幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「ロゴセラピーと物語 フランクルが教える<意味の人間学>」勝田茅生著 ヴィクトール・フランクル『夜と霧』著者の孫弟子(日本人で初めてロゴセラピストの資格を正式に取得した初めての日本人)”

2022-12-17 18:38:28 | 本の紹介
人生は自分で創り上げるもの
 フランクルが創始したロゴセラピーの中心のメッセージを民話や寓話をれにとりながらわかりやすく解き明かす。
 著者はドイツで長年にわたりロゴせたピストとして活躍してきた実践家。
目次より
1 人生のどんな状況にも「ミッション」があります
2 誰でも「意味あることをしたい」と思います
3 誰でもどんな時でも自分で決断を下せます
4 人生は自分で創り上げるものです。

・私は昔話やエピソードを使って、誰にでも理解できるいきいきとしたロゴセラピーを描いてみたいと思いました。
 不幸な運命に悩んでいる人たち、あるいは生きていることに何の意味も感じられない人たちが、何らかの形でブランクるの思想から新しい観点を得られたらと願わずにはいられません。

・二匹のカエル
 ある農家の家畜小屋に二匹のカエルが入って来ました。もう秋になってハエも飛んでいなかったので二匹ともお腹を空かせていました。嬉しいことに、そきにはしぼりたての牛乳の入ったバケツが二つ置いてありました。近くには誰もいなかったので、意を決してバケツに飛びこみました。一匹は左、もう一匹は右のバケツに入りました。二匹は好きなだけお腹がいっぱいになるまで牛乳を飲みました。けれどもびっくりしたことにそのバケツには注ぎ口がなかったのです。つるつるの壁で外に出ようと努力してもだめでした。
 左のバケツのカエルはすっかり疲れ果ててしまい、「僕はもうだめだ。おしまいだ。さようなら」と言いました。もう一方のカエルは「泳ぎ続けなくちゃだめだよ。諦めちゃだめだよ!」と勇気づけました。けれどもその甲斐もなく、左のバケツのカエルは疲れて死んでしまいました。右のバケツのカエルはさらにもがき続けて頑張りました。
 翌朝、お百姓さんが家畜小屋に入ってきた時、左のバケツの中に一匹のカエルが死んでいるのを発見しました。そして右のバケツにはバターの塊の上に一匹のカエルが座っていました。そしてぱっと飛び上がってそのまま逃げていったそうです。

・私たちが「何かのために」役だつことや、あるいは「誰かのために」良いことをすると、そのあとで「人のために良いことをした」という実感が心の中に自然に湧き上がってきて、気分が高揚します。時には自分が生きていることの意味すら感じられます。
 「ミッション」が成功した時に、このような充実感や満足感が湧き上がてくるのはいったいなぜなのでしょうか? この問いに対してフランクルは、「どんな人間も生まれながらに『意味のあることを実現させたいという意志』を持っているからだ」と答えます。
 ここで大切なのは、自分のしたことの見返りを期待しないことです。つまり、自分の行為が結果として周囲に評価されることではなく、その行動自体に「意味」があったか、ということが重要なのです。

・人生には「白い石」と「黒い石」の両方が必要なのです。というのも、私たちは「黒い石」を通して人間として成長することができるからです。そして、どんなことがあっても、人生には「意味」があることを信じられるようになるからなのです。

・受動的な態度をとる人は、人から何かをしてもらうことだけを頼りにしています。えてして「自分にはその力がない」「能力がない」と、自分を束縛している鎖のことだけを考えているのです。
・・・力や技量は何かに手をつけて初めて身についていきます。たとえ初めは力が及ばなくても、続けて努力していく内に底力が出てくるのです。これを信じて行動すれば、知らない間に「白い石」が作られていくのです。

・天使の店
 ある若い男性が夢を見ました。夢の中である店に入って行くと、カウンターの向こうに天使が立っていたので聞いてみました。「ここでは何を売っているのですか?」天使は親切に答えました。「あなたの欲しいものは何でも。」そこで若い男性はすぐに注文し始めました。「では、私のことをよく理解してくれる友だち、いつも満たされた気持ちになれる心のバランス、病気にならないためのきれいな環境、すべての人間の平等、それから・・・」
 天使がそこで遮って言いました。「すみません。あなたは誤解なさっているようですね。私たちがここで売っているのは、果実ではなくその種だけです。」

・次の引用は、過去のトラウマを乗り越えるための秘訣を示唆してくれます。
 フランクルのたとえ-岩礁と潮の満ち引き
・・・心身症という病気は、一般的な心身症医学が主張するように、特殊は劣等感、葛藤、問題、トラウマからきているのだと言うことはできない・・・このような結論づけは、ある岩が引き潮の時に姿を現して目に見えるようになるので、これが引き潮の原因だ、と決めつけるのと同じプロセスである。実際にはこの岩は引き潮で外に出てくるだけなのだ。これと同じように、何らかの劣等感や葛藤、問題やトラウマもそれ自体が病気の原因なのではない。患者が不安と憂慮に駆られているので(このような怯えがすでに神経症的な病気の影響を示しているわけだが)このようなことを絶えずいろいろと考えざるをえない、ということなのである。

・フランクルの言葉=苦悩によって豊かになる
 ・・・苦悩というのは、人間が苦しみを背負いながら人間として成長して熟すだけではなく、豊かになることをも意味するのだ。人間は・・・苦悩しながら自分自身へと成長していく。つまり真理に向かって熟していくのだ。苦悩は単に倫理的な品格を持つだけでなく、形而上的な重要性をも持っている。苦悩は人間がものごとを先の方まで見通せるようにしてくれ、世界を透明にしてくれる。存在は形而上的な次元の中で好き撮っていくのだ。

感想
トラウマ(岩礁)に苦しめられます。
ロゴセラピーではそのトラウマを小さくする視点ではなく、水位を高くすることでその岩礁は見えなくなりかつ船の運航(人生)に影響しないようにするのです。

生きる意味を感じない。
何のために生きているのか。
死んではいけないのですか。

これらは、まさに生きる上での根源の課題です。
多くの心理療法は心の治療をターゲットにしています。
医療は身体をターゲットにしています。

ロゴセラピーでは精神を心身体(心と身体)の上位に位置付けます。
 精神
心⇔身体
ロゴセラピーはこの”精神”をターゲットにした療法なのです。

フランクルの多くの体験例やメタファー(隠喩)を紹介し、それについて著者がロゴセラピーの視点で解説されています。
ロゴセラピーはわかり難いのですが、物語からわかりやすく説明されています。
お薦めの一冊です。

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