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ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

J1第4節 柏レイソル対FC東京(柏・日立柏サッカー場)0-2

2007-04-02 22:14:02 | サッカー
一年でJ1に復帰した柏が元気よく快進撃を続けている。
去年の柏は文句なくJ2を制したわけではない。
横浜FC、神戸と激しいデッドヒートを繰り広げて最後までもつれ込んだ上での昇格だった。
だがしかし、そんな中で少なからず選手もサポーターも揉まれ強くなったのではないか。
彼らは精神的なたくましさを身につけてJ1に戻ってきた。
1年ぶりに柏と対戦してみてそんな思いを強くした。
一昨年の柏は最悪だった。勝てないチームに、サポーターと選手、フロントとの関係も悪化し泥沼の様相だった。
しかしJ2で彼らはいい意味で開き直りJ1復帰を目標にひとつになった。
今回約2年ぶりに日立を訪れてみて、客席とピッチが一体となった雰囲気は本当にすばらしいものだった。
サポーターが選手を盛り上げる。選手がそれに乗って活躍する。
1年のJ2生活が無駄ではなかったことを体現していた。

東京はそんな柏の勢いに押されて、結局自分たちのやりたいことが何一つ出来ずリーグ2連敗。
ナビスコカップも入れるともう3週間も勝ちから見放されている。

柏は攻撃に移ると4人5人が連動してポジションを替えながら上がってくる。
リスクを冒しても誰かが誰かを信じている。
一方の東京は、誰かがボールを持ってもそのボールを引き出そうという動きが極端に少ない。
福西や今野がパスの出し先を求めて急にスピードダウンしてしまうのだ。
だから前線へとスムースにボールを運べない。
右サイドの石川と伊野波も連動性に欠けている。
石川を追い越す伊野波のフリーランがないし、単調なクロスだけではいかにもアイデアに乏しい。
センターでボールをキープしているときに鈴木規郎あたりはラインを押し上げてこなきゃいけないのに、対峙するフランサを怖がって前に出てこない。
サイドが完全に目詰まりの状態で中が活きてこない。

柏の積極的なプレスにてこずり、柏のペースで試合は進む。
前半残り10分あまりとなったところで、鈴木に持ち込まれたボールがペナルティエリアの前あたりで逆サイドに振られる。
走りこんできた菅沼がシンプルに降りぬいて先制。
ディフェンスの混乱に乗じた鮮やかな先制だった。
「またか」という空気が漂う。
選手からもアウェイ側のスタンドからもがっくりという雰囲気が伝わってくる。

後半、石川を下げて、梶山を、続いて平山、栗澤を下げてワンチョペ、川口を入れて攻勢をかけるが、点の入る気配がしない。
結局、後半早々に追加点を取られてしまうともう東京側は一気に消沈してしまった。

後半途中からCBの徳永と伊野波を入れ替え徳永を本来の右SBに移したが
最初からそうすべきではなかったのか。
伊野波は代表でもリベロだし、徳永もサイドの方が活きたと思う。
いずれにせよ、茂庭が長期離脱、エバウドが怪我がちのなかでDFラインの立て直しは待ったなしだ。

水曜日には早くもナビスコカップだ。下を向いている暇はない。

ナビスコカップ予選2節 FC東京対大分トリニータ(調布・味の素スタジアム)0-2

2007-03-26 23:18:05 | サッカー
東京がやりたいサッカーを大分がやったという感じか。
アウェイでも前からプレスをかけて果敢に攻めてきた大分は勇気があった。
どちらがホームチームか分からないような展開にスタジアムにはなんとも言えない空気が漂う。

大分の果敢なプレスに東京はリズムを掴むことができない。
パスミスやファウルで自らペースを乱していく。
最終ラインは徳永を出場停止で、伊野波を五輪予選で欠き金沢もベンチスタート。
初先発の池上、吉本を入れたが不安定なことこの上ない。
28分にはカウンターからペナルティエリアに侵入してきた高松を藤山がたまらずタックル。
PKを献上してしまう。塩田の好判断で阻止したが結局リズムに乗ることなく
前半は一進一退のままスコアレスで終わる。

後半に入ってもリズムを保てないまま。
いわゆるバイタルエリアを大分に使われて、じりじりとラインを下げる。
ルーカスがボランチのあたりまで下がらないとボールをもらえないので
いらいらしているのが手に取るように分かる。
福西も今野もディフェンスに追われて攻撃の起点にならない。

結局ワンチョペを下げ、早々にリチェーリを入れる。
お互いカウンターの応酬となる中、67分ついに均衡が破れる。
カウンターからフリーとなったアウグストにしっかりと決められる。

とにかく点の入る気配が全くない。先制されたら苦しいな、と思っていたのに
そのとおりの展開となって見ているこちらもがっくりとくる。
福西がボールを持ってもパスの出し先に困っている。
動き出しがないのだ。これでは相手も楽にマークできる。
数日前の磐田戦とは雲泥の差だ。
どうしてこういうことになるのか、わずか数日で数人のメンバーが代わっただけでこうも動けなくなるものなのか。

池上を下げて赤嶺を入れて前線の枚数を増やすが、所詮中盤でボールがつながらないのだから意味がない。
やったこともない3バックにした挙句、またしてもフリーにしたアウグストに同じような形で決められてしまう。

なんとも後味の悪さばかりが残るゲームだった。
この先大丈夫なのだろうか、誰もがそう思うようなゲームだったに違いない。


J1第3節 FC東京対ジュビロ磐田(調布・味の素スタジアム)0-1

2007-03-22 22:31:31 | サッカー
昨日ナビスコカップの予選リーグ第1戦も終わり、
今頃先週の試合結果をフォローするのもいかがなものかと思うが、忙しくて更新できなかったのだ・・・。
言い訳はともかく備忘録なので書いておく。

結論から言えば悪いときのFC東京の伝統というのがよく出た試合だった。
それは一言で言えば「相手に合わせてしまうサッカー」。
磐田は黄金期を知る主軸が次々とチームを去り、いまや若手主体の新しいチームといってよい。
ショートパスをつないでズンズン、といった感じでラインを押し上げてくる伝統のスタイルから変わってきたのではないか、
というのが指揮官の予想だったのだが、意外と磐田本来の繋ぐサッカーに序盤から苦しめられたのは東京だった。

東京の場合がっぷり四つに組んでくる相手にはぴたっとはまって面白いサッカーを展開するのだが、
相手が張り手を打ってきたり、打っちゃろうとしてくると途端に相手の術中にはまってしまう。
ある意味素直なチームなのだ。

前半の36分という早い時間帯にファブリシオが退場してからは余計に相手に合わせて自分たちの良さを自ら消していた。
一人少ない相手を攻めあぐねているうちに焦って自滅のパターンだ。

相手はファブリシオが退場するまではポゼッションで来たが、
10人になってからは引いてしっかりゴールに鍵をかけ、機を見てはカウンターと狙いがはっきりしてきた。
東京は早めにクロスを入れてくるけれども、攻撃のバリエーションに加えて決定力を欠いていた。
途中出場の平山も五輪予選の疲れからか精彩を欠いていた。

急造最終ラインも大きな破綻がなくなり、福西の加入により中盤でしっかりボールを持てるようになってきたので、
課題はやはりFWか。ルーカスが好調なだけに平山の復調とワンチョペの覚醒が待たれるところだ。

今年もスタートダッシュにはまんまと失敗してしまったが、チーム再建の途上でもあるし、
もともと実力のある選手は揃っている。あとはブレイク・スルーがどこかにあると信じるのみだ。

J1第1節 FC東京対サンフレッチェ広島(調布・味の素スタジアム)2-4

2007-03-05 22:48:37 | サッカー
佐藤とウェズレイ、このふたりにまんまとしてやられたという感じ。
開幕戦不敗記録が絶たれた。

ここ数年で今年ほど開幕が待ちどおしかったシーズンはない。
原監督の復帰と、ワンチョペ、福西というドイツ・ワールドカップの経験者を獲得したフロントには並々ならぬ意気込みを感じたし、
何か今までとは違う雰囲気がキャンプ中を通しても感じられた。
特に福西。よもやジュビロの中軸選手がやってくるとは思いもよらなかった。
FC東京というチームの変革を大いに予感させてくれる選手の加入だ。

さて、そんな期待とともに始まった開幕戦は、超攻撃的に行くということが
諸刃の刃となって現れた格好だった。
浅いバックラインの裏をまんまと突かれて早い時間帯に2失点。
CBに起用されたのはユース出身の若い吉本。
広島のツートップにいいように蹂躙されて、前半のうちに交代。
若手の大胆な起用も原采配の魅力だが、それがまんまと裏目に出てしまった。
吉本にはこれを糧としてまたチャレンジして欲しい。

それでも今日の東京は攻め続けた。
ひるまずに攻めたからスタンドは沸いた。それでいいと思う。
目指すサッカーには程遠いが、目指している向きは間違っていないと思う。
開幕戦に初めて負けたということ。
これは何かの始まりのような気がしないか?
気のせいでもそう思おうではないか。
次、次!

練習試合 FC東京対サガン鳥栖(都城市 高城運動公園サッカー場)2-2

2007-02-12 23:08:35 | サッカー
キャンプ中のFC東京を見に都城市に行った。
仕事のついでに足を伸ばしたとは言え、実家のある宮崎でキャンプを張る東京を見にいけたのはラッキー。
しかも折り良くサガン鳥栖との練習試合が行われた。
キャンプを見るのは初めて。そして新体制の東京を見に行くのも今日が初めてであり、楽しみだった。
都城市のグラウンドは霧島連山の見渡せる丘の上にある。
東京のキャンプのために多目的広場の芝をピッチとして張り替えたらしい。
ぽかぽかとした陽気と、都城市初のJリーグチームキャンプとあって
思った以上に多くのお客さんが訪れていた。
地元のサッカーチームの少年たちはめったに見られないプロチームの試合を
前にめいめいが色紙を持って上気した顔で待っている。
地元のおじいちゃんやおばあちゃんなども訪れていて
「どれが平山じゃろかい?」、「あん、でけーとやが」、「まこちでけえねえ」
などと口々に話し合ったりしている。
青赤グッズを身につけた東京サポーターもちらほらといるが、
いつもとは雰囲気の違うのんびりとした試合前である。

東京の布陣は4-2-3-1。
1本目の布陣はGKが塩田。金沢、伊野波の両SBにCBは徳永とルーキー吉本が組む。
今野と福西の最強ボランチコンビに、SHは右に川口、左に梶山。
ルーカスが1.5列目でワンチョペのワントップ。

序盤から積極的に仕掛けてきたのは鳥栖のほうだ。
前線から早いプレスをかけてボールを奪い取り東京陣内でゲームを進める。
東京はボールを持ってもすぐに2,3人に囲まれて奪われてしまう。
時折川口のドリブルを伊野波が追い越してクロスを上げるなどいいところも
見せてはいたが、前線のワンチョペは孤立気味。
ボランチもディフェンスラインに吸収されて中盤からのビルドアップが作れない。

15分過ぎぐらいから一緒に見ていた母や弟が口々に鳥栖のほうが素早いし
一生懸命に走っているなあ、と言い合っている。
連れてきた私にしてみればなんとも分の悪い展開。
「いいよ、じゃ東京が負けたら夕飯ご馳走するよ」とついつい口走る展開。
結局20分過ぎに相次いで失点してしまい、そのまま1本目が終了。

2本目はワンチョペと平山が交代した。
相変わらず東京の動きは悪かったが、平山の体の切れはいいようで
昨年のシーズン中よりもいい動きをしていた。

2本目で梶山のゴールが決まり1点を返すものの、主力組の前半のできの悪さ場ばか目立った。
3本目は見ずに帰ったが、何とか同点に追いついたようだ。

ワンチョペとの連携はまだまだ。報道の通り平山のほうが仕上がりはいいようだ。

FC東京が故郷の宮崎でキャンプをやってくれたことは非常に嬉しい。
夜の地元都城市との交流会には、話題の東国原知事も激励に訪れたそうだ。
これからも宮崎でキャンプを続けて欲しいと思う。

今年のFC東京は

2007-02-08 22:21:29 | サッカー
いささか旧聞に属する話だが、FC東京は今年、原監督の異例の1年での復帰を決めた。

昨年はリアクション・サッカーからブラジル流のポゼッション・サッカーへと
「進化」するために初の外国人監督ガーロ氏をブラジルから招いた。
青年監督に対する期待は高まったものの、チームは戦術転換にうまく対応できず迷走を続け、
シーズン半ばにして監督更迭というクラブとしては初の苦渋を味わった。
一説には監督と選手とのコミュニケーション不足も取りざたされクラブ史上初の
外国人監督はクラブの対応の未熟さとも相俟って失敗に終わった。
急遽後を引き継いでユースの監督から昇格した倉又監督に指揮を任せたものの、
好不調の波から脱しきれず、結局13位という不本意なシーズンとなってしまった。

そんなふがいないシーズンの後を引き継ぐ監督が誰になるのかについては
シーズン終盤からいろいろな名前が挙がっては消えた。
しかし、驚くべきことに原サッカーからの脱皮を求めて原監督を勇退させたクラブは
わずか1年でその原氏を呼び戻した。
サポーターの人気も厚い原氏を呼び戻すことで、
フロントへの不満を抱くサポーターのガス抜きを狙いつつ、
原氏のキャラクターで昨年落ち込んだ観客動員の回復を目論んでいるのかと
邪推もしたくなるような、フロントの大転換だった。

FWにはコスタリカの英雄ワンチョペというJリーグでは久しぶりの大物外国人を獲得し、
ジャーンの抜けた穴は若き長身のブラジル人エバウドで埋めた。
DFは広島からアテネ世代の長身DF八田を補強。ユースからの3人も昇格させた。
そして浦和と争った今期の目玉、ジェフの阿部の獲得は失敗し
浦和に取られたことで今期の補強は終わったかに思われた。
新体制も発表され出来としては70点ぐらいかな、
それでも例年になく期待の持てる陣容だなと思っていた。
ところが、まだサプライズが残されていた。
なんと磐田の主軸福西が東京への電撃移籍を発表したのだ。
これには驚いた。報道されてからわずか数日での決着。
70点は一気に95点ぐらいにまで上昇するような補強だった。

結果的にはエバウド、福西、ワンチョペと今年はセンターラインの選手をしっかりと補強した。
これは東京のサッカーが大きく変わることを予感させる。
それだけではない。クラブ生え抜きでチームに貢献してきた戸田、宮沢が出場機会を求めて移籍。
最近まで主軸だった東京のアイコンとも言える選手たちを移籍させたというあたりにも、
クラブの今期にかける意気込みが感じられた。

クラブは昨年の失敗の総括と、なぜ原監督を1年で復帰させたのかという明確な説明をしていない。
サポーターなどというものは劇場の観客に過ぎず、
純粋な意味でのステークホルダーとは言えないのであろうから、
説明責任は必要ないというのは、それはそれで分かる。
しかし、ビジョンのないところにお客さんはついては行かないだろう。
昨年、東京は何を考えているかよく分からない監督の下で迷走を続け、
フロントも後手に廻り結果として観客を減らした。
ビジョンが感じられないから面白くないのである。

だから、原監督のように明確なビジョンを語ってくれる監督を我々も欲していると思う。
「FC東京は首都のクラブにふさわしいビッグ・クラブにならなければいけない。
この巨大な東京で、他に楽しむべき娯楽がたくさんある中で、
それでもFC東京のサッカーを選んでもらうためには、スペクタクルで楽しいサッカーでならなくてはならない。
だから東京のサッカーはとことん攻撃的でなくてはならない」
この分かりやすいビジョンには夢もある。
ビッグ・クラブの目指す先には世界も開けてこよう。
ビジョンがあるからワクワクするではないか。

クラブは監督も含めた新体制に昨年の総括とこれからのビジョンを託した。
つまりはクラブは結果にすべてを委ねたということでもある。
今年はその夢に盛大乗っかってやろうと思う。
しかし、今度こそクラブは結果責任を大きく負うことになると思う。
失敗すれば、客離れは今期の比ではない、という形で・・・。
説明責任のことはまあいいとして結果責任はきちんと果たして欲しいと思う。

そんなわけで、今年は期待も大きいし例年になく開幕が待ち遠しい。
今週は運よく仕事で九州に行くので週末初めてキャンプの様子も見てこようと思う。

今年のFC東京

2006-12-13 23:33:46 | サッカー
曇り時々雨

いささか旧聞に属する話だが、先週末の天皇杯で東京は惨めな逆転負けを喫した。
先制されたもののいい形で逆転に成功し、後半ロスタイムまでリードしていたのに追いつかれ、延長で再逆転負け。
いつかどこかで見てきたようなここ最近の最悪な負けパターン。
いろんな意味で今期の迷走振りを象徴するような負け方だった。
なんとなく予感はしていたが、こうもシナリオどおりの負けパターンに腹立たしいのを通り越して呆れてしまう。

先週クラブは原博実氏の監督復帰を発表した。
監督が交代するクラブとしては異例の早さで来期の体制を発表したところに来期にかけるクラブの意気込みが感じられるが
多くのサポーターと同様、首を傾げざるを得ない監督人事となった。
原氏の人望の厚さに疑問を挟む余地はない。
去年の今頃、味スタで涙の退任セレモニーをやったほど愛された監督だった。
若手を見出し初タイトルに導いた手腕は誰もが認めるところである。

しかし、それでもクラブは次の段階を求めて大胆に改革に踏み出した。
大熊-原で築き上げた土台をベースに自らが主導権を握るサッカーを志向してクラブ初の外国人監督に「次」を託したはずだった。
戦術のコペルニクス的な展開はある程度の忍耐を強いられることは素人の私でも想像がついた。
2、3年は辛抱だなと思っていたのに、結果が伴わないとクラブは早々に路線転換した。
そこには何の納得のいく説明もなかった。
原体制からの上積みを求めていたのに、去年と同じカウンターサッカーへと時計の針を戻した東京は、
結果的には去年からの上積みはおろか、あわや降格という屈辱を味わった。

ビジョンを打ち出して原体制からのネクスト・ワンを求めていたはずなのに、
その舌の根も乾かないうちに原監督に戻すことの意味をフロントは明確にすべきではないか。
今年を総括することなく原さんに戻すのであれば、
それは支持率の高い原さんをスケープゴートにしてファンを納得させて、済ましてしまおうととられても仕方ないのではないか。

私は正直、会見の内容を聞く限り来年の原さんにはとても期待している。
わずか一年で戻ってくることのリスクを原さんは誰よりも知っているのではないか。
二回目で同じことを繰り返せば原さん自身のキャリアに大きな傷がつく。
それでもあえて火中の栗を拾うということは、それだけ東京というクラブのポテンシャルを見出しいるからだと思う。
そのことを私は信じたい。
一年浪人してそれでも東京だと思った原さんを信じたい。
そして東京がビッグクラブを目指すべきだという原さんのビジョンも私は間違っていないと思う。

次はフロントがそうしたビジョンを明確に示すべきではないか。
何を総括してどこに向かうのか、明確に示すことをファンは求めているし、
苦楽を分かち合ってきた、最大のステークホルダー足るべきファンに対して
その説明責任を果たすことなしにはクラブの展望は開けてこないと思う。
この苦しいときだからこそ、今こそクラブはファンに真摯に向き合うべきだと思う。

これからのストーブリーグで、クラブの真価が問われるだろう。
FC東京がこれからどこに向かうのか、厳しい目で見守っていきたい。

FIFAクラブワールドカップ準々決勝 全北現代対アメリカ (国立競技場)0-1

2006-12-12 23:06:26 | サッカー
晴れ。

息子の通うサッカークラブから、「ぜったいに見に行く」という条件で回ってきたただ券。
ただだから文句を言える筋合いでもないが、
南米と欧州代表以外は観客動員で苦労した去年のこともあり、協会の必死さが伺える。
問題は大会の内容そのものにあるという気がする。
オセアニア代表がアマチュアというのでは、南米や欧州チャンピオンとの実力差は歴然としており、
これがクラブ世界一を決める大会とはとても言いがたい。

さてこの試合での注目はアジア代表の全北現代がどういう戦いをみせてくれるかだ。
来年は浦和と川崎がACLに参戦することになっており、
お隣のライバル、Kリーグチャンピオンが世界の舞台でどういう戦いをしてくれるかは、来年を占う上でも気になるところ。

今朝の新聞やネットでの選評を見る限り、アメリカがボールを支配し巧みなパス回しで全北を圧倒したというような論調が目立ったが、
現地で見る限り全北はそんなに悪い印象ではなかった。

若い選手を中心にはつらつとした速いパスワークで、むしろ最初はアメリカがそのパス回しに混乱していたような感じがした。
しかしながらアメリカは戦術の引き出しの多さで緩急自在。若い全北はそのうまさに翻弄されていた。
しかし、全北は前線からのプレッシングでアメリカの攻撃を凌ぎ切って前半をスコアレスで終える。
しっかりとした守備からカウンターを狙うという戦いぶりは典型的なものではあったけれども、
引いて守るだけではなく果敢に攻める意図も垣間見えて後半に先取点が取れれば或いはという期待を持たせた。

一方のアメリカはこんなずではないという、焦りがあったのではないか。
後半に入ると監督が立ちっぱなしで指示を与えていた。
このままスコアレスで終わるのかという思いが支配し始めた残り10分のところでようやく先取点。
これが決勝点となった。アジア代表がバルセロナに挑戦するところを見てみたいとも思ったが、
終わって見れば順当にアメリカが勝ち進んだ。大会としてはこちらの方が盛り上がるのだろう。
ひたすら屈託のないアメリカのサポーターたちも楽しかった。

それにしてもこの場所にJリーグのチームがいないのはやはり寂しい。
大会を盛り上げるという点においても来年こそは浦和あたりが勝ち上がってきてくれるといいのだが。

J1第34節 大分トリニータ対FC東京(大分・九州石油ドーム)0-1

2006-12-03 21:51:09 | サッカー
2006年のJリーグもいよいよ最終節。
今年はワールドカップイヤーということで1ヶ月以上の中断を挟んだこともあって思いのほか長く感じたシーズンだった。
ワールドカップで日本が一勝もできなかったのははるか昔のことのような気がする。
東京もガーロ監督が途中解任されたが、それすらも遠い過去の記憶となりつつある。
開幕戦で大分に快勝し同じ大分と最終節で戦うころにはどんな結果が待ち受けているのだろうと思いをはせたが
予想以上に厳しいシーズンだった。

さて最終節はその大分とアウェイでの戦い。
両チームともすでにJ1残留を決めており、最終戦はひとつでも順位を上げるための戦いだが、世間的には注目度の低い一戦だ。
そんな置かれた環境を反映したようななんともつかみどころのない一戦になった。
大分はホーム・ゲームにもかかわらず今ひとつ出足が遅い。
東京が元気よく前からボールを奪って速攻を仕掛ける。
主導権を握ったのは東京だったが、大分が要所を締めて東京にシュートを打たせない。
しかしながら大分も攻守の切り替えが遅く有効な形を作れないまま前半終了。
双方とも調子がいいのか悪いのかよく分からない。

広範に入ってもボールを保持し主導権を握ったのは東京だった。
大分はどこか覇気に欠けており、いい位置でFKを何度も奪うがフィニッシュの精度を欠く。
そして、58分梶山のパスを石川が中央へヒールパスし、飛び込んできたルーカスが強烈なシュートを放ち先制。
主導権を握りながら決定機を作り出せなかった東京が石川とルーカスの個人技で先制する。

それにしてもこの試合も主審が再三笛を吹いて試合の流れを断ち切る。
選手もそうだが見ているほうもストレスが溜まってしまう。
判定の基準が定まらず、今野をはじめ選手のいらつきぶりがテレビ画面からも伝わってくる。
結局不可解な判定から鈴木が退場。直後から東京は防戦一方となる。
残り十数分。これを凌げずに東京はたびたび苦杯を舐めてきた。
はらはらしながら見守ったが、今回は上手に時間を使いながら再三のピンチを凌ぎきった。

果たして13勝4分17敗。勝ち点43。大きく負け越して13位と不本意なシーズンとなった。
倉又監督が退任。ジャーンと遠藤の退団も決定し、東京は来シーズン新体制で捲土重来を期す。
残るは天皇杯。残るタイトルを目指して精一杯頑張って欲しい。

リーグは浦和が悲願の初優勝を決めた。浦和のサポーターには心より祝意を表したい。
我々も早くその高みにつきたいと願う。
京都、C大阪が来期再びJ2で戦うこととなった。
福岡は神戸と入れ替え戦。柏が最終節で逆転昇格を決めた。来期は初昇格の横浜FCとともに再びJ1へと舞台を移す。

今年も悲喜こもごものあった熱く長い戦いが幕を下ろした。

J1第33節 FC東京対浦和レッズ(調布・味の素スタジアム)0-0

2006-11-27 22:39:07 | サッカー
しかし驚いた。いつものようにキックオフの2時間ほど前に自転車でスタジアムへと向かった。
いつもの交差点を渡ろうとしたら赤い集団がスタジアムへと続く歩道をぐるりと取り囲んでいる。
見たこともない光景に思わず「なんじゃこりゃ!?」とつぶやいてしまった。
恐るべし浦和。しかしそれもさもありなんだろう。
この試合に勝てば最終節を待たずして文句なしの優勝。J2落ちという苦難を乗り越えての悲願の初優勝となれば
その瞬間を一目見ようとこれだけ集まるのもうなずける。ましてやあの浦和のサポーターである。
味スタは完全にアウェイの浦和レッズに乗っ取られた格好となった。

我々にしてみればホームでの胴上げは何としても阻止しなければならない。
しかし仮に浦和に勝ったとしてもガンバが負けるか引き分けてしまえばやはり目の前で胴上げされてしまう。
そんなことにでもなれば、引退を表明している三浦文丈の引退挨拶も、
監督選手たちの感謝のセレモニーも優勝騒ぎにかき消されてしまう。
他力本願もあるが、優勝は阻止しなければ、聖地を死守しなければという悲壮感が、ま、多少はあった。

彼我の力の差は歴然としている。安定した守備力と決定力を持ったストライカーを擁して
年間を通して安定した力を発揮した浦和と、失点の多さと決定力不足で勝てる試合をたびたび落としてきた東京。
毎試合5万を超えるサポーターを集める動員力に対して5万のキャパに半分を集めるのがやっとの東京。
ピッチの中も外も圧倒的に向こうのほうが力がある。

そんな相手を真に受けてがっぷり四つに組んでも仕方ないじゃないか。
向こうが優勝をかけて鬼気迫る形相で迫ってきても、我々には失うものは何もないのだし
肩の力を抜いてもっと純粋にサッカーを楽しんだほうがいいじゃないか。
そんな気持ちにさせられたのは、ゴール裏コールリーダーたちの楽しいコールによってだった。
振りつきで歌った「スタジアムへ行こう」でホームスタンドの雰囲気は一挙に和やかなものになった。

所詮は優勝も降格もないけれども、ここまできたら存分に楽しんで、
そんな楽しい雰囲気の中でフミタケを送ってあげよう。
一生懸命サポートはするけど東京らしくこの注目の一番を戦おう。
それで負けて浦和の優勝を見ることになってもそれはそれで仕方がない。来年への糧にしよう。

東京のキーパーは何とこの大一番にリーグ初先発の塩田。
土肥のリーグ戦連続出場記録をストップさせての初先発だが、地道に努力して自らの力で勝ち取った先発の座。
塩田はフミタケのユニフォームを下に着込んでいるのをサポーターに披露してくれた。
NHKが総合テレビで全国中継。解説は両チームで指揮を取った原博実氏。
緊張と弛緩のなかでキックオフ。

序盤からのびのびと攻めていったのは東京。自慢の右サイドを石川が跳ねるようにドリブルしていく。
浦和はいつもの鋭さを欠いている。優勝への大一番でさすがに硬くなっているのか。
何となくサポーターの雰囲気そのままに硬い浦和とのびのびと自分たちの持ち味を発揮する東京。
浦和は東京のサイド攻撃に両サイドが下がり5バック気味。中盤で数的有利を活かして東京に高い位置で再三ボールを拾われる。
攻守の切り替えの速いスリリングな展開となった。
守ってはジャーンがワシントンを抑え、今野が渾身のボール奪取。奪っては石川が、馬場が、梶山が走る。
思わず04年のナビスコ決勝を思い出す。

後半も東京が押し込んだが、浦和もカウンターからチャンスを作る。
山田のシュートに塩田が飛び出してゴールが無人になるが、ボールはぎりぎりそれていく。
小野が入ってから浦和は前ががりになってくる。ワシントンのシュートを塩田が足でかろうじて弾く。
カウンターで応酬する東京。今度はノリオの強烈なシュートを山岸が弾く。
ひりひりとした時間が流れる。
時間の経過に伴って、終盤ガンバが同点と伝えらたのか浦和がセーフティになる。
このまま引き分ければ浦和の優勝である。らしくない守備的な浦和。
優勝のプレッシャーとはこういうことなのか。

果たしてスコアレスのままタイムアップ。瞬間浦和のゴール裏は静まり返った。
このままガンバが引き分けなら優勝は浦和だが、電光掲示板で知らされた万博の結果は3-2でガンバの勝ち。
首の皮一枚で我々は浦和の胴上げを見ずに、ガンバは最終節まで持ち込み、そして京都はJ2に降格が決まった。
スタジアムにいた我々はその時はロスタイムでのゴールとは知らなかったが、
劇的なあまりにも大きなマグノ・アウベスのロスタイム弾だった。

おかげで東京の最終節のセレモニーはつつがなく行われた。
フミタケの引退スピーチには浦和サポーターからも暖かい拍手が送られた。
ありがたいことだ。
フミタケのために意地を見せた選手たちには敬意を表したい。ただあと一歩決定力がなかった。
それは来年への大きな課題だ。

浦和にとってもこれでよかったのではないか。苦しんだ分だけ喜びも爆発するだろう。
ホームで大勢のサポーターとともに優勝を分かち合える方がきっと幸せだ。
ガンバには東京は最低の仕事をしたのであとは自力で頑張れとしか言いようがない。

点が入らなくても楽しめるゲームがある。これがサッカーの魔力かもしれない。