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★数十年かけて一度だけ花★アオノリュウゼツラン

2012年08月15日 | ★花シリーズ★
次はいつ咲く? アオノリュウゼツラン2株が開花 浜離宮恩賜庭園

数十年かけて一度だけ花を咲かせるメキシコ原産の多肉植物、アオノリュウゼツラン2株が浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)で開花し、訪れた人を楽しませている。

 英名で「百年植物」と呼ばれるほど開花するのが珍しく、庭園では4年ぶり。2株同時に咲くのは初めてという。6月下旬から花茎がぐんぐん伸び始め、高さ約6メートルまで成長。枝分かれした先端に黄色い花が無数に咲きほこる。庭園では「次はいつ咲くのか分からないので、ぜひ楽しんでほしい」。今月下旬まで見られるという。
産経新聞 8月14日(火)から。





















リュウゼツラン(竜舌蘭)は、リュウゼツラン科リュウゼツラン属の単子葉植物の総称。100種以上が知られている。学名 Agave はカール・フォン・リンネがギリシャ神話のアガウエーから名付けたもので、メキシコではマゲイ (maguey)とも呼ばれている。 メキシコを中心に米国南西部と中南米の熱帯域に自生するほか、食用・繊維作物、あるいは観葉植物として広く栽培されている。和名に「蘭」とあるが、ラン科(Orchidaceae)に近い植物ではない。

性質

先が鋭く尖り、縁にトゲを持つ厚い多肉質の葉からなる大きなロゼットを形成する。茎は普通短く太いため、根から直に葉が生えているようにも見える。

気候や土壌にもよるが一般に成長は遅く、花を咲かせるまでに数十年を要するものも多い。あまりの成長の遅さに、100年(1世紀)に一度開花するという誤った認識から、センチュリー・プラント(century plant)という英語別名がつけられている。花はロゼットの中心から「マスト」と呼ばれる背の高い花茎が伸び、その先に短い筒状のものがたくさんつく。ごく少数の例外を除いて、基本的には開花後に植物は枯れる一回結実性(一稔性植物)である。種子による繁殖以外にも、球芽を形成したり、茎の根元から蘖(ひこばえ)を密生することによって、新しい個体を増殖する。

用途

リュウゼツランの仲間では、開花期になると、それまでの栄養成長で蓄えたデンプンの糖化が起き、大量の糖分を含んだ液体の転流が花茎に起こる。メキシコでは先史時代から、若い花茎を切り取って切り口を掘りくぼめることで、この液体を集め、そのまま調味料としたり、多くは発酵させて国民的な酒であるプルケを作ったりしてきた。プルケを蒸留すると、メスカルという蒸留酒になる。

テキラリュウゼツランから製造される蒸留酒はテキーラとして世界的に飲まれているが、これは製造方法が多少異なり、花茎を伸ばす前のリュウゼツランを収穫してから葉を除き、デンプンを蓄えた茎の部分を蒸し焼きにして糖化を引き起こし、これを搾って得た糖液を醗酵・蒸留したものである。

糖液をそのまま濃く煮詰めたものは、アガベシロップとなり、甘味料として製菓や料理などに用いられる。

リュウゼツランのいくつかの種では、葉から繊維をとることができ、サイザルアサ・アロー繊維(ピタ)・ヘネケンなどが知られる。

観葉植物としても広く栽培されている。様々な斑入りの変種があり、縁が白や黄色になったもの、葉の中心に根元から先端まで斑が入ったものなどがある。ヨーロッパに初めに持ち込んだのはスペインやポルトガルの探検家とみられるが、人気が出始めたのは、19世紀に蒐集家が様々な種を輸入するようになってからである。大型のものは、温暖な地域では庭で栽培される。小型種は多肉植物として温室栽培される。これがアガベとして広く知られている。

乾燥して薄く切った花茎は、剃刀の革砥がわりになる。また、葉を絞った液は、泡立つため、石鹸のように使われる。メキシコのネイティブ・アメリカンは、リュウゼツランからペン・釘・針、縫い物や織物に使う糸などを作っていた。

乾燥された葉は、燃料として使用されたり、日本の茅葺のように屋根材にして葺かれたりする。乾燥された花茎は、柱などの建築材としても使用された。インドでは、線路沿いに生垣として植えられている。

リュウゼツランから作った縄は、水を吸うと非常に収縮する。そのため、推理小説では、殺したい人物の自由を奪ってその首にリュウゼツランの縄を巻き、数時間後に雨が降ることを予測して屋外に放置し、アリバイを作るというトリックが用いられることもある。

花茎は木管楽器である「Didgeridoo」(ディジュリドゥ)の材料として非常に高い評価を得ている。

分類

以前はユリ科やリュウゼツラン科に分類されていたが、研究者によってはヒガンバナ科に含めることもある。

APG IIIの体系ではクサスギカズラ科とされ、その中のリュウゼツラン亜科に分類されている。

リュウゼツランの仲間は同一種内での個体変異が大きく、また系統の不明なものや野生種の変種も多いため、分類は難しい。ヨーロッパで栽培されている種の中には自然と異なる環境で何代も無性生殖を繰り返したため、天然のいかなる種とも似ていないものが存在する。


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