。一気に崩壊してしまった。

ストラテジもタクティクスもプランもない戦い方。
あとに残る負け方をしてしまったと思う。
胸突き八丁はまだ続く。それはそれで実に興味深い状況に立ち会っているという気はするのだけど・・・・。

J1第26節 名古屋グランパスエイト対FC東京(名古屋・名古屋市瑞穂陸上競技場)1-2

2006-10-08 13:05:50 | サッカー
晴れ。

名古屋とのアウェイ戦をテレビ観戦した。
といってもキックオフのころは所要のため外出していて夜中の11時ごろからビールを片手に録画を見始めた。

目下東京は6連敗と前人未到(?)の領域に入ってきた。
このままずるずるといってしまうのか、何かを変えることができるのかそろそろ分水嶺に入ってきた。
アウェイ戦が2戦続くわけだがその後はガンバ、川崎、浦和など上位陣との対決が残っている。
このあたりで立て直しておかないと難しくなっていく。
もはやJ1残留しか目標はないのだからそこはシンプルに勝ち点を積み重ねて安全地帯に入ることだけを考えていけばよいのだ。

その何かを変えるキーとなったのが選手起用にあったのではないかと思う。
三浦文丈を先発させたこと。倉又監督が何かをてこ入れしなければいけないと考えたキーマンが彼の先発起用だったと思う。
相手に点を取られるとずるずるといってしまう若くて脆弱なメンタリティを落ち着かせるのは彼のような経験のあるベテランの存在だろう。
中盤の底で前と後ろをうまくコントロールするには年長者でもありチームメートからリスペクトされる彼のような存在があってこそだ。

また今節ようやく茂庭が戻ってきた。茂庭はここ2年ぐらいの間に本当に守備の要となった感がある。
ディフェンスラインを統率する彼の守備は本当に安定感がある。
数年前茂庭がボールを持つとはらはらしていたのが遠い昔のことのようだ。
左SBには地味ながらピンチの芽を摘む、これもベテランの藤山が入り、ようやくディフェンス陣が整ってきた。
好調のヨンセンをしっかりマークし、杉本の抜け出しを阻止すること。
中盤から走りこんでくる中村や本田、藤田など中盤のタレントも怖い。
しかし今日はこのヨンセンをしっかりと抑え、中盤での球の取り合いにも負けなかった。
こぼれ球もしっかり拾えたし局面で競り負けなかったことが大きかった。

それでもチームとしての連動性はジェフ戦のときを100としても70ぐらいの感じだろうか。
中から外へ外から中へ、その絡みのなかから前に速く楔が入るという畳み掛けるような攻撃が見られなかった。
復帰した石川の動きがいまひとつだし、サイドバックとの連携もまだまだ。

ルーカスの怪我により今日も先発出場した平山は「ごっつあんゴール」とはいえゴールも決めたし、徐々に良くなってきている。
懐の深さでしっかりボールをキープできるので、攻撃のオプションが確実に増えた感じ。
決勝点は彼がペナルティエリア内でしっかりとキープできていたことで、相手のミスを誘ったし石川が走りこんでくる時間を作れた。

苦手の瑞穂で初めて勝ったというのは大きい。まだベストには程遠い出来だったと思うけどどんな形であれ今は勝つことが大事。
とにかくシンプルに勝ち点を積み上げること。そういう考え方に立てば、中盤でしっかりボールを拾い、
危ないと感じたら多少ラインを下げてでも凌いだ、今日のような現実的なリスクマネージメントは理にかなっている。
今は多少面白くなくても現実的に耐えること。
多少不恰好でも勝てるようになってくれば、面白いサッカーはこれからいくらでもトライできると思う。
平山みたいな選手が入ってきたことで楽しみは増えたのだし、今は耐えながら勝ち点を拾っていこう。
そんな思考の転換はサポーターにも求められているのだと思う。

J1第25節 FC東京対アルビレックス(調布・味の素スタジアム)1-4

2006-09-30 21:57:27 | サッカー
晴れ時々曇り。

FC東京は目下5連敗中。しかし先週の鹿島戦は旅行中で結果のみを現地でフォロー。
アウェイの試合を長らく見に行っていないので、この連敗中の試合は甲府戦だけしか見ていない。
したがって、ゴール裏の雰囲気や選手の様子など連敗中のチームを取り巻く環境というのが今ひとつ掴めていないまま、
久しぶりにホーム味スタに出かけた。

スタンドは表面的にはいつもと変わらない雰囲気だったと思う。
マスコミは大挙して平山のJリーグデビューを取材に訪れていたが、サポーターの方がむしろ冷静に受け止めていたと思う。
いかに早熟で鳴り物入りの大器であろうとまずは東京の一員としてしっかりと機能するのかどうかを見極めたいというところであろう。

結論から言えばことごとく「ズレ」を認識させられるゲームだった。
パス交換するときの選手同士の意識のズレ。
マークのズレ、ボールへの一歩のズレ(遅れ)、セカンドボールへのズレ。
ひいてはチーム個々の意識のズレ。戦術のズレ。
選手たちの能力は他のチームと比べても決して遜色はない。
客観的に言っても実力のある選手ばかりだと思う。
しかし、チームとしてとらえたときのわずかなズレ、無意識の齟齬がとてつもなく大きな障害になっている。
小さな一つひとつのズレが積み上がって、自分たちでもコントロールできないものになっているのではないか。

1点目は平山のポストプレーを起点に川口が放ったシュートが見事に決まった。
さらに2点目をと意気が上がり始めたところを、その出鼻をくじくかのようにわずか2分後に失点。
カウンター気味の速攻から東京ディフェンス陣のズレを突いたものだった。

序盤いい形で先取点が取れたのに、その勢いを削ぐような同点で早くも東京のプランが崩れる。
その後わずか5分後に逆転を許す。同じような素早いカウンターからディフェンス陣の混乱を突いた逆転弾だった。
前半は追いつけないまま終了。思えば前半で追いつけなかったことが勝負の分かれ目だった。

話題の平山は確かに体の切れに乏しく、万全には程遠いコンディションのように見えた。
それでも随所に見られる安定したポストプレーにはその大器の片鱗を伺うことができた。
少し時間はかかってもフィットしてくれば大きな財産になるのではないか。

後半は結局追いつけないまま、74分に松下のミドルシュートが決まり万事休す。
中澤が与えたPKからの4点目で完全に東京に引導を渡す。
ホームでの新潟戦には自信を持っていた東京が、今年はしっかりとリベンジされてしまった。

これで泥沼6連敗。依然として下位3チームとの勝ち点差に開きがあるものの、
残り試合数と今後の対戦相手を考えるとまったく予断を許さない展開となってきた。
だがこれも考えようで、優勝にも降格にも絡まずにグダグダとシーズンを終わっていくよりは降格争いであっても、
ひりひりとした緊張感の中でサッカーをやる方がよっぽど選手のためにはなる。
しかし、そうした屈辱を選手は深刻に受け止めてほしいと思う。
もうあとがないと思った方がいい。