幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「関係の世界へ 危機に瀕する私たちが生きのびる方法」ケネス・J・ガーゲン著 ”人は一人で生きて行けないなら人との関係性を高める”

2024-06-18 01:22:55 | 本の紹介
・関係のための資源
①可能性の共創
 ・関係にとって有用な行為を行うこと
 ・他者のようにふるまうこと
 ・自己と他者を共同させること
②「なること」に目を向ける
 著名な心理学者であるウィリアム・ジェームズは、「社会的自己とは、どう思われているか気になる集団や人の数だけ存在する」と述べています。
③関係の調整としての理解
 人々が互いに心を読むことではなく、適切な関係のパターンに参加することです。
④快適さと息苦しさ-日常生活のドラマ
 最終的にうまくいくかどうかは、他の関係との協調によって決まります。人間関係の調和を図ることは、非常に困難な課題です。

・ジョン・デューイ
 「教育は、新しい世代が社会に参加できるようにするものでなければならない」
 関係の視点に立てば、ポジティブな協応行為の流れに参加できるようにすることと言えるかもしれません。
①豊かな関係に基づく学び
 ノルウェーの教育機関であるユース・インベスト・スクールは、「生徒の退学」という今日の教育における最も困難な課題に立ち向かっています。
②プロダクトからパートナーシップへ
 生徒のできることに注目すると、学びへの関心や教師との関係が開花します。これと密接に関連するのが、社会変革に向けたアプリシエイティブな(価値を認める)実践であり、世界中の学校で活用が進んでいます。
③「型通り」から共創へ
  イタリアのモンテッソーリ学校やレッジョ・エミリア・スクールの革新的な取り組みから、エマージェント・カリキュラムが注目を浴びるようになりました。
 (子どもの興味・関心を捉え、それに基づいて授業や保育を展開する考え方です)
  プロジェクト型学習が発展することになりました。
④モノローグからダイアローグ
  モノローグにないよさは、以下のようなことが可能になる点です。
 (1)知識の習得
  教科に関する知識だけでなく、他者の視点や意見、価値観も学ぶことができます。
 (2)共創のスキル
  アイデアを共有する、疑問を投げかける、違いについて議論する、などの力が高まります。
 (3)関係自体が持つ価値への気付き
  自分以外にも関心を向け、他者とともに作りだしているものにこそ価値があることに気づきます。

・セラピストが薬による「治療」に依存することも、ますます問題になっています。医学モデルに従えば、生物学的な手段で「病気を治す」のは当たり前です。結果として、製薬業界は活況を呈し、何十億ドルもの薬の売り上げは医療費を押し上げています。たとえば、活発な子どもたちは、2000年に精神科医が彼ら用の診断基準を作るまで、自分が「精神疾患に苦しんでいる」とは知りませんでした。現在アメリカでは、十人に一人以上の児童・生徒がADHDと診断され、親たちは「一生治らないかもしれない」と知らされるのです。アメリカでADHDにかかる国民医療費は二百億ドルを超えています。
 こうした背景から、新たな治療を求める運動が生まれました。もし「精神疾患」が、私たちが問題だと考える人々に対する一つの定義の仕方にすぎないのなら、別の理解を生み出すことも可能です。セラピーを、希望に満ちた新たな現実を創造する関係のプロセスとして捉えてみるとどうなるでしょうか。おそらく、この考えに触発された重要な運動が、ナラティヴ・セラピーです。ナラティヴ・セラピーでは、人は物語を通して自分自身を理解していると考えます。私たちは人生のさまざまな物語を携えた変幻自在的存在であり、その物語が、私たちの自己理解や他者との関係の根幹をなしています。・・・
 クライエントは自身に問題があるのではなく、自分に問題があるという物語をクライエントが受け入れてしまっていることが問題なのです。この場合、セラピーは基本的に、クライエントがもっと前向きに生きられるように自らを語り直す会話になります。たとえば、この「失敗」の物語を、「自分探しの貴重な道程」や「回復力(レジリエンス)がある証拠」という物語に置き換えるとどうなるでしょうか。治療的な会話は、まさにこうした可能性を根付かせ、日常生活の中で実現させることができるかもしれません。

・有害なレッテル貼りに抵抗する草の根運動の素晴らしい例の一つが、ヒアリング・ヴォインズ運動です。自分に語りかける声(破壊的に行動するように呼びかけることもあります)を経験する人々は、従来、統合失調症というレッテルを貼られていました。しかし、「声が聞こえることをなぜ病気と呼ぶのか」と疑問に思う人たちが増えてきたのです。声が聞こえること、それ自体は異常でないと彼らは指摘します。ソクラテスやウィリアム・ブレイク、ガンジー、フロイトなど、多くの有名人も、そのような声とうまく付き合ってきました。国際的なヒアリング・ヴォインズ運動では、人々が集団の会話に参加して互いの経験を話し、自分の声との関わり方の工夫を共有することができます。・・・
 神経多様性(ニューロダイバーシティ)が種としての強みになることは、今や多くの人が提唱するところとなっています。

・組織を機械的な構造物のように見るのは止め、継続的な関係のプロセスとして捉えてみましょう。この考え方は多くの組織論研究者の注目を集めており、彼らの研究から「組織は会話である」という中核的なメタファーが生まれました。これは、(会話を通して)意味を生成する継続的なプロセスと、このプロセスが自らのアイデンティティや職務、仕事の質や正当な報酬についての理解をどのように生み出すかに焦点を当てるものです。モチベーションを保ち、仕事に打ち込み、幸福感が得られるかは、意味をともにつくり出すプロセスによって決まります。

・組織が会話のプロセスであるなら、会話を豊かにしなければなりません。複雑で急速に変化する世界では、未来をともに作る人々の声を増やし、その幅を広げることが、第一の課題となります。

・人は自分が創り出したものを、一番大切にすると言われますが、そのように考えれば、AIはまずもって、創り手となる人々を増やすための手段であることがわかります。ただし、これは本の人の始まりにすぎません。ただ、声を増やすだけでは、対立や混乱、駆け引きのもとになります。AIによって生み出される会話は、こうした問題を回避させるだけでなく、熱意、連帯感、楽観につながるのです。でも、どうやって? 以下に挙げる要因が、その鍵を握っています。
①問題ではなく可能性に目を向ける
②価値観に焦点を当てる
③個人的なことを共有する
④現実的な計画を立てる
 発見、夢、設計、結果/運命

・対話そのものは、5つのフェーズに分かれています。
①発見する(意見を聴く)
②定義する(解釈)
③想像する(ブレインストーミングなどお互いを刺激し合いながら、想像を膨らませます。
④モデルを試作する
⑤テストする

・積極的に流れに参加し、その可能性を豊かにする存在がリーダーだと考えるのです。

・リーダーシップに関する近年の著作を見ると、関係論的な考え方への移行が進んでいることは明らかです。分散型リーダーシップ、サーバント・リーダーシップ、ハンブル・リーダーシップ、コラボレーティング・リーダーシップ、コーアクティブ・リーダーシップ、チーム・リーダーシップ、などの概念や実践が広まり、リーダー個人の特性ではなく、協働、エンパワーメント、対話、水平的な意思決定、責任の共有、ネットワーキング、継続的な学び、つながりの強化にリーダーが果たす役割が強調されています。実際に、関係のプロセスに対する関心は、深く、広くなっています。包括的に関係に基づく(関係的)リーダーシップと呼ぶこともできるでしょう。

・軍の指導者たちは、紛争がますますVUCA(不安定volatile、不確実uncertain、複雑complex、曖昧ambiguous)になっていることに気づきはじめています。

・私たち人類は対立に対処するために、どのような関係のかたちをともに創り出してきたのでしょうか。さかのぼってみると、三つの伝統が際立っています。
①罰
②交渉
③論理に基づく議論
 関係論的な視点から考えると、どのアプローチも将来有望とは言えません。一見、平和な解決策のように思われますが、いずれも私v.s.あなた、私たちv.s.彼らという分離した単位を前提にしているからです。

・コミュニケーション理論家のパートネット・バースによる以下の問いは、関係の視点から見ると、かなり的を射ています。
①私たちは何を一緒に作っているか
②どうやって作っているのか
③これを作ることで、私たちはどうなるか
④どうすれば、よりよい社会が作れるか

・人類にとっての課題は、誰もが満足する地球上の平和を永久に達成することではありません。「どんなものにも亀裂があり、だからこそ、そこから光が入ってくる」とレナード・コーエンは歌っています。

・5つの論理を取り上げ、それがどのような実践に結実しているか見ていきます。
①危険なダンスから降りる-「そこには踏み込まないようにしよう」
②生成的なシナリオを呼び込む
③新しい現実を創造する-「思っていたのとは違う」 ナラティブ・メディエージョン(仲裁・調停)
④共通認識を生み出す-「私たちは一緒です」
⑤他者になってみる-「あなたと私はひとつ」

感想
 リーダーシップ論も関係性に注目するようになってきたと知りました。
統合失調症での「声が聞こえる」を幻聴として薬で幻聴を聞かないようにするのではなく、幻聴が聞こえても、日常生活に問題ないように暮らすことができたら、それは病気ではなくなります。
 さらにその幻聴を生かす生き方ができたら、プラスの成果も達成できるかもしれません。

 統合失調症は治らないと言われていました。
しかし、統合失調症持っていても誰かのために、何かのために働くことは可能ですし、それを実践されている人も多いです。
 北海道の 浦河「べてるの家」でも統合失調症と診断された人が頑張っています。
オープンダイアローグにより、薬で良くならなかった統合失調症の人が日常生活をやられています。
 ナラティブセラピー、オープンダイアローグとも会話です。
傾聴だけでなく、言葉のキャッチボールで相手の気付きを促すものです。
「べてるの家」の「事例研究会」はまさにそのもののように思います。

 物事はどちらが正しいかも交渉時に大きい要素ですが、それよりも関係性をよりよくしていくことが良いようです。

 製薬企業に勤めていましたが、できれば薬に頼らない方が良いと思っています。
ただ、必要な時は薬に頼ることは必須です。
 寝られないと医者に行くと睡眠導入剤を処方されます。
 不安が大きいと言うと安定剤を処方されます。
 症状を追加するたびに、薬が増えてきます。
 たくさんの薬で胃の調子がおかしくなると、胃腸薬が処方されます。
 あっと言う間に10種類のお薬を毎回飲んでいます。

 生きていると不安があって当然ではないでしょうか。
寝られないこともあって当然ではないでしょうか。
睡眠不足で仕事に支障を来すなら、睡眠導入剤のお世話になるのも必要です。
ただ、薬は自分の身体に影響し、自分が自分で亡くなってしまう可能性があります。
 医者任せにせずに、自分が薬を管理する気持ちが必要だと思います。

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