新型コロナウイルスの感染者が増えてきています。厚生労働省によると、直近の6月10~16日の1週間に、全国約5000か所の定点医療機関から報告された1医療機関あたりの感染者数は4.16人で、6週連続で増加しています。今、流行している新型コロナの特徴について、多摩ファミリークリニック(川崎市)院長の大橋博樹さんに聞きました。(聞き手・利根川昌紀)
微熱でも「陽性」
――「新型コロナの患者が増えてきたな」と感じるようになったのはいつ頃ですか。 5月の大型連休(GW)が終わってからです。GW以降、感染した患者さんが増えたり減ったり、上下の波を繰り返しながら増えてきているなと感じています。 今年のGWは行動制限がなく、過ごせました。人があちこちに移動し、マスクを外す人も増えました。連休が終わった後、家族や職場、学校で感染を広め、それが今も続いているとみられます。 クリニックを受診される患者さんの場合、感染の中心は20~50歳代です。子どもは、新型コロナよりも手足口病や溶血性レンサ球菌(溶連菌)にかかる人の方が多いです。
――今、最も多いのは、BA.2.86系統から派生した「JN.1系統」というタイプのウイルスです。症状や出方に特徴はありますか。
喉の痛みを訴える人が目立ちます。37~38度程度の熱も出ます。加えて、せきと痰(たん)の症状が出ています。 ただ、以前のように、症状が重くなる人は、高齢者も含めて本当に少なくなりました。これまでに多くの人が新型コロナに感染したりワクチンを接種したりし、社会全体に「集団免疫」がついてきたからだと思われます。 熱が出ても、だいたい翌日には下がります。インフルエンザなど、ほかの感染症の方が、症状は重いのではないかと感じています。
ただ、症状は軽いとはいえ、感染力は強いと思います。検査をして陽性になった人に話を聞くと、家族や職場、学校で、感染している人がいたと言います。微熱程度の熱しか出ていない患者さんでも、「身近でかかった人がいるから」と念のため、検査をしてみると「陽性」となる人がけっこういますね。
――かかった場合、どのように治療をしますか。
せきや鼻水、発熱といった症状に合わせて、それぞれの症状を抑える薬を使います。いわゆる風邪薬です。基礎疾患があり、重症化のリスクがある人には抗ウイルス薬の投与も検討します。
嗅覚や味覚に障害
――普通の風邪との違いはありますか。
症状の出方は、普通の風邪と同じです。違いは、新型コロナの場合、後遺症がいつまでも続くことがあるということです。 これだけ症状が軽くなっても、嗅覚や味覚に障害が残る人は少なくありません。また、「痰がからむせき」がいつまでも治らないという人も多くいます。
――どうしてですか。
新型コロナに感染すると、上気道や気管でいつまでも炎症が続いてしまい、痰が出続けてしまうのではないかと考えています。また、炎症が続くことで、気道や気管が刺激に対して過敏に反応してしまう状態になっていると推察できます。過敏になると、冷たい風や湯気などを少し吸っただけでも、せきが出てしまいます。
――今後も、感染者が増え続ける可能性があります。対応策はありますか。
これまでも散々言われてきたように、こまめに手洗いをする、人混みはなるべく避ける、屋内で「密」になるような所に行く場合は、マスクの着用を検討する――といったことになると思います。症状が出た場合は、感染を広げないためにも早めに検査を受けてほしいです。
大橋博樹さん
多摩ファミリークリニック院長、日本プライマリ・ケア連合学会副理事長。1974年東京都中野区生まれ。獨協医大卒、武蔵野赤十字病院で臨床研修後、聖マリアンナ医大病院総合診療内科・救命救急センター、筑波大病院総合診療科、亀田総合病院家庭医診療科で勤務。2006年、川崎市立多摩病院総合診療科医長。2010年、多摩ファミリークリニック開業。感想;
報道され亡くなったので、「もうコロナは大丈夫」と思っていると、感染するリスク高まります。
高齢や病気を持っていると感染が死のリスクを高めます。
報道され亡くなった≠感染が治まっている
用心に越したことはないようです。
感染して死ぬ、死ななくても後遺症が残り、”後悔先に立たず”になっていまいます。
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